2021年度も感染症による影響は世界の様々なところで起きてお ります。
“東京演劇集団 風”の活動にも勿論それは大きな影響があり、 東中野のレパートリーシアターKAZEでの上演活動は一年以上の 自粛を続け、 劇団員全員の定期的なPCR検査も昨年に引き続き2~3週間おきに行っています。
このような状況ではありますが、 全国の学校や会館施設などからは「 今だからこそ風の演劇を上演したい」 という声も多く頂いております。その声に応えるべく、 昨年に引き続き感染症対策の徹底をし、全国の子供たち・先生方・ 観客の皆さんに安心してご覧頂けるよう劇団員全員が一つ一つの公 演に更に気を引き締めて臨んでいきます。
この5月から『Touch 孤独から愛へ』『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』と2本の巡回公演がスタート。 緊急事態宣言もあり、 全てがスケジュール通りに上演できたわけではなく、 やむを得ずの延期という判断になった学校公演もありましたが、 Touch班は2校の学校に伺いました。
5月10~12日 南山中学・高校 男子部(愛知県)
5月26日 紀北工業高校(和歌山県)
5月10~12日 南山中学・高校 男子部(愛知県)
初日は前年度5月の公演が延期となり、1年越しに伺うことが出来た学校です。 学校内の講堂での上演でしたが、 先生方と話し合い2回公演の予定を3日間、6回公演という形で上演 することになりました。
中学1年生~高校3年生までの計6学年の生徒の皆さんが、1学年ずつ公演を見てくれましたが、 やはり学年により客席の反応は様々。 最初から最後まで真剣に舞台と向き合う高校生、 一幕の始まりから笑いが溢れる中学生、 それぞれの年代の見方で今回の公演を心に残してくれたと思います 。
担当の先生も「やっと子供たちに『Touch』 を見せることができました」と喜んでくれました。
3日間の上演期間、 毎日放課後は観た生徒たちが舞台裏を自由に見学する時間となり、 様々な交流が産まれました。
5月26日 紀北工業高校(和歌山県)
紀北工業高校では3年に1回人権教育の一環として風の演劇を鑑賞 して頂いており、かつてご担当頂いた先生が、 今回は教頭先生として迎えてくれたりと学校と劇団との繋がりを強 く感じました。
感染症対策としてこちらも密を避けての2回公演でした。 カーテンコールの際には「有り難うございました!」 と客席から大きな声で声をかけてくれたり、 終演後もレスリング部・ウェイトリフティング部・ バレー部の生徒の皆さんが「面白かったです」「 聞きたいことがあるんですが」と声をかけに来てくれ、 そのまま片付けを手伝ってくれました。
※撮影時のみ、マスクを外しました。
春ツアーのスタートの5月、 上演した学校は2校と例年とは違う状況が続いています。
しかし舞台を届け、子供たちの笑顔を見ると、 様々な制限を受ける生活の中だからこそ劇場という非日常の空間で 子供たちの感性を刺激することの価値の重みはより増したように感 じました。
国内では緊急事態宣言が引き続き発令されている地域もありますが 、これからの出会いを大切にツアーは続いていきます。
文:トリート役 佐野準