風のBLOG

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2019年秋『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』西日本・東日本ツアー【第7週目】

2019-11-12 20:47:29 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』第7周目の旅は、

10月29日[火] 福島県 遠野高等学校
10月30日[水] 東京都 開智日本橋学園中学・高等学校
10月31日[木] 大阪府 楠根中学校
11月1日[金] 千葉県 千葉市立千葉高等学校
の公演でした。

遠野高校



生徒さんたち、先生方が心待にしてくれていた遠野高校での公演は、とても印象深時間を共に過ごすことができました。
開演前には校長先生が、『この公演を通して、みなさんの豊かな心をさらに育んでほしい』と生徒さんたちに語りかけてくれました。
体育館が暗くなり、芝居が始まると集中と緊張のまざる感触を肌に感じました。芝居が進むにつれて、場内では色んな反応があちらこちらで起こりはじめました。そこには、今起きていることを、その場で感じ、受けとめているという力強さがありました。









公演後には、たくさんの生徒さんが撤去の手伝いに来てくれました。トラックまでの100メートルの距離を何往復もする生徒さん。その間に劇団員との仲がどんどん深まっていき、たくさんの言葉を交わし合いました。明るい笑顔に、綺麗な心を持ち、人を、友だちを尊重する生徒さんたちに触れ、本当に楽しい時間と感動をもらいました。



『生徒たちと一緒に、一番前でかぶりつきで見ました。あの子たちにとって、本当にいい経験になっています』と話してくれた先生。『台風で被災して、まだまだ大変だけど、今日ヘレン・ケラーを見ることができて本当に良かった。感動しました』と力強く手を握ってくれた生徒さん。バスとトラックを最後まで見送ってくれた生徒さんたち、先生方。
どの瞬間を切り取っても、そこには『ほんものの想い』があったと、そう感じています。
これからも遠野高校での毎日を、思いきり過ごしてください!



開智日本橋学園中学・高校



2009年に『Touch~孤独~愛へ』を公演して以来、久しぶりの風の公演です。開智日本橋学園高校には、日本・西洋の演劇史を学び、実技もある演劇を学ぶコースがあります。
演劇コースの生徒さんの元気な掛け声で開演。大きな拍手で盛り上がり、そこからだんだんと芝居の中へ入り込んでくるように、会場がどんどん変化していきました。



公演後は、ヘレン役の倉八と一緒に、ロビーで生徒さんたちをお見送りしました。『面白かったです!』、『指文字はどうやるんですか?』など、たくさんの生徒さんが声をかけてくれました。また中にはヘレン役の倉八に真剣に質問をしている生徒さんもいました。





みんなを見送って舞台へ戻ると、演劇コースのみなさんが待ってくれていて、急遽座談会を開きました。公演を見て高揚してくれている様子が伝わってきました。ヘレン・ケラーの作品づくりのプロセス、演劇コースの学んでいること、など話題は尽きません。別れを惜しむように、時間が許す限り、めいっぱいお互いについて話しました。演劇コースのみなさんは情熱的なエネルギーを持っていて、とても素敵でした。



開智日本橋学園中学・高校の自分の夢や想いを大切に、挑戦を続けて下さい。


楠根中学校

東京での公演を終えて、旅班は大阪へ。楠根中学校では、2011年『ヘレン・ケラー』、2014年『ジャンヌ・ダルク』を上演を行っています。これまで近隣の文化会館が会場でしたが、今回は初めての体育館での公演です。朝から体育館で舞台設営を行っていると、体育館を訪れた先生、体育の授業後でグラウンドにいた先生と生徒さんたちが、だんだんと組上がってくる舞台を見て、『すごい』『うちの体育館がこんな風になるんですね』と驚いていました。





入場時も同じように、自分たちが普段使っている体育館が劇場に様変わりした様子を見て驚く声がたくさん聞こえてきました。
楠根中学校のみなさんは、気さくで、フラットに声を掛けてくれてとても元気です。しかし芝居が始まると、ものすごい集中力でもって舞台を見て、ヘレン・ケラーという演劇の空間を作り出してくれました。







終演後、座談会や撤去のお手伝いなどの予定はなかったのですが、『ヘレンに会いたい』『指文字を教えてほしい』と、再び会いに来てくれたり、待ってくれている生徒さんたちがいました。さらに、部活動前のバレー部に、ジミー役の蒲原がお手伝いのお願いをすると、快く引き受けてくれました。さらには、楠根中学校演劇部の男子生徒さんも応援に駆けつけてくれて、百人力!演劇部の生徒さんは、『こういう風に片付けをしたりとか、こんな演劇の作り方がいいと思う』と演劇が大好きだという想いを熱く熱く語ってくれました。バレー部とも仲よくなって、みなさんのおかげで、あっという間に片付けは終わり、いつもの体育館へ。お手伝い、本当にありがとうございました。嬉しかったです。そして、最後までバスを見送って楠根中学校のみなさん、ありがとう。また必ず再会できますように。





千葉市立千葉高校



大阪での公演後、バスは再び東へ向けて走り出しました。千葉市立千葉高校は、生徒数およそ1000人の大きな学校です。公演には保護者の方も来場されました。
会場となった千葉県文化会館で、午前中に舞台設営を行っていると、演劇部のみなさんが見学に訪れてくれました。俳優たちが案内をして、じっくりと時間を掛けて舞台美術や小道具に触れていました。さらには、照明のシュート(照明家がどこの位置にどのように明かりを当てるかスポットライトを一台ずつ合わせていく)作業も、生徒さんに実際に俳優が舞台に立つ位置に居て手伝ってもらうなど、体験や交流の、時間を持てました。







会場はとても大きかったのですが、本番では、その大きさを忘れるほど、凝縮した濃密な空間となりました。カーテンコールでは舞台上の俳優に大きく手を振ってくれました。



終演後は、ヘレン役の倉八と一緒にお見送り。 ハイタッチで別れたり、握手をしたり、手を振ってくれたり、一人ひとりの生徒さんの表示を間近で見られました。また『合唱コンクールに向けてクラスで練習を頑張っています。どうやって発声をしていますか?』と質問をしに訪れてくれた生徒さんたちもいました。最後には、担当の先生、演劇部の先生が『とても良かったです』と公演をともにつくった喜びを伝えてくれました。



出会えた生徒さんたち、先生方から、気がつかせてもらうことがたくさんあります。
俳優として、なによりも人として。
ひとつの言葉が、ひとつの仕種が、その表情が誰かに力を与え、またその誰かが誰かへと繋げていくことを、実感した日々でした。
ともに公演をつくりあげてくれた生徒さんたち、先生方、ほんとうにありがとうございました。
また、再会できますように。

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の公演は今、最終週を迎えています。ブログのアップが遅くなってしまい、ごめんなさい。
旅班は千秋楽まで、これからも、未知の出会いに期待して、舞台に立ち続けます。

アニー・サリバン役 渋谷愛