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中世西欧史  05関西学院大(経済)

2016年02月24日 | 復習用入試問題

05 関西学院大学  経済学部

 次の文中の   に最も適当な語を語群から選び,また下線部に関する問いに答え,記号にマークしなさい。

 8世紀以降の中世の西ヨーロッパ社会では,封建制度のもとで自給自足経済と現物経済が支配的であった。それは�第2次民族大移動から生じた混乱のもとで交通や商業が衰退したことや,封建的主従関係に基づいて�荘園制が成立したことによる。荘園は領主直営地と農民保有地からなり,そこでは自給自足的な農業経営が行われていた。また荘園領主は,国王の役人の立ち入りが免除される不輸不入権を得ていた。
 ところが,11世紀頃から封建社会が安定し,�農業生産も向上すると,ドイツ人の イ 川以東への植民,�イベリア半島での国土回復運動(レコンキスタ),�十字軍の遠征による西ヨーロッパ世界の拡大に伴い,余剰生産物の交換や取引に対する要望が生まれた。これが中世都市成立の要因である。そこでは,かつての自給自足・現物経済に代わり,交換経済と貨幣経済が支配的となった。
 たとえば�北イタリアの諸都市や,リューベック,ハンブルクなどの北ドイツの諸都市では�遠隔地商業が発達した。特に,北ドイツでは ロ 同盟が結成され,北方貿易を独占した。また,都市では�ギルドが形成され,これによって市場が独占されていった。

[語 群] 
イ a.ライン b.エルベ c.マース d.ローヌ
ロ a.ロンバルディア b.カルマル
c.ハンザ d.シュマルカルデン

[問 い] 
� 8世紀以降の第2次民族大移動に関する記述で,誤りを含むものはどれか。
a.カール=マルテルは,イベリア半島から侵入したイスラム教徒を退けた。
b.オットー1世は,レヒフェルトの戦いでマジャール人を退けた。
c.カヌートに率いられたヴァイキングの一派は,ノルマンディー公国を建てた。
d.イングランドのアルフレッド大王は,デーン人の侵入を一時的に退けた。

� 荘園制に関する記述で,誤りを含むものはどれか。
a.荘園内の農民は,領主に対して賦役や貢納の義務を負った。
b.荘園内の農民は,教会に十分の一税を支払った。
c.領主は,荘園内の農民に対して裁判権を行使することができた。
d.聖職者・教会は,荘園内の農民を支配する領主にはならなかった。

� 11世紀頃から新たに普及し,農業生産の向上に貢献した農法はどれか。
a.二毛作 b.三圃制 c.二期作 d.二圃制

� イベリア半島におけるイスラムの最後の拠点となり,1492年に陥落したナスル朝の都はどれか。
a.グラナダ b.サラゴサ c.コルドバ d.バレンシア

� 十字軍の遠征に関する記述で,誤りを含まないものはどれか。
a.第1回十字軍で建設されたイェルサレム王国は,セルジューク朝の攻撃を受けて滅んだ。
b.第3回十字軍には,イギリス王・フランス王・神聖ローマ皇帝が参加した。
c.第4回十字軍で建設されたラテン帝国は,イル=ハン朝の反撃を受けて滅んだ。
d.第7回十字軍で,フランス王ルイ9世はエジプトを攻撃したが敗退した。

� 北イタリアの諸都市に含まれないものはどれか。
a.ミラノ b.フィレンツェ
c.マルセイユ d.ジェノヴァ

� 遠隔地商業に関する記述で,誤りを含まないものはどれか。
a.バルト海・北海貿易の中心地であるリューベックは,ザクセン公が建設した都市である。
b.東方貿易の中心地であるダンチヒやブレーメンでは,香辛料が輸入されていた。
c.北イタリアのフランドル地方では,毛織物産業が盛んであった。
d.ドナウ川中流の大司教所在地ケルンも,交易の中心地として繁栄した。

� 中世都市のギルドに関する記述で,誤りを含むものはどれか。
a.初期の商人ギルドは,商人だけでなく手工業者も含む組合組織であった。
b.商人ギルドの運営を独占する大商人に対抗して,手工業者は同職ギルドをつくった。
c.同職ギルドの正規の組合員は親方と職人であり,徒弟との間には厳しい身分差があった。
d.同職ギルドは,ツンフト闘争を通じて,市政への参加を実現した。

正解
イ b ロ c
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� b � c � a � c


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