Reflections

時のかけらたち

阿佐ヶ谷散歩付き星岡日本料理講習会(2018.8)・・・ Hoshigaoka and Cafe 

2018-08-06 23:59:20 | dish
8月の星岡料理教室

真夏の日本料理も涼やかに見せる工夫があり、とても楽しみでした。
その季節を感じるのが日本料理です。華やかな日本料理がある中で
素朴とも思える北大路魯山人の料理を伝えています。

和服で日本料理も1年前に知り合ったあるばとろすさんのおかげで楽しむことが
できました。一人で通っていたら思ってもみなかったことです。
ちょうど1年前と同じ、有松絞りの浴衣で出かけることにしました。






昨年は絽綴れの露芝の模様が入った白い帯でしたが、今年は紺と白の麻帯にしました。




祖母の白檀の扇子に職場でお別れに頂いたタオルのハンカチを持って・・
















掛軸は去年と同じでしたが、今回初めてお尋ねしましたところ、和宮の婚約者だった有栖川宮熾仁(たるひと)親王が
夏の山の瀑布の前で流れ落ちた泡の中にご自分の運命を詠んだ歌とか・・
明治維新の流れの中でものすごいドラマがあったのですね。幕末~明治維新は日本国中ドラマチックで
外圧もありでいろいろな人たちが情熱をかけた時代だったのですね。和宮は愛し合っていた婚約者から
引き離されて政略結婚をさせられたのですが、夫を愛し、死後も徳川のために尽くしたけなげだけど強い女性だったのですね。
幕末は篤姫も見事に徳川を終わらせた人でした。




8月の献立

前菜   いか新挽揚げ、胡瓜げっかん、里芋の田楽
向付   茹で豚肉辛子酢味噌
椀    寄せとうふ 焼き海苔 舞茸
焼物   丸茄子油焼 鶏味噌添え
煮物   海老団子 冬瓜の含め煮
和え物  枝豆 蒲鉾 山葵和え
ご飯   百合根ご飯






包丁を垂直に立てて、ところどころ刺して、茄子を食べやすくします。







冬瓜を薄くむくには中央から外に向かって切ること。なかなか重層を使い慣れないのですが、重曹を軽く振って
包丁でさいの目に切り込みを入れて、茹でてから、出汁で煮ますが、その時に汁が全部かかってしまうと
きれいな翡翠色が出ないということで、以前家で作った時も苦労した覚えがあります。




今回鶏味噌用の赤さくら味噌を分けていただけたのはラッキーでした。
お味噌も結構手に入りにくくて西京味噌もなかなか見つけられなくて、高島屋で買っていましたが、
その店も新宿からなくなり、日本橋からもなくなってしまいました。
さくら味噌、八丁味噌、西京味噌、信州味噌といろいろ使い分けたり、ブレンドしたりして
楽しめそうです。
この鶏味噌はさくら味噌と西京味噌を合わせています。少し前の講習会で夏の茶事の椀物は
八丁味噌と西京味噌の割合が変わってくるというような話をお聞きして、茶事にも出たくなってしまっています。




百合根ご飯も炊き立てで、枝豆と山葵を使った和え物のほのかな山葵の香りも良かったです。
とにかくコーディネートというかいつも素晴らしいと思います。












肩ロースを茹でて、アスパラ、レタス、セロリを添えて、辛子酢味噌でいただきます。




新挽粉も家にたくさん残っているので、今度天婦羅でなくつけてあげれば、かりっとして美味しいかも。




枝豆、かまぼこ、山葵和え





今回はお料理を作りながら、星岡の歴史も少しお聞きしました。

HPにもあるように

星岡の日本料理講習会は、昭和8年6月4日、赤坂山王の森に囲まれた星岡茶寮に於いて、北大路魯山人氏により第一回
日本風料理講習会として誕生しました。その後星岡茶寮の調理主任でありました藤本憲一氏により受けつがれ、今日に到って
おります。日本料理の基礎から、懐石料理まで、毎回献立を変え、星岡茶寮伝統の味を皆様にお教えしております。


星岡の流れを今に伝える唯一の場所です。

星岡では前の料理主任藤本憲一氏は日本料理のトップにいた方のよう。陳建民と飯田深雪とで
高田馬場でも料理講習会をしていた時期もあるとか・・・
辻留や田村魚菜などが活躍していた時から、辻留の後日本料理を陰で支えていたらしい。
現在の講師は武田裕氏で大学でもつい最近まで教えていたとお聞きしました。




あるばとろすさんのおばあ様の麻の反物でオーダーして作られた露芝もようの着物に芭蕉の葉模様の帯と帯揚げのオレンジが
ミルクティー色に染めた着物にぴったりで、とどめは和光の時代物の鮎の帯どめ。おしゃれってこういうのものなのねと
いつも感心させられます。




私といえばフツーの人なので、今回帯締めを黄色にしようかだけ迷いましたが、帯揚げともにブルーにして、
ミルキーなカラーのアクアマリンの指輪をしました。





帰りには最近のブームの阿佐ヶ谷散歩。結構コーヒーショップもあるらしいので、いつも行き当たりばったりで
あいているお店に入ります。


今回も面白そうなお店で、店の中には何やら水琴窟の音楽が流れ、アーティスト風の人が
ネルドリップの珈琲を入れています。







この楽器はご主人が作成したとか.. 何とミュージシャンでした。








出てきたオレ・グラッセどこかでいただいた味かと思ったら、青山のレジュ・グルニエ。
たまたまお店に来た自分でコーヒーを焙煎して飲むというお客さんと話していたわかったことはなんとここのご主人、レジェ・グルニエで
働いていたことがあるとか。電子タバコを吸っていたこのお客さんとコーヒーの話をいろいろしました。伝説の表参道の大坊珈琲店のことや
行ったことのない蔦珈琲店。数年前あのオーストラリアから進出しているコーヒー店に行ってからどうもコーヒーのアロマ、香りに気が付くように
なりコーヒーの楽しみ方も増しました。







古い日本の器もありました。








前身は吉祥寺でガネーシャというカレー屋さんをやっていたとのことで、カレーもすごくおいしそうでした。
黒猫茶房、また訪ねてみたいお店です。



Aug.2  2018  Asagaya






コメント (4)
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