ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

レイ・ハリスン『ジョン・ブルの誇り』

2013年01月04日 | 読んだ本(日本語)
高田恵子訳、レイ・ハリスン著『ジョン・ブルの誇り』

舞台は1890年ロンドン。ロンドン市警察のたたき上げの部長刑事ブラッグと、貴族の次男坊で新米巡査のモートンが、ある殺人事件の捜査を担当する。ブラッグは正義感と骨のある男。モートンは貴族の次男ながら考え方も進んでいて、ちょっと天然の入ったものすごくいいキャラ(笑)。

殺されたのは海運会社のただの事務員、ポッター。だが調べていくうちに、帳簿が破られていて、横領の疑いが出てきた。だが、小切手にサインするのは会社の社長(ロンドン市長も務めた大物)であるため、ポッターが横領するのはムリだ。実際に横領した人間が、ポッターを口封じに殺したと思われる。だが、横領可能な人物は会社の社長。自分の会社から横領しても仕方がない・・・?と思いきや、会社の株は銀行が大量に所有しているということがわかる。ブラッグとモートンは真犯人を追って、ロンドンからマルセイユ、モナコへ・・・!

なんか筆者が内国歳入庁に勤めていたとかで、買掛帳とか売掛帳とかが出てきて、10年以上前に簿記3級を取っただけの頭では(しかもきれいさっぱり忘れている)、ちょっと??となるシーンがあった。まあわからなくてもいいんだけど。簿記2級持っているだんなに説明してもらって納得(笑)。いや、わからなくても一瞬の出来事なのでスルーしても物語上大して問題はないが。

CSI大好き人間には、最先端科学捜査とは対照を成すヴィクトリア朝の雰囲気と足での捜査が新鮮でおもしろかった。

ブラッグもモートンもスコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)ではなく、ロンドン市警察に勤めていることが、さらに新鮮。ときどきスコットランド・ヤードも絡んでくる。被疑者を尾行していたモートンが、スコットランド・ヤードの警官に「不審者だと思ってあやうく逮捕しそうになりましたよ」とか言われるシーンもあって、かなりにやりとできる(笑)。

原題はFrench Ordinary Murder。直訳すれば『フレンチ・オーディナリ通りの殺人』。その名の通り、ポッターはフレンチ・オーディナリ通りで殺されているのだ。ジョン・ブルってなんだろ?

Wikipediaによると”典型的イギリス人”のことだそうで。でも、wikiの絵にあるような登場人物はいなかったような・・・? むむ。なぜこのような邦題になったのかかなり興味ありです。

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