MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

「蝉しぐれ」

2005-10-21 01:58:15 | 2005年劇場鑑賞
監督 黒土三男
出演 市川染五郎
    木村佳乃


日本の四季折々の風景を交えながら展開していく時代劇だが、武士と藩主の側室となった幼なじみとの秘められた恋物語が中心
幼き頃から密かに想いあってた文四郎とふくがそれぞれ別の道を歩み、再会した時は身分の違う立場になっていた・・・という叶わぬ恋と判りつつもふくを守る為、反対勢力との戦いに身を投じて行く文四郎を市川染五郎が好演しています
やはりこの人は現代劇より時代劇の方が合いますね(間違ってもホッケーの選手てのはねぇ・・・)
また相手役のふくを演じる木村佳乃も意外と出番少ないんだが、気丈かつ清楚なイメージで演じており、例えば二人が歩く場面でふくが文四郎の袖をつかむシーンは思わず「ご両人!」と声かけたくなるほど二人の役の上での相性があってますね
ラストの文四郎の台詞もこの作品の締めくくりに相応しく、もはや恋愛的な感情よりも二人の今までの過去の思い出がまるで故郷のようにいつまでも心に残り続けていく・・・そんな感情がこもってるように感じました

唯一の立ち回りの場面も意外と細かい描写が印象的で、畳に刀を沢山突き立てて相手を切っては刀を変えていくが、よく見れば切ってはすぐ刀が折れていたり、刀の刃が常に血に染まってたりと、案外軽く流されがちな描写だがリアルに描いてます(人切ってるんだから血が付くでしょ!)

また画面構成がうまく計算された構図も印象的で、画面を引いた遠景の場面が結構多く特に周りの風景を多く取り入れてそこに巧みに人物を配置してるのもうまいですね
一つ一つの場面が純和風的で日本の美しい風景と人が人を想う美しくもそしてやや切ない感情が見事に重なりあった作品

田村亮・・・何かスクリーンで見ると新鮮で何気に嬉しかったぞ


★★★★ 2005.10.20 布施ラインシネマ9 南館