ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『椿三十郎』(1962)

2021-01-11 23:33:13 | 邦画
そんなに作品を観ているわけではないが、黒澤作品では2番目に好きな映画。

何といっても椿三十郎というキャラクターがいい。粗野で正義の味方という形容も似合わないながら、とても頼れる男で、観ていて安心感もある。短い時間ながら観る者に強烈な印象を残す。

ストーリーも削ぎ落した一切の無駄のないもので、完璧だと思う。実際リメイクはこの作品にかなり忠実に作られたらしいね。
そんでもって仲代がめちゃくちゃかっこいいんだな。それもなんちゃってのかっこいいじゃなく、本物のかっこよさだ。今の時代にあれだけの雰囲気、目力のある俳優はいますかね。

また、脇を固めるキャラもいい。押し入れ侍のコミカルなキャラはチャンバラだけの時代劇ではないという作風に大いに貢献している。女性二人も話し出すと、まどろっこしく感じてしまうが、いい塩梅になっている。

ラストの一騎打ちに関しても言うことは一切ない。簡単そうに見えてあの「タメ」を撮れる映画監督はそうそういないことでしょう。

世界中いろんな映画監督いるけど、こういう作品を撮れてこそ「巨匠」だと私は思うな。

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