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ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『いとみち』

2021-06-26 21:03:52 | 邦画
なんとなく面白そうだなくらいの気持ちで鑑賞したけど、予想以上に面白くておすすめ。

物語は青森の三味線の上手な女子高生がメイド喫茶でバイトをするというお話。あらすじだけ聞くとなんとなくどんなのか予想できてしまうが、決してありきたりな新人奮闘記でも、単純なご当地賛美の映画ではない。設定だけに頼ることなく、ちゃんと活きたキャラクターを描いていることにとても好感が持てる。

特に主人公を演じた駒井蓮という子がとてもいい。この子なしではこの映画は完成しないことだろう。ネイティブの青森人で方言は(多分)完璧。ルックスもオタク好みの手に届きそうで幸薄そうなところがたまらない。まあ、他の画像観ると普通に垢抜けているけど、この映画では芋っぽさが心をくすぐる。
津軽弁喋れて三味線も弾けてルックスも良くてこの映画にピッタリとしか言えない。いったいこんな子どこで探してきたんだと思ったが、三味線に関しては練習風景の動画が公開されていて、習い始めてからまだ日も浅いよう。音は吹替かもしれないが、普通に弾けているように観える。

他にも魅力的な人物は多いが、店長もいいね。普段はなんだか頼りないんだけど、実は内に強い意志を秘めているタイプ。特にそれを思わせるのが、主人公がコーヒーの淹れ方を教えて欲しいというが、まだ早いと言って断るシーン。結局教えはするものの、それまでとは違うやや厳し目な口調で指導している。行ったことはないが、メイドカフェというと料理は高かろう悪かろうといイメージ。営業形態はアレだが、とても真摯に仕事に取り組んでいて好感を持つ。

レビューなんか観ていると津軽弁がわからなく字幕が欲しいという声がちらほらある。確かに聞き取りにくい箇所も多々あるが、私は字幕はなしでいいと思う。字幕なんかあったら野暮ったくて仕方ない。それに映画に関わらずなんでもかんでも説明を求める風潮は良くない。わからないならわからないでいいし、わからないからこそ心に強く残るものだと思う。

この映画のもう一人の主人公とも言えるのが、三味線だが、三味線をここまでちゃんと聴いたのは初めてかも。なんとなく聴いていてベンチャーズの楽曲と相性良さそうと思っていたが、やっぱり弾いている人がいてYouTubeで見つけてしまった。パイプラインいいよ。

『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』

2021-06-15 21:20:17 | 邦画
いつの間にかブログ開設から3,000日が経っていた。内容はともかくよく続けたもんだ。

なんてことのないマンガ原作の映画だと思って観始めたが、意外なことに気付かされた。俳優を評価する時に気にするのはルックスや、演技だったりが主だと思うが、「声」って結構大事なんだなと。もちろん今までも全く気にしていなかったわけではないが、今回それを思い知った。

環奈ちゃんについては以前観た『小説の神様 君としか描けない物語』でハスキーボイスだなと思っていたが、今作も相変わらずだ。
平野紫耀は初めて声を聞いたが、ハスキーというよりはスカスカと言った方がいい。どちらかというと残念だ。

ただ残念ならいいのだが、アニメを先に観ていたから、そのギャップに苦しんでしまう。ビジュアル的には結構寄せていただけに勿体無い。
一方藤原書記はビジュアルはズレていたが、声がまんまなので結構マッチしていた。ラーメン回は是非とも観てみたかったが、映画なら真っ先にカットせざるを得ない件だからしょうがないだろうな。

映画の流れはアニメと比べるとかなり駆け足で、アニメのダイジェストとも言えよう。良く言えば短時間で網羅できるが、悪く言えば物足りなさを感じる。ただのラブコメになってしまい「頭脳戦」の描写が弱かったのが、マイナスポイント。

佐藤二朗がナレーターと脇役で出演しているが、この人が出てきたところで福田作品か疑ってしまった。昔は好きだったが、最近は顔を見るとゲンナリしてしまう。いつも同じような役だし。

