ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

東野圭吾『探偵倶楽部』

2018年09月19日 | 読んだ本(日本語)
東野圭吾著『探偵倶楽部』

探偵倶楽部というタイトルなわりに、探偵は主人公ではありません。
結局、名前もわからないまま。とりあえず美男美女のコンビです。

五作品収録されています。それぞれ依頼人側の視点で物語が進みます。
依頼人や警察が下した結論(それは読者としての私も予想したのですが)、
それを裏切る展開を最後に探偵たちが明かしてくれます。

そういう意味で、読者の予想を裏切るおもしろさがあります。

けれど、『探偵の使い方』では探偵は真犯人たちにいいように使われてしまって、
そのことに気づいて犯人たちを訪ねてきます。真相を明らかにするのは
こっちのイメージダウンになるけれど、犯人たちに利用されたままで
いるわけにはいかないから真相を暴いてみせる、みたいなことを
犯人たちに告げるシーンで終わります。はい、終わります。

んでもって、『薔薇とナイフ』。これも警察や依頼人が納得した結末ではなく、
探偵によって真相が明かされますが、まあ、それが悲しいというかムカツクというか
なんともいえない。なんとも複雑な人間関係が明らかになり、依頼人、超かわいそう。

依頼人(父親)は真犯人であることを確かめるために、目をかけ信頼してきた
相手の家に電話をする――というシーンで終わり。

後味悪ぅ~~~~~~~~~!
という話がいくつかありました。

真相を推理して楽しむ、というストーリーではなさそうです。
結末はすべて探偵が明かすのみで、警察がそう下すだろう的な結論に導かれるように書かれているので、
読者は騙されます。

予想外の結末に唸らされることは唸らされますが、
ハピエン大好き人間としては、ちょっとモヤッとする本でした。