Reflections

時のかけらたち

生きる歓び ・・ホセ・カレーラスの音楽の中で・・・ feeling joy of living in the music of Jose Carreras

2019-11-03 12:26:09 | music


ホールがホセ・カレーラスの声に包まれるとき、幸せがホール一杯広がる、
生きることをいつでも感じさせてくれるホセ・カレーラスのコンサート。

たった一つしかない選ばれた声、それを十分生かして聴く人のために歌ってくれています。私の人生でどれほど
豊かにしてくれるのかしらと思います。最初はチケットが高くてとても贅沢に思い、手が出ませんでしたが、
行くようになると年の終わりに聴くカレーラスは生きていることの自分へのご褒美として、高いとは思わなく
成りました。

音楽は私に生きていることを最も強く感じさせてくれるものです。後から福岡伸一さんと坂本龍一さんの
対談で、生物学者の福岡さんが生命を思い出させてくれる波動と言うようなことをおっしゃったことは納得です。
モーツァルトの1/f揺らぎも同じです。モーツァルトの音楽で植物が良く育つのは振動によるということだそうです。

生きていることを強く感じさせてくれる、最高峰の音楽がホセ・カレーラスの声です。私が最もつらかった時期に
支えてくれたのが、彼の音楽やラッセル・ワトソンのyou brave me up でした。主人の闘病生活の最終ステージの時です。






ホールに入っていくときのドキドキ感。2階の一番後ろの席です。

今回のステージはこのテノールリサイタルに初めて行くようになった10年近く前のことを思い出させる新鮮な感じが
ありました。いつも最後になるかと思いながら聴いています。生で聴くその高く美しく、哀愁のある声に、レコードより
数倍素晴らしいと思いました。

今回は最初からまるでアンコールの時のように、自由で素晴らしかったのですが、最後まで聴くとどんどん声が伸びが出て
良くなっていきました。ほとんど知っているよく歌う曲ですが、中にはあまり聞かない曲も1~2曲あり、イタリア語も
単語がキャッチできて意味が分かるとまたイメージがつかめます。
最初から声が出ていると思いましたが、2曲で一度舞台の袖に戻ったのはちょっと喉に違和感があったのからかしら?

プログラム:


ドニゼッティとグリーグのノクターンはロレンツィオ・ヴァヴァーイのピアノだけです。彼はカレーラスとの息ぴったりの
最高の伴奏者ですが、ソロも良かったです。





トスティやほかも皆よかったですが、
Silenzio cantatore (静けさに歌う) G. Lama と言うカンツォーネは今まであまり聴かなかった曲ですが、良かったです。


アンコール曲


アンコールが終わってライトが全部ついてもスタンディング・オベーションが続き、最後に再び帰れソレントを
謡いました。アンコールはカタリとかいつも歌っていますが、今回はプログラムの最後にありました。
アンコールの最後はよくグラナダなのでこれでアンコールも終わりかと思いましたが、立ち去りがたく
最後が始まったら隣にいた方がこれを聞かなくてはねと話してかけてきました。


自分を生かすこと、人のために生きることを思い出させるカレーラスの音楽でした。





クレディセゾンでカードでの先行予約者のうち公演後のレセプションに160名に招待があり、10年目にして初めて
当選しました。

前日の深夜までと当日の朝、フェアアイルニットの宿題をやっていたので、コンサートのことを考える暇もなく
いつもだったらどの着物にしようかとコーディネイトを考えているだけで楽しいのですが、コンサート当日まで
余裕の全くない日々でした。パーティに白大島を着ていくことを楽しみにずっと思っていましたが、いざ当選すると
当日まで苦行のような課題があり、コンサートを楽しめるかと思ったら、切り替えがパットで来て、この苦しさの
後だったので、よけい音楽がしみたのかもしれません。先生は苦行でないので、皆さん楽しんでやってねと話して
いました。「上手になったら楽しくなる」よって。

教室を早退してから着物を着て出かけようかと思いましたが、このクラスはついて行くだけで大変なので
早退はあり得ないことがわかりました。当日お昼まで宿題をやって、先に着物を着て和服で教室に。
昔の人はみんなキモノだったからこれもありですよね。次回のベルカントも午後高校の同期会があるので
和服で行くことになると思います。こちらベルカントでは和服2回目です。和服が少しだけ日常化してきましたね。







レセプションではシャンパンで軽い食事が出ていて、レセプションでスピーチがあり、その後抽選で当たった人から
花束贈呈、ビザビジョンよりカレーラス白血病財団に対する寄付があり、記念撮影を4つのグループに分かれて
記念撮影。個人的な撮影とサインは禁止となっていました。

カレーラスが46年前(確か)に日本に来て、トゥーランドットだったと話されていました。
最後に今日のコンサートを感謝して、40年近く前にアグネス・ヴァルツァのカルメンを見たと話したら、
目を大きくして驚かれていました。握手の手が暖かかったです。
彼は声帯のため、ホールの空調をすべて切っています。

夢のような一日でした。










ニッティングの教室でクタクタだった早めについて、私は外でレモンパイとカフェオレでやっと休憩。


ホセ・カレーラスのコンサートは熟年のカップルや、機束を持ってくる男性のファンもいるのですが
私が行くコンサートの中で一番和服の方が多いです。私が和服で行くものは公演者への敬意を払って
いるものが多いです。能とか声楽とか・・




南愛子さんの工房の大島紬でタイトルは「未来への挑戦」。優しい壁紙のようないろいろな色が入った織です。
帯は伊勢型紙の紀尾井アートギャラリーで気に入った中国の刺繍がアップリケされているアンティーク風です。
誉田屋さんで銀箔のすてきな帯を見せていただいて思い出しました。







コートは夏用でも充分でした。笹加のオーガンジーの有松絞です。11月くらいまでこれで大丈夫と言うことで
昨日は汗をかきました。


人生の苦しみの合間に姿を見せてくれる美しい音楽に感謝です。



Nov.2 2019 Roppongi

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