風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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2022 『Touch~孤独から愛へ』春ツアー その9

2022-07-17 05:44:37 | 全国巡回公演

7月11日(月) 【島根県】隠岐高校・隠岐水産高校

        12日(火) 【大阪府】泉北高校

        13日(水) 【大阪府】藤井寺高校

        14日(木) 【兵庫県】八鹿高校

        15日(金) 【大阪府】淀川工科高校

 

隠岐高校・隠岐水産高校

島内にある2校の高校の合同鑑賞会で、2019年のヘレン・ケラー以来4度目の風の上演でした。

午前開演ということもあり、生徒の皆さんは現地集合。集合時間よりもだいぶ早くから来ている生徒さんの姿も多くあり、公演を楽しみにしてくれていることがうかがえます。担当の先生も「みんな、今日の演劇を楽しみにしていました。」と、笑顔で話してくださいました。

約700席に少し間隔を空けてほぼ満席の客席。保護者の方も何人か参加してくださいました。公演は、時折笑い声が聞こえながら、リラックスして見てくれていました。

カーテンコールでは、生徒会長さんから「最後のシーンが印象に残りました。大切な人を失って初めて自分の素直な気持ちに気付くというのは、なんか悔しくて、鳥肌が立ちました。」と、率直な言葉を送ってくれました。そして、綺麗なひまわりの花束をいただきました。

公演後には舞台見学が行われ、呼びかけると両校合わせて40人もの生徒さん、先生方が参加してくれました。

「こういう小さな道具ひとつひとつが舞台をつくっているんですね。」と空き缶を眺めて話してくれる生徒さんや、自前のカメラで色んなところを写真におさめている生徒さんもおり、皆それぞれに見学の時間を楽しんでくれていました。

最後はみんなで記念写真。皆さんにとってのいい思い出として残ってくれたらと思います。

 

泉北高校

2020年から延期しての上演で、風の上演は初めての学校です。

「やっとこの日を迎えることができました。生徒も教員も楽しみにしていますので、どうぞよろしくお願いします。」と、担当の先生が打ち合わせの時に話してくださいました。僕たちも皆さんとどんな出会いがつくれるのか楽しみです。

公演は終始よく集中して、しっかりと見ているといった様子が印象に残りました。

公演後には終演後の呼びかけで舞台見学が行われました。本番のときとはうって変わって、好奇心全開で、はしゃぎながら舞台を見学してくれていました。

「一番後ろから見ていましたけど、遠くからでも、台詞のことばが心に入ってきました。」「一番前で生徒と見ていましたが、表情や息づかいも感じられてすごい迫力でした」と、生徒に混じって一緒に見学をしていた先生方も、まるで少年少女のように興奮しながら劇団員に感想を話してくださいました。

「こうやって、見終わったあとに舞台を見学させてくれるところは今までなかったです。きっといい思い出になったと思います。」と、話してくださる先生もいらっしゃいました。

その後、男子生徒が一人「話を聞きたいです。」ということで急遽座談会が開かれ、ハロルド役の柳瀬とマンツーマンでじっくりと話をしていました。

三年生は文化祭で演劇の発表があるそうです。今回の公演で感じたことを是非自分たちの発表でも活かしてもらえたらと思います。頑張ってください。

 

藤井寺高校

こちらの学校も2020年からの延期の学校で、風は2001年のヘレン・ケラー以来、三度目の上演になりました。

開演前、担当の先生が舞台に立ち「今回の公演は元々三年前に立ち上がった企画でしたが、コロナで今年まで延期になってしまいました。劇団の方も、お待たせしました。と、エネルギーを溜め込んでこの藤井寺までお越しくださいました。みなさんの拍手で、盛大にお迎えしましょう。」と、大きな拍手で開演。本番が始まると、ジッと舞台に目を向け、見入ってくれていました。

