風のBLOG

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『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2021年春 東日本ツアー 第4週目

2021-06-29 17:38:26 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』東日本ツアーも4週目になり、芸術鑑賞の機会を生徒たちにという先生方の声と共に今週も公演が続きました。

6月23日(水) 【東京都】 三輪田学園中学校・高校 ティアラこうとう

      24日(木) 【埼玉県】 秋草学園高校 狭山市市民会館

      25日(金) 【東京都】 東京大学教育学部附属中等教育学校 同校体育館

      26日(土) 【茨城県】 開智望中等教育学校 同校体育館 
  
三輪田学園中学校・高校

初めて風の舞台を観ます。当初中学校のみの観劇予定でしたが、会場の"ティアラこうとう"も入場制限が解除され、高校も一緒に観劇となりました。会館の方々でも、客席への出入りを一方通行にするなど、方策をとられていました。


全校が集まっての行事は昨年の4月以来初めてとのこと。欠席を希望する保護者の方もいらっしゃるだろうと、劇団側でも舞台の収録対応をしました。
「 芸術鑑賞行事は毎年楽しみにしている生徒が多く、特に演劇は花形です。」 と話してくれた担当の先生。そしてほとんど全員が観劇されたそうです。

終演後、担当の先生から「生徒たちがとても楽しんでみることができました。この状況下に、人と人のつながりを描いた演劇で、心に響いた」と言っていただきました。

終演後の新聞部の取材中に、花束をいただきました。


新聞部の取材にはヘレンとアニー役の二人が参加。「なぜ俳優になったのか」「なぜこの作品を上演するのか」「コロナの状況で辛かったことは」などの質問が出て、生徒さんたちは自分の進路にも繋がる話しとして考えながら聞いてくれたそうです。


秋草学園高校

昨年、公演を予定していましたが、コロナの影響により延期となり、この日の公演となりました!

終演後、1年間楽しみに待っていましたと生徒さんたちが声をかけてくださいましたが、公演中も柔らかな感じと同時に集中して舞台を観ていただきました。

カーテンコールでは生徒会長さんが「アニーとヘレンの出会いを通して、自分を大事にすること、周りの人を信じることを思った。」とメッセージをくださり、副会長さんから花束をいただきました。

終演後、希望者を募ってのバックステージツアーは40人近くになったでしょうか。

客席に戻っての座談会は、前半をアニーが、後半はヘレンが参加しました。「ヘレンを演じるのに、どういう役作りをしてるんですか」「どうして俳優になろうと思ったんですか(これは全員に聞きたかった!)」「相手に伝えることが難しくて」舞台への興味に始まり、日ごろ部活動や学校生活の中で考えていることが生徒さんたちの口から次々と出てきて。風のバスが会館を出て行くまで見送ってくれていました。
舞台芸術方面に進みたい生徒さんからは、その後ホームページの掲示板に、たくさんの書き込みもいただきました。


東京大学教育学部附属中等教育学校

「芸術鑑賞行事は、生徒のために本当に良い行事を手間をかけて教師たちの手で作りたかった。そんな時に風のバリアフリー演劇と出会い、これだ!と思いました。」と担当の副校長先生。先週の日本大学習志野高校に続いて、バリアフリー演劇公演です。
同校の体育館で、1・3・6年生が観劇しました。

開演前に担当の副校長先生が、障害者であるヘレン・ケラーが障害者たちの意志を伝えることに尽力したこと、障害のある人もない人も同じ舞台を楽しもうと昨年、近くの中央ろう学校と一緒に観劇することを企画していたのですが、このような状況の最中、残念ながら実現できなかったことを話してくれました。
そのあとに風から、バリアフリー演劇の説明、舞台説明、役者たちの自己紹介が続き、客席の生徒さんたちはどんどん好奇心をふくらませていくようでした。


終演後、「私は30年以上教員の仕事をしてきました。今日の演劇を観て、私は生徒たちにしっかり向き合える教員だったかなと思いました。」担当の先生が生徒さんに語られました。先生の背後の幕内でキャスト・スタッフも聞かせていただきました。


終演後のバックステージツアーにもたくさんの生徒さんたちが集まり、ポンプ、ダイニングテーブル、階段、衣裳ロッカーの周りで話が続きます。

場所を移して座談会となりました。

劇団からはヘレン、アニー、母ケイトが出席。「いつもの公演でなく、バリアフリー演劇をやる難しさは」「自分の声が小さくて相手に聞こえない」「相手に伝えるのは難しい」素直な感想も聞かれました。

トラックの扉が閉まる迄、搬出作業をじっと見ていた生徒さんを、劇団員も見ていました。


開智望中等教育学校


この日は6・7・8年生が観劇。
生徒の主体性を大事にしている学校で、今回の行事が生徒にとって考えるきっかけとなり、新しい世界に出会い、他者への関心の持ち方に繋がればと企画されました。

開演前、校長先生が最初に30秒黙想しましょう、と言われました。「なにも考えない。難しいね。」「認識する」「これがなんなのか知る」ことが難しかったヘレン。劇を観る前と観たあとで自分がどう変わったか考えましょう。すてきな時間を過ごしましょう。とあいさつされました。

カーテンコールではひまわりとばらを中心にしたきれいな花束を持って4人の生徒さんが舞台へ。4人の生徒さんより一言づつメッセージをいただきました。

ヘレンとアニーをイメージして黄色と赤の花を選んだこと、なるたけ大きい花を選んだこと。

そしてその花束には手書きのカードも添えられていました。


終演後のバックステージツアーは客席から学年ごとに全員舞台に上がり、役者と交流しながら見学、照明・音響席も見学して体育館から退場して行くことにしました。
また公報委員の生徒さんたちとヘレンとアニーの座談会もありました。観劇した196人の生徒さん全員から、事前に質問が出されていて、各学年が厳選した質問がありました。

「コロナ禍で生徒に思い出を作っあげたい。一方で安全第一とも思う
…芸術鑑賞を実施する学校は本当に切実に、この行事に期待しています」と、先生方は演劇を通して生徒が人の気持ちを考え、理解する力を養う機会をつくりたいと考えてらっしゃるとのことでした。


今週も担当の先生方に笑顔で迎えられ、その笑顔に支えられた公演となりました。

文:ビニ―役 清水菜穂子