『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の春の旅も2週目に入りました。
5月23日(火) 【栃木県】太田フレックス高校 同校体育館
5月25日(木) 【栃木県】鹿沼高校・鹿沼東高校 鹿沼市民文化センター
5月26日(金) 【栃木県】鹿沼南高校・鹿沼商工高校 鹿沼市民文化センター
太田フレックス高校
この学校は『ヘレン・ケラー』は2回目となり、他にも風の作品は『Touch』、『肝っ玉おっ母とその子どもたち』、『ジャンヌ・ダルク』も観ていただいています。
何学年、何組というクラス編成ではなく、生徒が希望する授業を担当する先生のゼミに集まるクラス分けになっています。
コロナの影響で鑑賞行事が2年延期されてやっと実現できた公演でした。
前任校で風の作品を見て感動し、「楽しみにしていました」と話して下さる先生や舞台設営を見学に来られる先生方もいらっしゃっいました。数人の生徒たちも待ち切れずに見学にやってきて、ヘレンの衣装を着たりして、みなさんが楽しみにしていた事が伝わってきました。
入場した生徒さんたちは、国際色豊かな元気な生徒さんたちでした。
そして、舞台に特に、集中して見入っていました。短時間でしたが、休憩中にもバックステージの見学してもらいました。
一人ひとりが自分の意志で見て触れている生徒さんたちに見えました。
終演後の生徒会長の挨拶では「私たちは今日を楽しみに待っていました。」と述べてくれました。最前列で観ていた生徒が大きな声で「ブラボー!」と拍手してくれました。
演劇のなかにある豊かさを感じさせてもらえた瞬間でした。
鹿沼市内の高校4校合同公演
5月25日(木)、26日(金)は、栃木県鹿沼市内の4校の合同鑑賞行事でした。
この合同鑑賞でも風の作品は、『肝っ玉おっ母とその子供たち』と『ジャンヌ・ダルク』を観ていただいています。
そして、ここもコロナの影響で2年越しの行事でした。先生方の努力のおかげで実現できた公演です。
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1校目 鹿沼高校
5月25日(木)の午前の公演。開演前の校長先生の挨拶で「2年越しでもあり、私も小学生の時に『奇跡の人』を見たことがあり、今日を楽しみにしていました。」と生徒さんたちに話してくださいました。
生徒さんたちは真剣に舞台に見入っていました。休憩中、ポンプから水が出ることに興味を示していた生徒に、ポンプを動かしても良いというと、舞台に上がってポンプをこいで水を出して確かめていました。周囲の生徒たちからは拍手を浴びていました。
真剣に見入りながらリラックスして楽しんでいたのだと思いました。
終演後は生徒会長が「演劇を観る機会がなかった私たちですが、集中して観れたし、笑えたりもしてとても感動しました。」と語ってくれましたが、実はポンプをこいで拍手を浴びていた生徒さんでしたので、私の方が驚きました。
2校目 鹿沼東高校
5月25日(木)の午後の公演。開演前に担当の先生からの注意事項が終わると、何度か生徒さんたちの拍手が起こりました。やはりこの生徒さんたちも今日を楽しみにしてくれているのだと思いました。
本番には集中していて、でも、小さな反応も起きたりしていました。二幕の開演の際も拍手が起こりました。
舞台の出来事への反応も大きくなり、笑い声も聞こえてくるようになりました。
終演の拍手は次第に高まっていく熱い拍手がひびいてきました。御礼の挨拶をしてくれた生徒さんは、「障がいを持っている人たちと関わる活動をしています。人と人とが出会っていくのは好奇心と愛情だと思いました。」と力のある言葉で話してくれました。
希望者は残って、バックステージ見学をしてもらいした。先生方も残られて、「ストーリーとは関係ないと思えるところでもつい泣けてしまいました。」と感想を話してくださいました。
バックステージ見学が終わり、みなさんが帰られた後、一人の生徒さんが戻って来て、しばらく見学したり話したりして、それでも何か心残りのように帰っていく彼の背中を私たちは見送っていました。
3校目 鹿沼南高校
5月26日(金)午前の公演。幕開きの音楽が聞こえてくると、自然に生徒さんたちの拍手が起こってきました。そしてすぐに舞台に見入っていきました。
舞台への出来事に関心を持ち、友達とつい小声で話したり、それでもリラックスし集中して見ている生徒さんたちでした。
終演後の生徒さんの挨拶は、「高校では演劇を観るのは初めてでした。目の前で演じているのを見れて感動しました。これからも多くの高校生に感動を与えてください!」と私たちを力づけてくれました。
午後の授業の為すぐに学校に戻らねばならず、それでも短時間でしたがバックステージ見学をしてもらいました。それぞれが舞台のつくりの事や小道具や衣装に触れたり興味深々でした。何でも、小さな事でも心に残っていくものに触れてもらえたならうれしいです。
4校目 鹿沼商工高校
26日(金)午後の公演。開演前に校長先生が「2年越しの公演になり、今日を楽しみにしていました。生徒のみなさんにはこの機会にそれぞれ何か感じてもらいたいと思っています。」と述べてくださいました。
まだコロナ対策として一人ひとりの間隔をとり、客席の座席いっぱいに広がって座っていました。
終演後には、担当の先生からは、「生徒さたちが真剣に見入っていました。」とお礼のことばを頂きました。
残って下さった5人の先生方は、舞台を熱心に見学されていました。
太田フレックス高校も鹿沼市内の4校の高校も2年の延期のなか、今回の行事にまで、結びつけて実現していただき、本当に感謝の想いでいっぱいです。
この2年間のなかで生徒さんたちにも先生方にも、私たちにもそれぞれが感じたり、考えていたりしていた時間があったと思います。その時間は「やっと観れた!」という喜びだけではない「何か」を気づかせたり、考えてみたりするもうひとつの時間をつくりだしたと思いました。
文:坂牧 明 (医者役)