対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

悪手と手袋が握手する

2006-03-17 20:01:45 | 雑談
先日警察の悪手連鎖を嘆いた私だか、実を言えば人の事を言えない。
規模が小さいだけである。

例えば手袋をなくした。
手袋を外した瞬間
「落としそうだな」
と思ったところが常人離れしている。
そして予想通り落とし、気付いたのが翌日というお粗末。

これには続きがあって、心当たりにたずねたところ
「落としてましたよ」。
返事に喜んだのも、つかの間。
先方は気付いたが、きちんと保管してくださらず、調べたらすでになくなっていたというオチ。

落とした自分が悪いのだか、囲碁の国際戦を観戦した気分だった…。

最高の棋書

2006-03-17 03:19:20 | 棋書
【2010/12/20加筆修正】

月刊「囲碁」に毎号付録としてついてくる「名局細解」。
B6半版96ページをまるまる使って、一局を解説している。
当然、解説量は他の追随を許さない圧倒的な量。
多分同じ狙いで作られている、日本棋院の「打碁鑑賞シリーズ」もちょっと及ばない。
私が改めて紹介するほどのこともないのだろうが、棋譜並べのベストパートナーである。
風の清ルーラさんもオススメしていましたね(元記事の囲碁バトンがみつからないけど)。
今をときめくイ・セドルもこの名局細解で勉強したという。

今でこそパソコンを使って取材しているらしいが、この付録が昭和32年(!)に生まれたときは、
編集者の勝本哲州氏は一手ごとに一枚の棋譜を作成し、解説者の呉清源先生の自宅に向かったそうである。
つまり250手完なら250枚。

これならある着手に解説があれば、すぐにその着手の棋譜に手順を詳細に書き込んでいけるという意図だったらしい。
当時は白丸黒丸を全部手書きで書いたというのだから、気が遠くなるような話だ。
(ちなみに勝本氏は、工藤プロの最初の師匠)
昔の呉清源林海峰加藤正夫版の名局細解を手にする機会があったら、その辺りの魂も噛み締めて読むべし。

「囲碁」誌を毎号買わなくても、毎年この時期になると前年12ヶ月分を箱入りで一まとめにしたものが、大型書店などで売り出される。
12局入って1400円。
名局細解は単行本として加藤正夫武宮正樹結城聡趙治勲林海峰小林覚プロのものも出ているが、こちらは4局で1200円。
いかに箱入りがお買い得かお分かりだろう。
単行本には好きな棋士の勝局だけつまっている、という魅力はあるけれど。

級位者の方も今は不要でも「将来強くなろう」と思っているなら、箱入りは買い置きしておく価値あり。
2・3年で販売されなくなり、そうなると古書店でも手に入りにくいので。
今だと20世紀のものは既に入手が困難だ。
アカシヤ書店には一冊(1ヶ月分)200円で売っているが、これはさすがに高い。
いくつか1冊50円以下で売っているところも知っているが、こういう古書店は見つけるのが大変だろう。

こんな最高の棋書だが、90年代に勝本氏から別の編集者数人に担当がかわってから、やや質の低下がみられる。
単行本の名局細解のうち、プロのものは全て勝本氏が担当しているので、それと他の巻を比べて欲しい。
「『編集者による』解説」のウェイトが多くなっている気がするのだ。
この点、勝本氏はプロの解説を「引き出す役」に徹している感じがする。

もちろん編集者諸氏も、私からすればはるか上の実力者だからその解説も役に立つだろうが、
同じ解説でもプロの口から解説して貰った方が、信頼度が増すのがファンの心理というものである。
中には
「こういう疑問があったが、プロに『聞き忘れた』。
 きっと『こういう風に思っているのだろう』」
という記述まであり、妙にガッカリする。
「そんな編集者の図を作るくらいなら、他の変化をより詳細に解説して欲しい」と。
ちょっと勝本氏が書いていた頃ほどの情熱は、感じられなくなってきてはいる。