たんなるエスノグラファーの日記
エスノグラフィーをつうじて、ふたたび、人間探究の森へと分け入るために
 



公開シンポジウム

キリスト教と人類学
~多様な文化との関わりから~

日時:2009年1月24日(土)12:30~18:00
場所:桜美林大学町田キャンパス・明々館408教室
http://www.obirin.ac.jp/001/030.html

現代日本では、宗教には、危ない、怖いというイメージがあると言われています。それは、カルト教団による反社会的な事件が私たちを震撼させ、また、世界各地で、宗教・民族紛争が続発していることに関わっているのかもしれません。そのため、現代日本では、とりわけ、若年層の宗教離れが深刻化していると言われています。日本のキリスト教は、そうした宗教離れだけでなく、さらには、人類社会の平和構築と維持にどのように取り組んでいくのかという大きな現実的課題にも直面しています。

キリスト教学は、これまで、キリスト教信仰の世界大の広がりに関しても、様々な角度から取り組んできました。他方で、人類学には、キリスト教学にはないフィールドワークという手法が、その学問の基礎に深く組み込まれています。人類学者は、宗教の実践者たちの暮らしの真っただなかに身を置きながら、彼らにとっての宗教の意味を読み解こうと努めてきました。人類学はまた、キリスト教が根づくようになった地域の土着の信仰や習慣などについて調べ上げた上で、人びとの教義解釈や信仰実践の濃淡やゆらぎにも目を向けるだけでなく、原理主義から神秘主義、シンクレティズムにいたるまで、宗教形態の実相を明るみにしようとしてきました。

キリスト教精神に基づく教育を理念とする桜美林大学で行うこのシンポジウムでは、地球上の多様な文化との関わりにおいて、キリスト教が具体的にどのようにあるのかに関して、事例報告をした上で、キリスト教を取り巻く課題などについて、総合討論を行いたいと思います。キリスト教学と人類学の協同作業をつうじて、キリスト教を含む宗教を、よりよく理解するための何らかの手がかりが得られればと願っています。

第I部  日本におけるキリスト教
外来宣教師による日本布教の特色  井上大衛(桜美林大学)
日本のキリスト教の土着化  三谷高康(桜美林大学)

第Ⅱ部  宗教人類学の視点
今日の宗教起源論とその意義  奥野克巳(桜美林大学) 
ブラジルにおける日系宗教への回心  松岡秀明(淑徳大学)

第Ⅲ部  東アジアにおけるキリスト教の現在
岐路に立つ韓国のキリスト教  秀村研二(明星大学)
台湾先住民の終末医療とキリスト教  中生勝美(桜美林大学) 

第Ⅳ部  キリスト教世界の多様性
タイ山地民ラフとキリスト教    片岡樹(京都大学)
マルタにおける悪魔学再編  藤原久仁子(大阪大学)
キリスト教徒とムスリムとの対話  鷹木恵子(桜美林大学)

2008年度桜美林大学・国際学研究所主催
桜美林大学・リベラルアーツ学群キリスト教学専攻共催
桜美林大学・リベラルアーツ学群文化人類学専攻共催

問い合わせ先:
iis2008@obirin.ac.jp

 



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 案内はもらっ... 人類学の旅 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。