風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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2024年 春『Touch孤独から愛へ』西日本・新潟ツアー その6

2024-07-16 23:36:02 | 全国巡回公演

7月1日(月) 堺東高校 (国際障害者交流センタービックアイ)
7月2日(火) 京都市立堀川高校 (長岡京文化記念会館)
7月4日(木) 出雲高校 (出雲市民会館)
7月5日(金) 大社高校 (出雲市民会館)


堺東高校
いよいよ、7月に入りました。

2024年度『Touch』の春旅も後半戦に入り、今日は、堺東高校の演劇観賞会。

大阪府堺市にある国際障者交流センタービッグアイでの公演になります。

     
共生社会のモデルとなるべく作られたこの施設での公演は、バリアフリー演劇を追究していく劇団風にとっても参考になる部分が多いです。

13時になり生徒達が入場して来ました。

開演前のバリアフリー演劇の説明を聞きながら、「バリアフリー演劇とはなんだろう。」とワクワクした空気で、登場人物のサインネームを真似してくれていました。

芝居が始まると、すっと『Touch』の世界に入り込んだ様子が見られました。

カーテンコールでは、代表の生徒さんがあいさつをしてくれました。

終演後は、希望者による舞台見学が行われました。

その後、ハロルド役の柳瀬を交えた座談会。

大勢の生徒さんが、参加してくれました。


学校の関係者の皆さま、会館の皆さま、どうもありがとうございました。

 

京都市立堀川高校
あいにくの雨模様になりましたが、長岡京記念文化会館での公演になります。

昨日と同じく、そして春の『Touch』のツアーでの最後のバリアフリー公演です。

開場し、開演までの時間で舞台見学が行われました。

多くの生徒さんが、役者やスタッフの説明を受けながら、見学をしてくれました。

本日は、6回目の公演になる、堀川高校の演劇鑑賞会です。

一番最初は1997年とのことなので、大分昔になります。今日のバリアフリー演劇を、今の生徒さん達が、どのように見てくれるのか、私達も楽しみです。

舞台の上に、<手話通訳が役者の一人として存在する>、<音声ガイドがオープンにスピーカーから流れる>、<舞台の真ん中に字幕が表示される>という形態は、演劇を見慣れている人にも不思議なものに映るかも知れません。しかし、新しい演劇のジャンルとして確立されるようになればより一層、共生社会という意味を社会が考える一端になるのではないかと思います。

観劇後、生徒さん達の舞台見学では、バリアフリーについての質問も多数あったようでした。

若い世代にインクルーシブな社会について一緒に考える機会になってくれたら嬉しいと思います。

堀川高校の関係者の皆さま本当にありがとうございました。

 

出雲高校
今日は出雲市民会館にて、出雲高校の演劇鑑賞会です。

学校から各々で会館に来たそうです。そのため、早めに到着した生徒さんや保護者の方にお声がけし、舞台見学を行いました。

多くの生徒さんが舞台に上がり、大道具や小道具を触ったり、スタッフや役者に質問などをしておりました。

司会進行は生徒さんがされ、開演です。

開演すると、芝居の中に客席全体が集中して入り込むような感じがしました。

終演後はまた舞台にたくさんの生徒さんが見学してくれ、役者やスタッフに芝居の感想などを話してくれました。

座談会に移行して劇団との交流が行われ、演劇鑑賞会は終了いたしました。

出雲高校の担当の先生方、関係者の皆さま、生徒の皆さま、どうもありがとうございました。

 

大社高校
昨日に引き続き出雲市民会館での公演です。

9時30分の開場でしたが、今日も開演前の舞台見学を行いました。

普段見ることがない舞台の大道具や小道具についていろいろと質問したり、興味津々といった感じでした。

その効果もあってか舞台は盛り上がりを見せて客席の反応が劇場の空間に染み渡るようでした。

終演後、舞台見学があり、役者との写真撮影などを行い、公演は終了いたしました。

大社高校の担当の先生方、生徒の皆さまどうもありがとうございました。

 

 

公演の中や開演前・開演後の舞台見学での生徒の皆さんの眼差し・熱意を感じながら、演劇と観客の関係を、そして、これからの社会についてあらためて考える、そんな公演でした。

暑さも厳しくなりますが、あと残り少なくなってきた『Touch』春ツアーで次なる観客との出会いを一つ一つ大切に進んでゆきます。

文:佐田剛久(舞台監督)

 


2024春『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』 東日本・西日本ツアー 第8週目

2024-07-16 22:47:05 | 全国巡回公演

今年も1年の半分が過ぎて7月となりました。

連日各地の最高気温がニュースになっています。雨にも負けず、夏の暑さにも負けず、、、旅公演は続きます。

 

