神田川 「まる歩き」 しちゃいます!!

ー神田川水系、支流はもちろん、旧水路、廃水路、全部 「まる歩き」ー

谷頭付近

2019-07-27 06:31:17 | 谷端川・小石川4

 → 「段彩陰影図」から読み取れるように、鶏声ヶ窪の谷筋の先端部分は、本郷通りの西側沿いを、数百メートル並行していました。一帯は(下)駒込村の百姓地でしたが、寛永年間(1624~45年)以降、寺町となり、中には後述の江岸寺のように、明暦の大火(1657年)後当地に移転してきた寺院もあります。こうした寺院境内からのはけ水路が、水上となっていたのでしょうが、その詳細は「郵便地図」にもなく不明です。

 

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    ・ 谷頭付近  南谷寺裏の道路の先です。本郷通りからの写真は→ こちらで、谷筋がはっきり分かります。なお、「郵便地図」はこのあたりまでの水路を描いています。

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    ・ 江岸寺門前  本郷通り沿いの寺院のなかで、最も北側に位置しているのが、譜代大名鳥居家の菩提寺、江岸寺です。その門前に埋められた石橋に注目です。 

 ところで、「文京の失われた橋」(平成17年 文京ふるさと歴史館友の会)は、東大下水の水源について、「六義園や本駒込二丁目辺りの池」と書いています。「段彩陰影図」の上端の薄いグレイの区画が六義園なので、千川上水の水を利用していた大泉水の余水が水源の一つとなったことは、十分推測できるところではあります。ただ、一次的な文献、地図類では未確認なため、今後の研究課題としておきます。なお、大泉水の水源だった千川上水ですが、昭和40年代に、白山通り(中山道)を通る都営地下鉄三田線の工事により断水し、その役割を終えました。

 

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    ・ 六義園  春の枝垂桜、初夏のさつき・つつじ、秋の紅葉と、季節ごとの見どころも多く、適時ライトアップも行われます。なお、現在の大泉水は地下水を利用しています。