終演後は、その場の呼びかけで集まってくれた生徒さんとの舞台見学が行われました。公演前の打ち合わせで、「舞台見学ですが、あまり集まらないんじゃないかな。」と、担当の先生はおっしゃっていましたが、予想に反してたくさんの生徒のみなさんが興味を持って参加してくれました。先生も驚いていました。

みんなで集合写真を撮ったあとは、客席で座談会が行われました。

くじ引きで、文化祭で劇を発表することになったクラスの生徒さんだということです。この日感じてくれたことを自分たちの芝居づくりに活かしてもらえればと思います。文化祭、目一杯楽しんでください。

 

八鹿高校

こちらの学校も2020年から延期になった学校です。

去年オープンしたばかりのあたらしい会館での初めての演劇鑑賞会です。

進行は放送部の生徒さんが担当。少し緊張した面もちでしたが、立派に進行をつとめてくれました。

開演前に、校長先生が「コロナで延期を重ね、3年越しにようやく演劇鑑賞会を実施することができました。まず、それがとてもうれしいです。みなさん、しっかりと楽しんで見てください。」と、生徒のみなさんに熱く語りかけていました。

その熱を感じてか、本番は生徒のみなさんが舞台へ食い入るように視線を向けてくれているのが印象的でした。

カーテンコールでは、生徒自治会長さん(八鹿高校では、いわゆる生徒会長のことを生徒自治会長と呼ぶそうです。)が、「演技、舞台セット、見せ方と、すべてに驚かされました。貴重な経験をありがとうございました。」と、堂々と話してくれました。

終演後には舞台見学を行いました。この学校も当日の呼びかけでしたが、舞台を埋め尽くすくらいたくさんの生徒のみなさんが舞台に上がり、熱心に見学をしていました。担当の先生も「こんなに集まるものなんですね!」と、驚きながらもうれしそうに話してくださいました。

舞台見学のあとは、何人かの生徒さんが代わる代わる座長の柳瀬に質問をしたり、交流をして会場をあとにしていました。

この日の公演が、みなさんのいい思い出になってくれたらうれしいです。

 

淀川工科高校

今旅の千秋楽(ツアーの最後の公演)の学校です。2014年のジャンヌ・ダルク以来3回目の風の公演ですが、こちらも2020年から延期を続けてようやく今年実施することができました。担当の先生もずっと鑑賞行事を担当されている先生で、「ずいぶんお待たせしてしまいまして、やっと生徒たちに見せられます。楽しみにしてます。」と、お互いにやっと公演が実現できたことを喜び合いました。

開演前には、教頭先生が舞台に立たれて、「人と人の触れ合いを大切にしている作品だと聞きました。きっと見終わったあとには、みなさんの心に変化があると思います。しっかりと鑑賞しましょう。」と、舞台と客席への期待のことばで開演しました。

舞台で起こる出来事を前のめりに見つめている姿が印象に残っています。

カーテンコールでは、生徒会長さんが、気持ちが昂った様子で、「今まで見てきた演劇のなかで、一番迫力があって素敵な演劇でした。本当にこうして見る機会をつくっていただき、ありがとうございました。」と、素晴らしい感想を述べてくれました。

公演後には、舞台見学と座談会が行われました。「なかなかない貴重な機会」と、小道具や舞台セットをすみずみまで真剣に見てくれていました。座談会も、質問に答える柳瀬に対して、真剣に耳を傾けてくれていました。

約3ヶ月に及ぶ春の旅が終わりました。今回もやむなく延期をすることになってしまった学校もありましたが、おかげさまで52回の公演を行うことができました。これも、これまでに学校と劇団とで、「どうやったら公演を実現できるか。」を時間をかけて話し合ってきたことが、実を結んだ結果だと思います。その源には、「コロナ禍で入学してきた生徒たちに、何か思い出を残してあげたい。」という先生方の想いがあり、その想いに旅の制作をするなかでたくさんふれてきました。先生方の想いに応えるためにも、そして、楽しみに待っている若い観客たちのためにも、自分たちにできることをしっかりとやり抜き次の旅へ歩みを進めていきます。

佐藤勇太(フィリップ役)