こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

推敲不足で、

2014年05月27日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
6月にある学会での発表の準備のため、少し前に病理の雑誌に書いた今度のテーマに関連した内容の文を引っ張り出して読み返してみたら、少々おかしなところを見つけてしまった。
それは、ある症候群(○○症候群)についての説明のところで、

「(3)病理所見
(中略)・・・.これが最も本症(○○症候群)に特異的な変化で、典型例はこの変化が□□全体に及ぶが・・・(以下略)」
と書いている。”最も特異的”という表現もいささか疑問が残るが、それはさておきその次の項目で、
「(4)・・・とその意義
(中略)・・・.さらに、電顕においてみられる基底膜の△△化は○○症候群特有の病変ではなく、(他の疾患)などでもみられる.」
と書いているのだ。



読みようによっては、「”最も”特異的な変化であるはずなのに、特有の病変ではない」って、どういうことよ。となりかねない。
書いた時は、「○○症候群では基底膜に様々な変化が現れるが、そのうちの一つである△△化は他の疾患でもみられる」というつもりだったのだろうと思う。

結構書くのに苦戦して仕上げた原稿だったが、あとからこういうことが分かってしまうと、残念でならない。



先日読んだ村上春樹の短編小説の”まえがき”のなかで、村上は一つの作品の推敲に時間がかかったということを書いている。プロの文章家というのは推敲に作品を書く以上の時間をかけるのだろう。推敲に時間のかけすぎなど、無いと思う。

私も見習って、事実の羅列だけではなく、整合性のとれたより正確な文章を書くよう、常日頃心がけないといけない。


余計なことの書きすぎにはご注意
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