自遊日記

定年後の備忘録

「獄中記」読了

2006-02-25 13:28:01 | 読書
このほど、ジェフリー・アーチャー著「獄中記」を読了。

ジェフリー・アーチャーは元英国の下院議員。
サッチャーの右腕と言われた辣腕政治家であったが偽証罪で
刑務所へ送られ、2年間の獄中生活を送った人物。

ベストセラー作家でもあるアーチャーは、転んでもタダでは起きない。
しっかり獄中にPrison Diary をつけ、これが又ベストセラーになった。

海外のミステリーでは「刑務所もの」というジャンルがあるそうであるが
この本も結構読ませる。
獄中に出会ういろんなタイプの受刑者の生い立ちなどは、想像を絶する。

獄中の生活もいろいろ紹介されている。
逃亡を防ぐため、鉄格子のチェックが時々あるようだ。
音叉のような器具を使って、鉄棒をゆるめたり、取り替えようとしていないか
看守がチェックするそうである。
原始的な方法で脱獄を図る輩が、いるという事か・・・

又、政治家であり作家であるアーチャーは、ある時、受刑者を対象にした
講演を頼まれた事があるそうだ。
その際、講演後に彼の刑務所口座に振り込まれたのは、わずか2ポンドだった由。

現役時代、ラスベガスで講演した時は、飛行機はファーストクラス、ホテルは
スイートルームに泊まらせてもらい、謝礼は5万ドルの小切手だったそう。
正に天国と地獄の差。

読書をすれば、異界への旅、異次元への旅を楽しめるが、
塀の中への旅は、本だけにしておきたいものである。