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『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』東日本地域・京都巡回公演第6週目

2016-07-05 10:46:53 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』巡回公演も第6週目。

春の旅も折り返し点を過ぎ、今週は日曜日から土曜日まで、東北地方、そして京都と計7ステージ(総移動距離3200キロ!)を駆け抜けてきました!

6月19日(日) 久慈市教育委員会主催公演 (岩手県)

6月20日(月) 花泉高校(岩手県)

6月21日(火) 向陵高校(青森県)

6月22日(水) 双葉中学校(福島県)

6月23日(木) 宮古高校(岩手県)

6月24日(金) 楢葉中学校(福島県)

6月25日(土) 京都プレミアム公演(京都府)

 

久慈市教育委員会主催公演

第6週目のスタートは岩手県久慈市から。今回は久慈市文化会館アンバーホール主催での公演となりました。

 

日曜日の昼間の公演という事で、会場には小さな子供を連れた家族や高校生、また年配の方まで、幅広い年齢層の方々が集まっていらっしゃいました。開場前にすでに劇場のロビーには沢山のお客様が!会館の受付・場内スタッフの皆さんも、にこやかな笑顔でお客様たちをお迎えします。

 

上演中は幅広い世代がいるからなのか、様々な反応が舞台に返ってきます。最初は一人一人で観ていた舞台が、いつの間にか客席全員が一つになっていた、そんな風に見えました。

 

終演後のカーテンコールでは、最後の挨拶を終え、手を振って舞台から去ろうとしているヘレンやアニーに、本当に沢山の方々が手を振り返して私達に感謝の気持ちを届けて下さいました。また、ロビーでのお見送りの際も、多くの方が俳優に声を掛けてくれ、また俳優達も更に一歩踏み出して皆さんに言葉を掛けていました。

 

お見送りと並行して、舞台では希望者によるバックステージツアーが行われていました。舞台監督の佐田から、舞台美術についての説明を受けたり、実際にセットに登ってみたり、ポンプから水を出してみたり。今回の公演では久慈高校の演劇部の皆さんが20名程集まってくれましたので、演劇部の皆さんもバックステージツアーを体験しました!他のお客様たちに混じって、舞台上のアチラコチラへ。お見送りを終えた俳優達とも公演について、演劇についての質問なども沢山飛び交いました。最後まで残ってくれた皆さんとアニー役の高階はそのまま座談会へ。そこでも高階の言葉を真剣に聞き入っていた事がとても印象に残っています。

 

 

 

 

会館を退館する際にも、アンバーホールの沢山のスタッフの皆さんが私達のトラックとバスを見送って下さいました。本当にありがとうございました!

 

花泉高校

久慈での公演を終えて、同じ岩手県内の一関市へ。花泉高校での公演です。花泉高校での公演は風3度目となります。

 

開演前は校長先生から「テレビや映画では味わえない生の迫力を感じて欲しい」「『観劇』する事で『感激』して欲しい」と生徒の皆さんに投げかけられました。また終演後には図書委員長から「劇団の皆さんの演劇にかける情熱に圧倒されました。」とのメッセージと花束を頂きました!

 

 

終演後の撤収作業にも全校の3分の1位の生徒の皆さんがお手伝いしてくれました。運動部、図書委員会の皆さんが積極的に劇団員に話しかけながら、舞台装置や照明、音響機材をトラックに運んでいきます。劇団の事や、演劇について、または自分の進路について・・・。様々な会話があちらこちらから聞こえてきます。

体育館からは劇団員と沢山の生徒の皆さんの声が溢れかえっていました。

 

とても重い荷物も皆で持てば重くありません!皆さんのおかげで片付けもとても早く終えることが出来ました。

 

無事トラックに荷物を積み終えて、皆で記念写真!お疲れ様でした!

