風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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2013 『肝っ玉おっ母とその子供たち~あとから生まれてくる人たちに』ツアー 第三週

2013-06-03 11:42:26 | 全国巡回公演
(↑トップは那須拓陽高校の生徒の皆さんと。)

今週の肝っ玉のツアーは、

5月28日 那須拓陽高校(栃木県)
5月30日 紫波第一中学(岩手県)
5月31日 尾瀬高校(群馬県)


の公演です。

今週は、三校とも生徒の皆さんの舞台への集中力が素晴らしく、私達も舞台上で生徒の笑い声や視線にエネルギーをもらいながら舞台を創ることができました。

那須拓陽高校と紫波第一中学校では、同校の体育館での公演でした。終演後の舞台の撤去作業では、たくさんの生徒さんに手伝っていただきました。

作業中、手伝ってくれていたある男子生徒が
「今日の劇、とてもよかったです。」と感想を伝えに来てくれました。
私は、
「芝居のなかで、どこか好きな場面があるかな?」と質問しました。
彼は、
「カトリンが、ずっと太鼓を叩き続けるところが、優しいなと思いました。」と話してくれました。



↑紫波第一中学校での撤去作業の様子。


尾瀬高校では、会館の楽屋まで数人の生徒さんが、終演後まだ興奮覚めないうちに会いに来てくれて、感想を聞かせてくれました。



↑楽屋に尋ねに来てくれた尾瀬高生たち。


観客である生徒達は、彼ら個々のなかで様々なことを舞台の出来事から受け取ってくれていると思います。
例えば、カトリンが太鼓を叩き続ける場面でも、『悲しさ』だったり、カトリンの『勇気』だったり、感想を語ってくれた彼のような『優しさ』だったりするかもしれません。

様々にある彼らの感覚。上演を通して感じてくれること。―彼ら個々の中になにか生まれることが、「今、ここ」で舞台を造っている劇団のメンバーにとって願っていることの一つです。
客席で観劇している一人の観客が、舞台上で行われている出来事のなかから、役者の身体や視線を通して、思考し、肌で感じ、記憶に残ったものがあれば、それを宝物のように大事にしてほしいです。

私達「肝っ玉」のメンバーは、「今、ここ」で役者が生身の身体で創る肝っ玉の舞台を上演することで、観客一人一人が、何かを発見し、思考し、感じてくれることを願い、また確信して、旅を続けていきたいと思います。


文:栗山 友彦