5月21日から『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』のツアーがいよいよスタートしました。
私たちにとって、新しい巡回公演のレパートリー作品です。
7月19日までの2ヶ月間、西日本地域を巡演します。
2008年の春、モルドヴァ共和国においての国立イヨネスコ劇場との共同制作・プレミア公演以来、
何回もの公演・稽古を繰り返してきた『ジャンヌ・ダルク』。
伝説の少女の「声」が、中学生・高校生といった若い観客たちにどう響くのか、大きな期待と少しの不安のなか、
山口県から旅公演は始まりました。
5月21日 山口県 聖光高等学校 同校体育館
22日 香川県 県立三豊工業高等学校 同校体育館
23日 岡山県 県立新見高等学校 まなび広場にいみ
聖光高等学校
記念すべきツアー初日。
聖光高校にとっても、学校創立以来はじめての芸術鑑賞会でした。
前日に体育館で準備をしていると、何人かの先生方が集まってきたりと、公演への期待の大きさをひしひしと感じます。
前日の準備には吹奏楽部の生徒さんが見学・お手伝いに来てくれました。
作品にとって重要な「ブナの木」を組み立てる生徒さんたち
俳優・スタッフとも緊張しながら本番を迎えましたが、客席の生徒さんたちがやわらかく、そしてあたたかく舞台を支えてくれました。
ジャンヌ・ダルクの声を真剣に聞こうとする生徒さんたちの姿は、これから旅をつづけていく私たちを勇気付けてくれました。
後片付けには吹奏楽部に加えて、筝曲部の生徒さんも参加してくれました!
生徒さんからの強い要望によって開かれた座談会。
終演後すぐの観客の声は、私たちにとっても学びの場であり、励みにもなります。
撤去が終わり、学校の校門を出るときには、多くの先生方・生徒さんにお見送りいただきました。
おかげさまで、いい初日を迎えることができたと思います。
香川県立三豊工業高等学校
朝6時30分からの舞台設営。
こんな早い時間から、担当の筒井先生は私たちを校門で待っていてくださいました。
昨年の『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の公演につづき、2年連続での公演です。
開演前のあいさつでは、校長先生もそのことに触れてくださり、人のつながりを感じた一日でした。
舞台装置である、足場の撤去を手伝ってくれる生徒さんたち。
工業高校の生徒さんは道具の扱いに慣れています!
先ほどの「ブナの木」はこんな風に解体されます。
昨年『ヘレン・ケラー』でも同校を訪れた、佐藤勇太、照明の坂野貢也と生徒さんたち。
覚えていてくれてありがとう!
学校を出るとき、先生のひとりが「また会いましょう!」と言って手を振ってくれました。
学校は残念ながらあと数年で他校と統合してしまうそうですが、この「三豊工業」でぜひまた再会しましょう!
岡山県立新見高等学校
ホールでの初公演。
これまでは体育館だったので、観客席との距離感はどうだろうか・・と少し心配もしましたが、
リラックスした様子で舞台に向かってくる生徒さんと豊かな時間・空間をつくることができたのではないかと思います。
座談会に参加してくれた生徒さんたちとジャンヌ役の白根有子。
一歩ホールの外に出ると、川のせせらぎが聞こえる素敵な場所でした。
はじめてづくしの一週目。
手ごたえを感じるとともに、ここで安心することなく、目の前の観客に向かって一回一回の公演をやりきろうと、
ツアーメンバー一同気を引き締めています。
これからつづく新しい出会いに期待しつつ!
文・田中賢一(語り手役)