対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

農心杯優勝

2006-02-25 21:39:48 | 雑談
もう昨日の話だが、囲碁国際団体戦である農心杯で日本が優勝したそうである。
その快挙の立て役者は、最後に3連勝をして中韓をブッコ抜いた依田プロ。
正直第3ラウンドが始まった時は、優勝条件の厳しさから荒川選手の金メダル以上に期待していなかったが、それを見事に裏切ってくれた。
特にこの大会で無敗を誇っていたイー・チャンホを撃破したのは凄い!

おめでとうございます。

最終戦の棋譜をみる機会があったが、白6までの黒は加藤先生が得意としていた布石。
ちょうど今並べている棋譜もこの出だし(ただし白の一方が三々)なので、驚いた。
タスキの布石そのものをあまり見かけないのだけど、よくある布石なのでしょうか?
黒7で左下にコスむ形やその一路下にケイマする形が加藤流なのだが、ここが二間高バサミなのは、秀策流における秀策のコスミが、現代では二間高バサミなのと通じるのかしら?
加藤先生が背中を後押しをしたような勝利に感じられた。
「それなら去年も後押ししてくれれば」
といわれそうだが、そこは加藤先生と共通点の多い依田プロだったからということで…。
イー・チャンホも不出来な感じだが、「魔物にとりつかれた」というより、今までのイー・チャンホが魔物そのものだった気がする。

CSK杯や去年の農心杯をみても、団体戦ならまだ中韓と勝負できているようにみえる。
今回は例えば韓国側にチョルハンやセドルプロがいなかったということを考えても、単純にこの勝利が日本の復権には繋がるというわけにはいかないだろうが、それでも何らかのヒントがこの団体戦にはありそう。
上手く分析して、個々人の糧に転化していただきたいものである。

棋聖戦は…、勝敗はともかくもう少し長くみたかったのが本音。

追記:今回の農心杯は羽根直樹プロも活躍していましたな。
銘記しておかないと、忘れてしまう…。
羽根プロがタイトル挑戦の可能性のある直近の棋戦は…本因坊?碁聖?

N.Y.タイムズに物申す-女子フィギュア-

2006-02-25 03:02:11 | スポーツ
アメリカのニューヨークタイムズが、今大会の女子フィギュアについてこう書いた。
「荒川は優雅な演技ではあったが、卓越してはいなかった」
「今回は誰が金を取ったかではなく、誰が取れなかったかという観点から記憶される五輪になる」
アメリカの連続金メダルを阻まれた負け惜しみの感が強いが、まるっきり見当外れというわけでもない。

確かに今回の荒川の金メダルは、高難度の技を軽快に連発した、前回大会のサラ・ヒューズや前々回大会のタラ・リピンスキーとは異質のものである。
自分の前に演技したショートプログラムトップのサーシャ・コーエンの失敗を踏まえ、競技中も自分の演技の細かいズレを機敏に察し、出来る筈の3回転-3回転のジャンプをとっさに封印した判断。
リスクを伴うMAXではなく、後に演技するスルツカヤの持ち技を考えて、微妙にプレッシャーをかける得点をキープするという演技。
自分に万が一のことがあっても、すぐ後に安定感がある村主が控えているというのも、無意識とは思うが絶妙な計算の上になりたっていたのではなかろうか。
いわば勝負師の演技で、既に書いたとおり「感動」という点では2004年の世界選手権に及ばない

では今回の荒川が米紙の言うとおり「卓越していなかった」のか?
違う。
むしろ今回のような勝ち方のほうが、勢いに任せた世界選手権時の荒川や、ヒューズ、リピンスキーより「強い」と感じるのだ。

囲碁で例えてみよう。
今回の荒川は華麗な好手妙手を連発したり、大石を撲殺する碁ではなかった
むしろサラサラ打ち、相手の応手に適切に対応し、ガッチリ2目ほど残す。
一見、「魅せる碁」ではない。
しかしこういう碁の方が対戦相手に「強い」「敵わない」とより感じさせるものである。
昔で言えば秀策、今ならイー・チャンホか。
こういうことは本当に実力、地力がないとできない。

世界選手権時の荒川や、ヒューズ、リピンスキーの演技を「シンデレラ」とするならば、今回の荒川の演技はまさしく「女王」の演技と言える。
この辺は男子シングルを制した、プルシェンコとも通じるところがある。
彼の演技も「魅せられた」というより、「強いな」というものだった。

そもそも世界選手権とオリンピックを制したという偉業が、後世に評価されないなどということがあろうか?
断じて「記憶に残らない金メダル」などではなく、むしろ「荒川のための」といってもいい大会だった、とすら思う。
私は荒川のショートプログラムのフィニッシュを、決して忘れないだろう。

余談:
本格的に冬季五輪を観るようになったアルベールビルの女子フィギュアは、クリスティー・ヤマグチと伊藤みどりの激闘だったから良く覚えている。
クリスティー・ヤマグチの決めのポーズは、私のモノマネの持ちネタでもある?
しかしリレハンメルの金メダリストがどうしても出てこない。
気になって調べてみた。
ウクライナのオクサナ・バイウル。
確かに「記憶に残っていない」。
何故ならケリガン事件という余計なファクターが、この大会には付きまとっていたから。
結局、記憶に残らなかったとしても、悪いのは「フィギュアをチンケなドラマに仕立てる」、アメリカのマスメディアだったというわけ。
でも実はサラ・ヒューズとタラ・リピンスキーも区別できなかったような、私の頭にも責任はありますがね。