 

 

・・・の後にも更に記念写真。この一日が皆さんの高校生活の思い出の一つとなればと思います。

 

向陵高校

向陵高校での公演は創立40週年記念公演として行われました。生徒玄関の横に体育館がある学校だったので、搬入作業中には生徒の皆さんと朝の挨拶を掛け合いながら、作業が進みます。また、設営作業中には3年生の女子の皆さんが体育の授業を早めに切り上げて体育館に舞台見学に来てくれました!照明の作業中だったので、少し暗い中舞台裏を見学。準備された小道具や衣裳に触れたり、眺めたりしながら、「皿にはなんでテープが貼ってあるの?」「赤ちゃんの人形、少し怖い!」など、思い思いに舞台の裏側を楽しんでくれました。

 

 

終演後には全校生徒で「ありがとうございました!」とお礼を頂きました。その後、全校の皆さんと一緒に記念撮影!120名程の生徒の皆さんが舞台の上へ。こんなに沢山の人が舞台上に登ったのは初めてではないでしょうか?皆とても良い笑顔です!

撤収作業も3年生の皆さんがお手伝いしてくれました。劇団員の「次はこれをトラックにお願いします!」という指示に、テキパキと返事をしながら道具をトラックへと運んでくれ、また女子の皆さんは幕や遮光用の黒ビニールを綺麗に畳んでくれました。あっという間に劇場へと変わっていた体育館が元の体育館へと戻っていきます。

撤収作業終了後のご挨拶。最後まで残ってくれた皆さんに御礼の言葉と色紙のプレゼントです。

穏やかなのだけれど、懸命に手伝ってくれた生徒の皆さんがとても印象に残っています。どうもありがとうございました!

 

双葉中学校

 双葉中学校の公演は、2週間前の浪江高校同様、日本赤十字社福島県支部の皆様の協力の元、行われました。いわき市に建設された仮設校舎、仮設体育館での公演です。当日は併設されている双葉北小学校・双葉南小学校の5・6年生、そして双葉中学校の生徒の皆さん、先生方、保護者の方合わせて40名程の客席となりました。いつも使っている体育館がシアターへと変わっていて、皆さんビックリしたのではないでしょうか?

 

公演が始まる前には日本赤十字社の活動についての説明や報告が行われました。

 

午前中の定期テストを終え、少しリラックスした様子で舞台を楽しんでいるように見えます。プレハブの体育館で、館内の暑さも懸念されましたが、当日は曇りで風もあり、かなり観易い環境になりました。

 

カーテンコールでは、生徒会長さんが「障がいを持っているのにも関わらず、何事にも前向きなヘレンの姿勢に感動しました」とメッセージを頂きました。終演後、全員で記念撮影!それから各学校に色紙のプレゼント。そしてそのまま舞台袖に帰らずに、体育館から校舎に戻る皆さんをお見送りです。

撤去作業を終え、校舎へ向かうと早速記念の色紙がポスターと共に飾られていました。

色紙を見て、また公演の事を思い出してくれたら嬉しいです!

 

宮古高校

 福島県いわき市での公演を終えて、旅班は再び岩手県へ。宮古高校は2度目の公演となります。実は2011年度にこの『ヘレン・ケラー』の公演が予定されていたのですが、東日本大震災の影響で延期となってしまいました。なので、今回は5年越しの『ヘレン』公演です。

 

会場には公演の手作りの看板が建てられていました!

しばらく体育館での公演が続いていたので、会館での公演が久しぶりに感じます。宮古高校には定時制もあり、定時制課程の皆さんも鑑賞します。宮古市民文化会館の客席は生徒さんでほとんど一杯に!700人以上の生徒の皆さんが開演を興奮しながら待っています。開演の合図の音楽が鳴り、客席の明かりが暗くなっていくと、会場内の歓声もどんどん盛り上がっていきます。そして、舞台上が明るくなり、ヘレンの生い立ちを告げるアナウンスが始まると、とたんに舞台に集中するように客席に静寂が訪れます。

1時間の公演の後の休憩時間となった瞬間、客席からは緊張を解きほぐす様にため息が漏れ、そしてまた開場中と同じ風景へと戻っていきます。

 

