ギリシア文化はオリエントに散らばったギリシア人(【ヘレネス】)によって、オリエント世界に広まりました。ヘレネスによる文化、すなわち【ヘレネス】+イズムで【ヘレニズム】という造語で説明されます。
彼らは都市生活を維持し、ギリシアで生活していたように生活しました。支配階級として君臨するギリシア人は、【コイネー】というギリシア語を共通語としました。そのうえで重要なことは、エジプト文明との出会いです。ギリシア人は、暦を完成させた【天文学】、ピラミッドを作った【測量学】、ミイラをつくる医学的知識といったエジプトの実用的学問を学び、ギリシア人が得意とした概念の世界を深めていったのです。この概念の世界というのは、「万物の根源は何か?」といった問に対する答えを探すような思考をさします。このような、一見どうでもいいようなことを突き詰めようとしていたイオニア自然哲学の姿勢が、エジプトの実用的学問とであって、科学を進歩させたわけです。
つまり、【アリスタルコス】が【地球の自転と公転】を指摘し、【地動説】を唱えたり、【エラトステネス】が【地球の周囲】を計測したり、【エウクレイデス】が【幾何学】を大成したり、以後の科学の発展に貢献するような研究が、【アレクサンドロス】の【ムセイオン】研究所で行われました。ギリシアの概念とエジプトの実用が結びついたヘレニズム文化の典型的側面といえます。
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