『のぞき』(1983)

2021-04-25 02:17:59 | 邦画
一応一通り映画ジャンルは通ったつもりではあるが、唯一?通っていないのが、成人映画。特に観たいわけでもないが、U-NEXTで日活ロマンポルノが無料で観られるわけだし観ておいた。
予備知識は全然ないからタイトルセレクトは直感。

正直もうちょい映画として観られるものかと思ったら、こんなものかとガッカリ。というかストーリー的にはかなりの大味。無理矢理に理由つけて主人公の実家に若い男女が集まってきて次々に一戦おっ始めていくだけの映画。「ピンク映画だけど実はドラマ的にも観られます」というのが、日活ロマンポルノだと勝手に思っていた節はあったが、そんなことはなかった。

しかし濡場の挟み方はうまいことやっている。映画が始まって、官能シーンまではしばらくあるのだろうなと思ったが、割と序盤に始まって驚いた。そんでもってそろそろ欲しいなと思ったところで場面がやってきてくれる。そのタイミングは職人技とも言える。
ただ、モザイクは随分とでかいね。

主人公は百恵ちゃんに似ていると言われるが、実際主演の井上麻衣は百恵ちゃんに似ていることを売りにしていたんだってね。

『JUNK HEAD』

2021-04-24 15:54:58 | 邦画
いや〜、久々にすごい映画を観させていただいた。予告を観た時から楽しみにはしていたが、予想を遥か上にいくクオリティであった。

ストップモーションアニメで制作に7年かけたというのが宣伝文句だが、実際に映画を観るとよく7年で作れたなと感心する。さらにすごいのはこの映画を一人で作ったということ。音楽、声優も含めエンドクレジットでは「堀貴秀」のラッシュであった。

しかし、世界観の作り込みがすごい。なんてことない通路もかなり拘って作っている感じがする。物語とかなくてあの地下世界をぶらつくだけの映像でも普通に観られるレベル。
しかしすごいのは、そういった世界観に頼り切る事なくちゃんとキャラクターも作り上げている事だ。地下世界の住人は一見すると不気味でバイオハザードに出てきてもおかしくない造形だが、物語に入り込むととても愛らしく思えてくる。ヒロイン的なキャラだってそもそも性別の概念だってないのに、ちゃんと恋する女の子していて愛おしく思えてくる。
そんでもって外せないのが、地獄の三鬼神。完全なコメディリリーフ、マスコットキャラかと思いきや、その活躍、死に様は『北斗の拳』の強敵(とも)と比べても遜色のない男気を見せてくれる。

それ以外にも音楽もいい出来だし、カメラワークもかなり凝っていて、とにかく褒めるところしかない。
パンフレットも売り切れるくらい人気のようだが、それも納得だわ。私は買いはしなかったが、今思えば買ってもよかったかなと思える。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』

2021-03-27 23:42:30 | 邦画
人生初のIMAXを体験してきた。スクリーンが湾曲していて何かと思ったが、これがIMAXの秘密なんだってね。
しかし、期待していたほどの、効果は感じ取れなかったかな。これなら通常上映でいいやと思える。

数度の延期を乗り越えて、前作の公開から8年以上待たされた結果がこれか…。
てっきり私はテレビ版、旧劇の出来に納得いかないから新劇を製作したのかと思っていたが、なぜこうも同じ轍を踏むのか。もちろんストーリー展開は旧劇とは全く違うのだが、広い意味で捉えれば同じ終わりではないか。
序盤の農業と後半の意味不明な終わり方とついていけないところが多すぎる。

まあ、私自身エヴァの設定に不勉強なところが多々あるから偉そうなことは言えないが、とりあえずは完結してくれてありがとうと言っておきたい。しかし、ネットで話題になっているのは内容ではないもっぱらカップリングについてだけど、それでいいのか。

ラストで次々とエヴァが貫かれるシーンが、「ソードマスターヤマト」とネットで言われていて笑ってしまった。