たんなるエスノグラファーの日記
エスノグラフィーをつうじて、ふたたび、人間探究の森へと分け入るために
 



 『現代のエスプリ 521』の献本をいただいた。

 特集は、「性とこころ」。

 「この巻のために」として、「性は心の問題であり、人格の問題であり、性とこころとは深く結びついている。現代社会には愛と性の革命が起き、性愛はエデンの園となった。近年「性とこころ」は多様化し、結婚し(でき)ない男女、シングル化、非婚化、晩婚化、婚活、不倫、性依存症が増え、草食系男子と肉食系女子が現れた。この特集では性とこころの歴史と文化と社会を幅広く考えたい。」とあった。

総論の最後には、「近年、我が国における『性とこころ』の多様化には目を見張るものがある。そこで、「性とこころ」に関する実践知を交換し議論し合うことにより、我が国の「性とこころ」に関する諸問題への対策や発展を目指す学術団体として、日本『性とこころ』関連問題学会を平成二十一年五月九日、ホテルメトロポリタン(東京・池袋)で創立した」とあった。
http://www.jssm.or.jp/index.html

 問題の射程については特集を眺めることで初めて知ったのだが、「性と文化」というパートで、「ヒトのセックスの多様なあり方」という駄文を書かせてもらった(pp.158-170.)。『セックスの人類学』のまえがきにあたる「セックスの人類学の手ほどき」の焼き直し+プナンのペニス・ピンの話題であり、文化人類学の観点からの、セックスをめぐる観念と実践の多様な広がりについての紹介である(プナンのペニス・ピンの写真掲載は、編集部から丁寧なかたちでお断りを受けた!、まあ、当然でしょう)。これとほぼ同じ内容を、大学の授業で講義しているが、、今年から、こころの進化の観点から、愛についても少し取り上げ始めている。性愛というときの、性の片割れとしての愛について。感情・情緒の問題は、扱いがなかなか難しいが、面白い。


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