MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.031 「アーティスト」 (2011年 101分 スタンダード)

2012-04-29 23:41:00 | 2012年劇場鑑賞
監督 ミシェル・アザナヴィシウス
出演 ジャン・デュジャルダン
   ベレニス・ベジョ
   ジョン・グッドマン



B級映画が続いた後はアカデミー賞受賞となった話題作
さすがにこの作品はそれまでの2作品より客入りは良いですね
と言っても10人程度ですがね

(あらすじ)

1927年のハリウッドで、サイレント映画のスターとして君臨していたジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は、新作の舞台あいさつで新人女優ペピー(ベレニス・ベジョ)と出会う。
その後オーディションを経て、ジョージの何げないアドバイスをきっかけにヒロインを務めるほどになったペピーは、トーキー映画のスターへと駆け上がる。
一方ジョージは、かたくなにサイレントにこだわっていたが、自身の監督・主演作がヒットせず……



サイレント映画として作られた作品ですが、さすがに始まって数分はまだ良かったが途中始まって10分~20分くらいがサイレント映画としてやや見ていて疲れが来ました
サイレント映画のような古い作品見たことない若い人はもしかしたらキツイかも?
ただ20分くらい過ぎた辺りからこのセリフのない無声映画が違和感なく見れてる自分に気付いていました

サイレントからトーキーに変わる映画産業としては大きな転換期と言う時代が舞台になっていて、サイレント映画の大スターとトーキーに移行した時代に誕生する若きスター
この二人の対比が時代を反映していてるかのようです
そしてこの二人の出会いから始まるんですが、サイレント映画のスターであるジョージに認められ映画の世界に入ったペピーが やがてこの転換期により二人の距離がどんどん離れて行く結果になり、立場も大きく変わってしまう展開はとても切ない人間ドラマになっていく



この辺の展開をセリフなどは当然ないし字幕スーパーも最小限に抑えられてるので、役者の表情や動きで表現される
この手法が実に上手く言葉で語られる以上にペピーの戸惑いやジョージの苦悩が心に迫ってくる・・・
サイレントな映画の中にドップリ途中から入って行けた要因ですね
また見る人により登場人物たちの心情が色々解釈出来たりするのも良いですね
適度な上映時間も良かったと思います

十数年前に「ブキーナイツ」と言う映画でポルノ映画からアダルトビデオに時代が転換して行くアメリカのピンク映画業界を描いた作品がありましたが、この映画も時代の変換に戸惑う人たちが描かれてました
様々な人がこう言う時期を乗り越えて、やがて反発した人たちも時代の流れを受け入れて産業が発展していくんですね
ラストシーンに何となくそんな事を感じました
それにしても犬の芝居も名演でしたね



★★★★ 2012.4.26(木) TOHOシネマズなんば 別館シアター11 21:20 G-10