7月1日(月) 【秋田県】 鹿角高校 鹿角市文化の杜交流会館コモッセ

7月2日(火) 【宮城県】 仙台城南高校 東京エレクトロンホール宮城

7月7日(日) 【埼玉県】 社会福祉法人 清心会主催 秩父特別支援学校

 

鹿角高校

この学校は、花輪高校、十和田高校、小坂高校の3校が統合され今年4月からスタートした新しい学校です。統合前の3校には、『星の王子さま』や『ジャンヌ・ダルク』を観てもらっていました。統合後の最初の鑑賞行事でヘレンとアニーの出会いを描いた『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を選ばれたのには、統合で新しい友達と出会っていく生徒さんたちへの想いも託されていました。

会場となった鹿角市文化の杜交流館コモッセは一席一席がゆったりしていてリラックスして観劇ができそうです。朝、約500人の生徒さんたちが入場し始めるとまもなく入場完了。開演と共に舞台へのリアクションは聞こえてきますが、舞台への集中力も感じました。

午後からは通常授業があるため、学校へ帰る生徒さんたちとヘレンとお父さんがロビーでお見送り。生徒さんたちは笑顔で帰っていかれましたが、その様子に先生方も喜んでられました。

また、先生方は、観劇中の生徒さんたちの集中力に驚かされたと話しました。

 

仙台城南高校

風を観ていただくのは初めての学校で、演劇を観る機会もなかったけれど、風の舞台と『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』という作品に多いに期待していただいていました。

当日は、図書視聴覚委員の生徒さんたちが受付や司会進行されました。開演前に教頭先生がお話をされましたが、先生は盲学校で校長先生をされていた時、子どもたちが懸命に食事をとる姿に感動されたこと。自立しようとする子どもたちと、仙台城南高校の校長先生は、日頃から「自立」ということを話されている。「自立」について改めて考えてほしいと話されました。

カーテンコールでは、図書視聴覚委員長の生徒さんから、アニーとヘレンの出会いから、これからの自分たちの出会いに思いを馳せてメッセージをいただきました。花束も頂きました。

音響に興味のある生徒さんからの希望で舞台見学の時間がとられましたが、たくさんの生徒さんたちが舞台に上がってこられました。舞台装置だけでなく客席からは見えなかった照明や舞台機構に興味を持つ生徒さんもいて、それぞれに出演者やスタッフと交流の時間を持ちました。この舞台見学の生徒の皆さんの様子にも先生方に喜んで頂けました。

 

社会福祉法人 清心会主催

誰もが楽しめるバリアフリー演劇 in埼玉・プレビュー公演

社会福祉法人 清心会主催で、秩父特別支援学校の体育館公演でした。

 

前日は、清心会利用者の皆さんや職員の方々、理事長の岡部さんらが途中雨が降ったりするなか、大汗をかきながら搬入を手伝ってくださいました。強力な助っ人を得て、元気をもらい、公演準備を続けました。

今回は開場前に学校関係者の方々への事前説明会の時間を設定しました。

障害のある方も障害のない方も共に楽しめる演劇ということから始めたバリアフリー公演。

内容が理解できるか、興奮して声を出したり、立ち歩いてしまったら、演劇は観たいけど、地理的条件がある、年金生活に入って観劇は最初に切り捨てた、、、公演を重ねてきて、別のバリアが現れると、その都度ともに考え、力を貸して下さる方々がふえてきました。

事前説明会には、埼玉県下の特別支援学校と小学校の先生方が参加されました。

 

開場から開演まで1時間50分。その間に舞台見学の時間があり、共にクライマックスを盛り上げてもらうためのワークショップの時間があったり。暑さ対策のための休養室、ミネラルウォーターの準備があり、のぞみ工房ぽっぽのパンも販売され、開演までの時間をゆっくりすごしていただきました。

 

開演前の舞台説明、役者、スタッフの紹介にすすむ頃には、舞台と客席のバリアは無くなっています。フロアに直座りしている人も少しずつ体が舞台に近づいてきます。

 

芝居が始まって、いつの間にか共演者がふえています。

舞台に登場した彼は、ヘレンを守ってねと声をかけ、自然なリアクションを返してきます。客席からもアニーとヘレンにがんばれ、がんばっての応援の声。最後にクライマックスを客席と創り、カーテンコールでは客席の半分以上の人々が舞台にあがって、アニーの子守歌を歌いました。そして、清心会理事長岡部さんから客席の皆さんへ、バリアフリー演劇の機会が広がっていくよう応援して下さいと呼びかけていただきました。

外の暑さに負けないくらいの熱気が会場内にあふれていました。

長時間、最後まで公演をともに創ってくださった客席の皆様、ロビーや会場設営などご配慮いただいた清心会の皆様、秩父特別支援学校の先生方、本当にありがとうございました。

文:清水菜穂子(メイドのビニ―役)