風のBLOG

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東日本巡回公演「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」第9週目

2016-07-26 13:55:00 | トピックス

7月13日  東京都 鷗友学園女子中学校

 
 
舞台を目の前に声を上げながら会場に入ってくる約800人の生徒さんたち。
 
 
 
開演前には校長先生がヘレン・ケラーが描いた詩を見せて下さいました。
 
生徒さんの進行から開演した舞台に、客席にいる生徒さんたちはリラックスした様子で舞台に体を向けていました。
 
 
終演後の座談会には10人程の演劇部の生徒さん、陸上部の生徒さん、そして、高等部の生徒さん2人が集まり、最初は緊張を感じましたが、座談会を終えると、一人一人声をかけにきてくれ、問いや自分が感じたこと、見たものを伝えてくれました。
 
客席で座談会を行ったのですが、彼女たちの目の前で徐々に撤去されていく舞台装置や照明、音響にも関心を持ち、「どうやって運んでき
たのか」「どうやって11tのトラックに全ての舞台装置を詰めたのか」「照明や音響の道具も自分たちで持ってきているのか」とたくさんの質問がどんどん出てきました。
 
トラックの中が見えるところまで生徒さんと一緒にいくと、さっきまで舞台に立っていた役者がトラックに荷物を運んだり詰めたりする作業を見て、「あ!あの人!!」「みなさんで全部やってるんですね」と驚いたり、自分で発見したことを声に出しながらトラックの扉が閉まるまで見ていました。
 
舞台で生徒さんたちが見て、聞いて、受け取ったもの感じられた、彼女たちの声に、表情に出会うことのできた時間でした。
 
 
 
 
 
7月14日 栃木県 佐野日本大学高校
 
 
 
 
高等部1800人、中等部600が学科、コースで分かれた2ステージの公演でした。
 
客席は2ステージとも満席。
生徒さんの進行から生徒代表挨拶、校長先生の言葉、そして、約1200人の盛大な拍手に迎えられ、舞台は幕を開けました。
 
散漫とした客席から徐々に舞台に集中していき、じっとして舞台に目を向け、一人一人が自身の感覚を持ちながら、発見したことを控えめに隣同士顔を合わせて話たりしながら舞台に起こる出来事、人物の行動としっかり向き合い、劇場空間を1200人が一体となって作り上げていっているように思いました。
 
退場時、見送りのためロビーに向かうと、退場してくる生徒さん、また先生方の何人かが駆け寄り、改めて「すばらしかった!」と拍手を贈って下さったり、「楽しんで見ました」「生徒が何かを感じながら集中して舞台に身を乗り出していたことに驚きました」と言葉を伝えてくれました。
 
その一瞬間がとても濃密に感じられた時間でした。
 
皆さんが感じたものが何かまた自分にとって大切なものとの出会いをつなぎとめるものであったら、と思います。
 
 
 
 
 
 
7月21日 青森県 NPO法人 藤崎町文化協会主催公演
 
 
藤崎中学校、明徳中学校の2校合同、藤崎町文化協会の主催で行われた公演でした。
 
2校合同とは思えないほどの一体感で、沈黙しながらも、時々舞台に自身の中の反発や、驚きをひそひそと役者が聞き取れるくらいの声で反応しながら、”見せられてる”のではなく、リラックスした様子で、不自由なく自分の受けとったものを大切にして見ていたように感じた公演でした。
 
 
 
終演後の送り出しで退場してくる生徒さんたちは、役者に驚きながらも控えめに会釈したり、ニコニコしながらチラっとこっちをみたりしていて、公演中の彼らとはまた違った印象で、生徒さんたちがものすごいエネルギーをもって舞台に一生懸命向き合っていたことを改めて実感しました。
 
 
 
その向き合おうとした自分、何かを発見し、感じようとした自分、自身の感覚の中で受け取ったものをいつまでも大切に持ち続けてほしいと願います。
 
 
 
2016年春「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」東日本、京都プレミアムツアーを終え、その中で若い目にさらされ、自分たちが出会ったもの、そして、客席にとって、彼らにとってこの舞台が何であったのかを問い、考え続けたい。また、秋の東日本、西日本ツアー「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」、たった一人でもこの舞台に向き合おうとするものがいるのなら、しっかり立って、真剣に向き合いたい、そう強く思います。
 
 
 
 
アニー・サリバン役
高階ひかり