風のBLOG

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2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演 第11週目

2017-12-08 09:12:17 | 全国巡回公演

残暑が残る9月から始まった『ジャンヌ・ダルク』の九州巡回公演も、12月に入りすっかり冬の装いに変わってきました。ですが、旅班は変わらず情熱を持って旅を続けています。

今週は

12月4日(月)  鹿児島県  曽於高校

         5日(火)  宮崎県  高城高校

         7日(木)  福岡県  大牟田高校

での公演でした。

 

曽於高校

この学校は、同じ地区の末吉高校、財部高校、岩川高校の三校が統合してできた普通科、工業系、商業系、農業系の科がある新しい学校です。

朝、学校に着くと生徒会の生徒たち、先生方があたたかく迎えてくれました。

公演が始まると、それぞれの感性を使って、一生懸命に舞台に視線を注いでくれていました。目の前で起こる出来事をじっくりと味わうように見てくれていました。

カーテンコールでは生徒会長さんが「役者さんのひとつひとつの言葉が、胸に突き刺さったり、心にのこったりしました。」と力強く話してくれました。

公演後には有志の生徒の皆さんが舞台撤去を手伝ってくれました。事前に参加希望を出していた生徒の皆さんに加えて、公演を見たことをきっかけに集まってくれた生徒さんも多く、総勢で100人以上集まってくれました。生徒が劇団員と交流してくれることを楽しみにしてくれていた担当の先生も集まってくれた生徒たちの多さに驚かれていると同時に喜ばれていました。ありがとうございました。

 

高城高校

この日も朝から21HR(2年1組)の生徒のみなさんが搬入のお手伝いをしてくれました。自分たちが運んだものがこのあとどうなるのか、楽しみにしてくれていました。

公演中の客席は、見たものに対して真っ直ぐというか素直に反応をしながら、ときに笑い、ときに隣にいる仲間たちと話をしながら楽しんで見てくれていました。

終演後、代表の生徒さんが「皆さんの演技で他の人たちにも素敵な時間を届けてください。」と、心のこもったメッセージを伝えてくれました。

公演後の舞台撤去には、演劇部、野球部の生徒の皆さんと飛び入りで参加してくれた3年生がお手伝いをしてくれました。

今日見たものや将来の目標について劇団員に真剣に話をする生徒、元気に仲間たちを盛り上げる生徒、そこここで交流が生まれ、終始笑顔の絶えない充実した時間となりました。

 

大牟田高校

午前の会は総合科、工業科、調理科の生徒約900人が観劇をしました。

自分が見たもの、感じたものを逃すまいと真剣に舞台と向き合ってくれていました。

 

午後の会は普通科の生徒約350人が観劇をしました。

午前の会とは雰囲気が違い、はじめはゆったりとリラックスして見ていましたが、物語が進むにつれて、ピンと張り詰めたような緊張感をもって見てくれていました。

同じ学校でもこんなに空間が変わるのかと、あらためて客席の持つ力に面白さと驚きを感じました。

終演後に、担当の先生が「2時間が本当にあっという間でした。うちの生徒たちは本格的な演劇を見る機会がないので、きっと残るものがあったのではないでしょうか。」と話してくださいました。


高校生の頃の2時間というのはあっという間のことかもしれません。でも、その時間が彼ら自身の生きる力に、新しい何かを発見したり、過去を顧みるきっかけになってくれることを願っています。

今週末は、文化庁の事業で同じ九州を巡回している『星の王子さま』のメンバーと合流しました。

お互いが旅を通して得た経験、感触を交換し合い、その話は夜遅くまで尽きませんでした。

あらためて、私たちが若い観客の前に立ち演劇をつくることの意味を考え、話す時間となりました。

そして、『ジャンヌ・ダルク』は鹿児島へ、『星の王子さま』は熊本へ。

それぞれの旅はまだまだ続きます。

 

文:伝令・死刑執行人  佐藤勇太