9月25日から始まった九州ツアーもいよいよ11月に入ります。
今週は、各学校の体育館が2階や搬入距離があったり、地下2階であったりするため、全て前日に搬入をするというハードな週となりました。
10月28日㈪ [福岡県]宇美商業高校 同校体育館
29日㈫ [熊本県]小川工業高校 同校体育館
30日㈬ [長崎県]佐世保西高校 同校体育館
31日㈭ [福岡県]香住丘高校 同校体育館
11月1日㈮ [福岡県]博多青松高校 同校体育館
での公演でした。
宇美商業高校
2年前に『ジャンヌ・ダルク』を上演していて、三年生とは2年ぶりの再会ということになります。
開演前に、『ジャンヌ・ダルク』のときの担当の先生から甘酒「Ole!Ama(オレアマ)」をいただきました。この甘酒は宇美商業高校が企画をして、地元の酒蔵で製造されたもので、宇美町のふるさと納税の返礼品にも指定されています。さっぱりとしてオレンジ風味の美味しい甘酒でした。ごちそうさまでした。
芝居は、『Touch』をどうしても見せたかった、という校長先生のあいさつで開演しました。
この日の公演を楽しみにしていたことが感じられ、生き生きとした客席なのが印象的でした。
カーテンコールでのお礼のあいさつで、「今日のこの芝居は、学校生活の中で一番の思い出です。」ということばは心に響きました。
バラシのお手伝いには、生徒会の生徒さんをはじめ、部活動の生徒さんや先生方が参加してくれました。芝居の感想を話しながら、楽しい時間となりました。
小川工業高校
この学校は、今回で『Touch』が3回目の上演になります。
トラックが体育館まで着かないため、100mの距離を前日の22時30分頃まで搬入をしました。
当日、朝から仕込みをしていると、生徒たちがかわるがわる体育館をのぞきに来ては、「すげーっ!」と、感想を発していきます。生徒さんはみな気さくで、先生たちと仲が良いということがうかがえます。
本番は、担当の先生のウイットにとんだ進行で始まりました。
とてもリラックスした客席で、見てやろうという態度が様々な反応を生み出していました。笑いと集中を繰り返す中で、ひとりひとりの『Touch』に向き合っているという印象を受けました。
バラシ、搬出も、体育館からトラックまで積極的に手伝ってくれました。部活の生徒さんをはじめ、有志の生徒さんも加わり100人を超えたのではないでしょうか。その中でいろんな質問や感想を述べながらの賑やかな交流の場となりました。
佐世保西高校
この学校も2階の体育館のため、前日に小川工業高校から到着後、23時過ぎまで搬入を行いました。担当の先生をはじめ教頭先生が動画を撮りながら最後までつきあっていただきました。
当日は、朝から先生方が仕込み中の体育館をのぞきにやってきます。実は教頭先生が、「すごい設営だからみんな見に行ったほうがいいよ。」と、職員朝礼で話してくれたからだそうです。
そういった先生たちのノリに誘われて、生徒たちも期待感が高まっていたようでした。
リラックスした客席は、ある時は湧き、またある時は集中して舞台を見つめていました。
この学校の生徒だった時に『Touch』を見て、今回7年ぶりにまたここで『Touch』を見られた、と喜んでいる先生がいました。嬉しいかぎりです。
バラシのお手伝いも150人を超える生徒のみなさんが参加してくれました。ありがとうございました。
香住丘高校
この学校は27年ぶりの演劇鑑賞会です。しかも前回も『Touch』でした。
1200人でびっしりの体育館での公演となりました。
芝居を繊細に受けとめて見つめる中で、いろんな事を感じ、考えているといった客席でした。その視線が注がれていることをずっと感じていた本番でした。
お手伝いも有志の生徒のみなさんで150人を超えました。
「口うるさくて恐い年配のある先生がタオルで顔を覆って号泣していたんですよ!」と、生徒が嬉しそうに話していました。恐いと思っていた先生の見知らぬ一面を見つけた驚きと喜びが伝わってきます。
この公演が大きな、大切な思い出となってくれることを願っています。
博多青松高校
地下2階の体育館に仕込みをするため、ここも前日の夜に搬入だけ行いました。
この学校は通信・定時の単位制の学校で、全校生徒が集まることが難しいそうです。そのため、創立記念の式典と合わせて初めて演劇鑑賞が実現しました。
1000人を超える生徒さんでビッシリの体育館でした。
式典に引き続きの開演となったので、客席は少し固いのではと心配しましたが、食い入るように見つめる姿に、芝居を鏡のようにして自分や友だちのことを思っている様子が印象的でした。
撤去、搬出は、沢山の先生方や呼びかけで集まってくれた120人を超える生徒のみなさんが手伝ってくれました。みんな口々に感想を述べてくれるといった賑やかな時間となりました。
この学校の生徒のみなさんは、みんな大人びていて誰が生徒で誰が先生かわからないほどでした。
印象深い公演となりました。
このツアーも初日から30ステージとなりました。来週はいよいよ折り返しになります。
一つ一つの公演を、「今、ここで」つくりながら客席と出会っていきたいと思っています。
文:ハロルド役 柳瀬太一