新年度に入り、いよいよ風の全国巡回公演が始まりました。
この春は、西日本地域を中心に『Touch~孤独から愛へ』が、
東日本地域を中心に『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』が駆け回ります。
さて、『Touch~孤独から愛へ』の2024年度の最初はゴールデンウィーク中の
4月30日火曜日 [東京都]杉並総合高校 なかのZERO
5月2日木曜日 [東京都]つばさ総合高校 大田区民ホール・アプリコ
の公演と
5月10日金曜日 [愛知県]南山中学校・男子部 同校講堂
での公演でした。
・杉並総合高校
22年の『ヘレン・ケラー』の公演以来、二年ぶりの公演で、来年度もすでに風の公演を呼んでくれることになっている学校です。
午前の開演でしたが、朝、会場に到着すると、もうすでに何人かの生徒さんが入口付近に来ていました。聞くと、朝8時から来て待っているとのこと(開場時間は9時50分)。公演を楽しみにしてくれているようでした。
開場と同時に続々と生徒の皆さんが入ってきます。
司会は広報委員の生徒さんが務めてくれました。軽快な司会とともに開演です。
公演が始まると客席は真剣そのもの。舞台上で起こっていることをそれぞれの視線で見てくれているようでした。
カーテンコールには、広報委員の男子生徒さんが二人登壇し、「三人のつくる世界に引き込まれました」「とにかく、感動しました!」と、思い思いの感想を緊張しながらもしっかりと伝えてくれました。
終演直後に、校長先生が楽屋を訪ねてきてくれました。「本校の芸術鑑賞教室は、“生徒たちにひとつのものに打ち込む真剣な大人の生き様を見てほしい”との思いで実施していますが、今日はそれにぴったりでした。ありがとうございました。」と、力強い言葉を伝えてくれました。
一方、舞台上では、当日の呼びかけで参加してくれた生徒の皆さんとの舞台見学が行われていました。
衣装を着たり、劇団員に舞台の機構について真剣に質問をしたり、舞台の余韻をひとりひとり噛みしめながら、楽しんでくれていました。
一通り見学を楽しんでもらった後には、客席で座談会が開かれました。質問や感想が途切れず、時間いっぱいに話をしていました。
生徒の皆さんが座談会をしている時間に、今度は先生方が舞台見学。生徒が見学しているときはきっと遠慮されていたのでしょう。劇団員の説明をニコニコしながら、目を輝かせながら聞きながら、探検をしてくれていました。
最後はみんなで記念写真。三年生は卒業してしまいますが、また来年もお会いしましょう!
僕たちも楽しみにしています。
・つばさ総合高校
10年以上振りの風の公演でした。
大田区民ホールアプリコでの公演。カメラを向けると、みんなピースでにっこりです。
つばさ総合高校に22年いらっしゃるという先生の司会で公演がスタート。自然と拍手が起こります。
カーテンコールでは、生徒会長さんが挨拶。「トリートのもどかしさと、失ってから気づく大切さを感じました。この劇で感じたことを、私たちの”これから”につなげて生きたいです。」と、観劇の余韻に、時折声を詰まらせながらも、強い意志と決意を感じる言葉を聞かせてくれました。
終演後には、舞台見学が行われました。事前に希望者を募っていてくれましたが、それを遥かに超える人数の生徒の皆さんが、参加してくれました。劇団員とも交流しながら、楽しんでくれていたようです。
舞台見学を終え、出演者と話がしたいという生徒の皆さんと座談会も開かれました。学校に戻らなくてはいけない時間ギリギリまで、話が弾んだようです。
公演の担当の先生は、以前何度か東中野の拠点劇場レパートリーシアターKAZEに来てくださっていたそうです。「また、風さんのシアターにも行きますね。」と嬉しそうにおっしゃってくださっていました。お待ちしています。
・南山中学校・男子部
三年ぶりとなる公演でした。三年前の前回は、コロナ禍ということで、中学・高校各学年ごとに上演。一つの学校で6公演という、劇団にとっても初めての経験をさせてもらった、印象深い学校です。
三年前と同演目ということもあり、今回は中学校のみの公演で、バリアフリー演劇で上演しました。
開場と同時に賑やかな声が、講堂を包みます。客席の後ろに設置した照明や音響席の機材にも
興味津々。
一階席は満員。明るく元気な生徒さんたちが開演を今か今かと待っています。
一階席に入りきれなかった一クラスが二階席に。ここからの眺めもなかなかいいですね。
担当の先生の進行で、舞台説明開始。盛り上がりながらも真剣に耳を傾けてくれていました。
登場人物の名前を一つの手話で表現する「サインネーム」。みんなも一緒に真似をしてくれていました。
会場の盛り上がりが冷めない中開演。よく笑いよく反応しながら、一緒に公演をつくってくれました。
公演後には、演劇同好会の皆さんが、舞台見学と舞台撤去のお手伝いをしてくれました。出演者、スタッフと積極的に交流をしながら、一生懸命荷物を運んでくれていました。ありがとうございました。
担当の先生は、今回の公演を最後に、芸術鑑賞の担当を離れるのだそうです。「今日の子どもたちの姿を見て、担当する最後に、風さんの公演を見せられて本当に良かったです!」と、涙ながらに話してくれました。そう言ってもらえて、僕たちも感無量でした。ありがとうございました。
三公演を終え、すでにこんな素敵な出会いをしています。このあとの公演でも、素晴らしい出会いを重ねていけるという、予感と喜びを感じました。ここから、『Touch~孤独から愛へ』のツアーは7月中旬まで続きます。
これからの記事の更新も、ご期待ください!
文:佐藤勇太(フィリップ役)
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