カーテンコールでは「人と人の繋がりや運命を感じました。それに私達は言葉を持っています。言葉を使ってもっと親や友人、部活の仲間と分かり合いたいです。」と素敵な言葉と花束を下さいました。ありがとうございます!終演後ヘレン役の倉八とアニー役の高階が会場のロビーで生徒さんをお見送り。手を振ってくれたり、二人に感謝の言葉を直接伝えてくれたり、僅かな時間ですが、生徒さん達にとっても、俳優2人にとっても、いい時間となったと思います。

 終演直後の会場。芝居の余韻と熱気が漂っているように思いました!

楢葉中学校

楢葉中学校での公演も日本赤十字社福島支部の皆さんの支援により、実施させた公演です。双葉中学校同様に仮設の校舎・体育館での公演となりました。当日の朝、11トントラックを仮設体育館に駐車し、窓からの搬入です!大きなセットも声を掛け合いながら搬入してきます。

 

荷物全部下ろすと体育館はこのような姿に。あまりの道具の量に先生もビックリ!

 

照明のためのバトンを天井から吊るす際の、ロープをどのように、どこに結ぶか、劇団員皆で相談し合いながら最も安全な策を検討します。

 

完成形はこちら。

 

これも双葉中同様?定期テスト後の鑑賞となった公演ですが、生徒の皆さんは体育館の変化に声は出さないものの、驚いている様子でした。1年生から3年生まで、それぞれ場所をゆったりと使って演劇が鑑賞できるように整列。上演中も緊張したりせずにリラックスしていたようです。公演終了後、そのまま出演者全員でお見送り。皆さんの晴れやかな笑顔が印象的でした!

 

 

 楢葉中学校、隣接する楢葉北小学校・楢葉南小学校は来年度楢葉町で学校を再開するそうですので、この仮設の校舎・体育館とは今年でお別れとなります。4年間、こちらに通った生徒さんも多いのではと思います。ふとした時に「あの仮設の体育館でヘレン・ケラーを観たなあ」と、あの時間、あの場所を是非思い出して下さい!

 

京都プレミアム公演

福島を離れ、旅班は京都へ。毎年学校関係者の方々や養護施設の皆さん、地域の方々を招待して開催している<プレミアム公演>です。会場では現在西日本を巡回公演している『ジャンヌ・ダルク』班や現在西日本地域での巡回公演を企画・制作している劇団員が合流。旅班だけではなく、多くの風のメンバーと共にいらっしゃるお客様をお迎えします。開演前にはバックステージツアーも行われました。

 

沢山の参加者の皆さんが舞台上だけでなく、舞台裏や劇場機構など、普段目にすることのない劇場の『裏側』を見学しています。実際にこれから舞台に登場する様々な物に触れながら、これから観る舞台について、ヘレン・ケラーについて、想像が膨らんだのではないでしょうか。劇団員の佐野が「バックステージツアーをしてからの上演は、会場内の観る、観ようとする力に溢れている様に感じる」と公演後に言っていました。上演中は正にその言葉どおり、舞台に向けての集中力を同じ客席内にいてひしひしと感じることが出来ました。

公演終了後には日本学校演劇教育会関西支部の吉田先生が司会を務めて下さった、アフタートークを行いました。旅班からはヘレン役の倉八、アニー役の高階、そしてアナグノス役の緒方が参加。会場内からは俳優について、演技について、そして演劇とは何か、多くの質問や意見が寄せられました。アフタートークが終わってからも、出演者にもっと話したい、聞きたいと集まって来てくれた生徒の皆さんがとても印象に残っています。

 

第6週目も沢山の出会いや再会がありました。一日一日、場所も人も違うなかで生まれてくる「出会い」。人であったり、自分であったり、ある発見であったり・・・。何一つ無駄にせず、すべてをまた自分の糧としながら、日々の公演を楽しんでいけたらと思います。

文:渡辺 雄亮(音響)


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