ローマはイタリア半島統一戦争を【マグナ=グレキア】を征服して達成していく間、半島内に広大な【征服地】を獲得しました。この征服地の分配は【元老院】で決定しましたから、多くの征服地は【パトリキ】(貴族)達の手に渡りました。また、征服活動ではもうひとつローマが得たものがあります。それは【奴隷】です。戦争に勝って【捕虜】を捕らえると、彼らを奴隷商人に売り渡すわけです。そして、パトリキたちはこの大量に獲得した奴隷を使って広大な農地を耕させる。そんな農業経営が始まりました。この「【奴隷制大土地農業経営】」を【ラティフンディウム】です。【前2世紀】ころから広まりました。
ラティフンディウムでは、穀物のほかに【ブドウ】や【オリーブ】が生産されました。特徴的なのはこれらの農作物は「商品作物」として売られるものであると点です。ラティフンディウムは、【ポエニ戦争】で【属州】が拡大すると、その属州にも拡大していきます。その結果、中小規模の農業経営しかできなかった【プレブス】(平民)の暮らしを圧迫しました。彼らの作る農作物は小規模であるがために、大量生産されるラティフンディウムの【安価な農作物】に太刀打ちできなかったのです。【中小自作農】の収入は減少。生活が苦しくなりました。彼らは【ファランクス】というローマ軍の主力を担っていましたから大変です。武器を自分で買ったり、手入れをしたりする余裕などなくなっていきました。こうしてローマ軍が勝てなくなると、奴隷の値段が上がったり、公有地の分配が難しくなったりしました。困ったのはラティフンディウムを経営する貴族たちです。
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