MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.14 「ドラゴン怒りの鉄拳(4Kリマスター版)」

2020-07-13 14:43:00 | 2020年劇場鑑賞




今回ブルースリー4Kリマスター復活祭2020
と言う事でブルースリーの作品が連続で上映されるなんばパークスシネマへ
今週はこの「ドラゴン怒りの鉄拳」の上映なんですね

この作品は私がブルースリーを好きになるキッカケとなった作品で、初めてブルースリーの映画を見たのがこれなんですね
今回はその思い出話を…

1974年大阪阿倍野のアポロビルにあるアポロローズで見たこの作品
「.燃えよドラゴン」以降一度ブルースリーを見たくて仕方無く、ついに観賞が実現したのがこの作品でした
シリーズ第三弾と言う事でドラゴンブーム真っ盛りの時でした
当時はブルースリー作品含めカンフー映画は空手映画て呼ばれてましたね
昭和らしい響きです
当時は一大空手映画ブームで同時期に「エクソシスト」から始まるオカルト映画ブームも起こっていて映画界が凄く元気な時代でしたな

当時小学生だった私はTVの特撮ヒーロー物が好きで色々見てましたが、それまで私の中のヒーローは仮面ライダーでありウルトラマンだったんです
しかしこの作品でブルースリーが悪役である日本人柔道場を道場破りするシーンでのその強さとカッコよさ、更にヌンチャクの華麗な技
どれを取ってもキング少年には衝撃的でありました
変身もしなく巨大化もせず超人的な攻撃もしない生身の人間がこんなに強くてカッコイイのかと思った瞬間でした!
そこから私のヒーローはブルースリーになった訳でございます

因みにアポロローズの後、京橋名画座(または京橋アカデミー?)で1回(併映「ドラゴン危機一発」)
新世界国際(私の新世界国際デビュー)で1回(併映「未来惑星ザルドス」)
と名画座で何度も見ました

そんな出会ったばかりのヒーローも既にこの世には居ないと言う切なさがますます神格化していきます
大きく分けても彼の主演作は「死亡遊戯」を入れて5作品のみ
以降50年近くこの5作品の中で心のヒーローに会えるわけなんです
もちろん様々なドキュメンタリーや旧作のTVムービーの「グリーンホーネット」や無理矢理作った「死亡の塔」などの関連作品もいくつか作られましたが、あの5作品が基本映像ネタに使われています

劇場もさることながらビデオやDVDにブルーレイとソフト化が何度もされましたが、しかし直撃リアルタイム世代に取ってはアメリカ映画の「燃えよドラゴン」以外は何処か微妙かつ、ややストレスを感じるものばかりなんです
ブルースリーは当然ながら変わらないし、もちろんストーリーも劇場で見たまんまです
しかし当初ビデオ化されたのは全てセリフが北京語版!
我々が劇場で見たブルースリーは毎回声が違うけど英語を喋ってた(笑)
まずソフト版の違和感がそれ!
ブルースリーの英語版を聞くには公開当時に発売されたLPレコードで聴くしか無かったんです
後にリバイバル上映に合わして「ドラゴン危機一発」「ドラゴンへの道」は我々が見た英語版でビデオがリリースされて懐かしいTAMレコードを聞かずして懐かしい英語版を楽しめるようになった

しかしもっと公開当時に重要なものが欠落したままなのがありました
それがそうマイク・レメディオスが歌う主題歌!
これは当時のプリントが既に無くなってると言う事らしく、復活は不可能と思ってました
日本初劇場公開版にしか使われてない音源だけに貴重なものだったと思います
ブルースリーファンになり劇場以外でブルースリーと関われるのは家庭でビデオなど無かった時代なので、レコードを聴いてそこで怪鳥音やセリフを聴くしかなく、当然マイク・レメディオスの主題歌もそこでしか聞けなかったのです

そして時代は進み新たな発売されたブルーレイの特典映像で日本劇場初公開版を再現して作られ、更には東映の倉庫から「ドラゴンへの道」の劇場初公開版のプリントが発見されてソフト化もされました(冒頭に日本語で最後のブルースリーと付いてるやつ)
しかしこれはあくまでソフト
令和も2年目に突入したこの次期、いよいよ劇場初公開版がスクリーンで上映されました
特に「ドラゴン危機一髪」「ドラゴン怒りの鉄拳」「ドラゴンへの道」でマイク・レメディオスの歌が小学生の時以来4Kと言う現代の高画質を身にまといスクリーンで聞けたのです
46年の時を経て私らが求めるドラゴン怒りの鉄拳がついに復活しました

映画の内容は今まで変わる事ないけど、この主題歌があるか無いかは直撃世代に取っては大きく違う訳でありました
いわば高倉健さんの♫唐獅子牡丹のような感じ(笑)

画像はとても綺麗でした
でもヌンチャクの華麗な技、かつて私を痺れさせた道場破りでの大立ち回り、数々とモノマネネタとなり、もはや独特の様式美とさえなった闘いで見せる表情
どれも新たに輝いているドラゴンでした

敵を倒してヒロインを抱きしめた時に流れる「鋼鉄の男」
曲と共に怪鳥音の絶叫と共にピストルの銃弾の中に飛び蹴りかます「ドラゴン怒りの鉄拳メインテーマ」
荷物片手にどこかに去っていく後姿に被る「ドラゴンへの道メインテーマ」
どの曲も映画館で見たあの時のドラゴンを思い出させてくれる無くてはならない名曲です
それを令和の今、汚い劇場からシネコンへと変わりましたが、また映画と共にスクリーンで体感出来る喜びはどうでも良い人には全くどうでも良く、そうで無い人にはまさに半世紀近くかかった祝祭のような出来事なのであります


★★★★★★ 2020.7.11(土) なんばパークスシネマ シアター6 19:05 K-18