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ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『天国と地獄』

2021-02-14 23:10:47 | 邦画
まだ10本程度しか観ていないけど、やっぱりこれが黒澤映画の最高傑作だと思う。そして日本映画史に残る作品だ。初めて観たときは観終わった後にため息が出たもんだ。

何といっても完成度の高い作品。犯人の高度な犯罪計画も見どころではあるが、人間ドラマの駆け引きも非常に見ごたえがある。上映時間は2時間半近くあるが、長さを全く感じさせない。
モノクロ映画は基本的に嫌いだけど、この映画に限っていは緊迫感、重厚さが増していいんでないかと思う。ピンクの煙も映える演出になるし。

面白すぎて逆に多くを語れない。そんな映画だ。


『パプリカ』

2021-01-30 22:21:31 | 邦画
今敏の代表作で名作ながら、今更やっと鑑賞した。

もともと今敏は苦手なタイプであったが、それでも今まで観た作品はマイルドテイストだったのかな。今作では監督の持つ色彩豊かな世界観にどっぷり浸れる。

夢を舞台にした映画というとなんだか身構えてしまいそうになる。事実理解できない場面が多々あるが、今にして思えばすべてを理解する必要はなく、夢なんだから何でもありなんだという軽い気持ちで鑑賞した方がよかったかな。

まあ、面白いのかどうかはよくわからないが、また観たいという気持ちにならなかったのは確かなこと。

『冷たい熱帯魚』

2021-01-17 12:11:29 | 邦画
学生時代バイトが一緒だったO君が園子温が好きでこの映画をやたらとプッシュしていたな。それから10年近く経ったが、O君やっと観たよ。

しかし、やっぱり園子温の作風は好きになれないな。エロとグロが悪いわけではないか、それでごまかしているよう。そんでもって深いようでそんなに深くもない。これで140分は長く100分程にまとめてくれたらもうちょい好きになれるな。
プロット自体はいいと思うから色々ともったいないな。

まあ、今作はでんでんのキレっぷりと美人な妻二人の裸体を拝められるというと点で開き直れば価値がある作品。

『椿三十郎』(1962)

2021-01-11 23:33:13 | 邦画
そんなに作品を観ているわけではないが、黒澤作品では2番目に好きな映画。

何といっても椿三十郎というキャラクターがいい。粗野で正義の味方という形容も似合わないながら、とても頼れる男で、観ていて安心感もある。短い時間ながら観る者に強烈な印象を残す。

ストーリーも削ぎ落した一切の無駄のないもので、完璧だと思う。実際リメイクはこの作品にかなり忠実に作られたらしいね。
そんでもって仲代がめちゃくちゃかっこいいんだな。それもなんちゃってのかっこいいじゃなく、本物のかっこよさだ。今の時代にあれだけの雰囲気、目力のある俳優はいますかね。

また、脇を固めるキャラもいい。押し入れ侍のコミカルなキャラはチャンバラだけの時代劇ではないという作風に大いに貢献している。女性二人も話し出すと、まどろっこしく感じてしまうが、いい塩梅になっている。

ラストの一騎打ちに関しても言うことは一切ない。簡単そうに見えてあの「タメ」を撮れる映画監督はそうそういないことでしょう。

世界中いろんな映画監督いるけど、こういう作品を撮れてこそ「巨匠」だと私は思うな。

『私をくいとめて』

2021-01-04 22:25:17 | 邦画
映画というのは作品のクオリティは別として、どうしても乗り越えられない観る人との相性っていうのがあると思う。そんなことを再認識することができる映画だった。

観ている最中ずっときつかった。つまらないではなくきつかった。原作者、監督、主演が女性でおっさんが入り込む余地が一切なかった。
そもそもの脳内相談役という設定が観ていて恥ずかしくなってくる。そこを否定したらどうにもならんのはわかっているのだが、脳が受け付けないんだ。特にその象徴となるのが、イタリア行きの飛行機の中で「君は天然色」が流れるシーン。勘弁してほしかった。

基本的に色彩も感情も豊かすぎて、この手の映画を見慣れていない人には戸惑いしかない。こんなに主人公に感情移入できない映画も珍しい。
観たくて観に行ったわけではないが、それこそ誰かに観に行くのをくいとめてほしかった。

のんは『この世界の片隅に』で声優としては作品に触れたが、動いているのは初めて観たかも。悪い役者とは思わんが、いささかオーバーな演技が目につく。そんでもってなんか鼻声のような声が気になる。普通にしゃべっているときは気にならなくても声を張るシーンなんかだと聞き取りにくくなるのが気になる。