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エミリ・デッキンソンを描いた映画「静かなる情熱」の最終日を最終日に知り
慌てて、夜、最終回を見に岩波ホールまで出かけました。
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映画は想像していた、孤独に詩を書き、自然に触れて生活している彼女ではなく、家族をめぐる
生々しい側面から描いていて、ちょっと途中息苦しくなってきそうなものでした。
音楽も孤独で美しいものでしたが、Scott Walker がやっても良かったのではと思いました。
いくつかのクラシックも使われていましたが、シューベルトの歌曲「夜と夢」が効果的に使われていました。
ディキンソンがかなりはっきりものをいう人で、今まで勝手に描いてきた人間像とは違っていて、
感傷的でウェットではなく、かなりクールな男性的なイメージです。
このテレンス・デイヴィス監督が描くディキンソンもひとつの見方を教えてくれます。
また映像がフェルメールの絵を見るように素晴らしかった。時にヴィスコンティの映画も映像が
素晴らしかったことを思い出しました。
あまり深入りせず、淡々と進められていくストーリィは、事実だけを描こうとしているようでも
ありました。
ディキンソンの伝記的な本も持っていますが、そこで見た写真と同じ、ディキンソンの住んだ家で
ロケを行ったとのことです。現存しているのですね。
武満徹やサイモンとガーファンクル、コーネルやターシャなどいろいろな人にインスピレーションを
与えた人との説明が映画のフライヤーに在りました。
デッキンソンの詩集は国文社から出た「続 自然と愛と孤独と」を持っていたのだけど、探してもみつからなくて
困っています。
彼女の死後見つかった膨大な詩の中からどれを選ぶかで、かなり変わって来てしまう詩集です。
持っていた詩集がみつからないので、アマゾンで亀井先生が対訳をしている岩波文庫の本を買いました。
先生がイントロの中でホイットマンと対照的なディキンソンを比較しているのが面白いです。
それでも詩の中に自分自身を解き放っているエミリをこんな風に紹介しています。
「デッキンソンは外の喧騒の世界をよそに、家の中に閉じこもっていたかのようだが、「可能性」の中に
心を飛躍させていた。彼女の詩は、けっして重苦しい思索に沈潜するのではなく、もちろん懐疑や苦悩を
もたらすこともしばしばだったが、基本的には自己を明るく解き放つ力をもっていた。」
デッキンソンの詩は彼女が願ったように後世に伝えられました。
私は小さな蜘蛛の詩とか自然の詩が印象的だったけれど、私の中でもディキンソンを再評価して
また違う目で彼女の詩を読んでみようかと思っています。
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参考:エミリ・ディキンソンの本
Sep.15 2017
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