“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

昨年の奈良国立博物館での思い出

2015-09-06 00:36:11 | 日記
昨年、2014年6月4日の記事「漢検協会の漢字資料館」と、2014年7月1日の記事「漢検協会の漢字資料館を訪ねた日のこと」で、
生徒の関西研修旅行を引率した機会に漢検協会を初めて訪れた、という記事を書きましたが、
そこで「奈良国立博物館の中国古代青銅器とそれに関わる漢字についても書きたい」と意思表示してから、早くも1年3か月ほどの歳月が過ぎてしまいました。

当初は青銅器ごとの漢字をひととおり調べ直して、列挙・紹介しようか、などとあれこれ考えていたのですが、
調べれば調べるほど当然ながら奥が深いのに加え、ケータイでの入力では表示できない漢字も多く、
青銅器自体にご興味のある方は、然るべき資料を調べてご覧いただければよいと考え直して、
こちらでは結局単純に、当時の自分の感動だけをお伝えすることにしました。


この日は旅行引率初日で、東大寺→奈良国立博物館→興福寺という行程での奈良国立博物館だったのですが、
まず衝撃的だったのが、
青銅器館への未練を断ち切って、なんとか集合時刻1分前に館の入り口に出たところ、
なんとそこには、整列している筈のうちの学校の人たちが誰一人として見当たらず、
みんな忽然と消えていた、ということでした!

--うそ!?みんなどこ行っちゃったの!? 私、集合時間を間違えた!!?

と狼狽える私に、「しろねこ先生こっちだ~、こっちこっち」と、はるか向こうの植込みの方から、大きく手招きする副校長先生の姿が。
必死でそちらに駆けて行ってみると、少し先の方を、我らが引率する中3の人たちが、すぐ隣の興福寺へ向かって、のんびりと歩いてゆきます。まずはみんなの姿がそこにあることに、ほっと胸を撫で下ろすしろねこ。一緒にそこに追いつきながら、副校長先生が説明してくださった経緯によると、……

集合時間の数分前に点呼を取ると、もう生徒が全員いたので、なんだか団体全員がいるような気になって、教員のいるいないは確認せずに、じゃあもう移動を始めよう、というわけでみんな歩き出したものの、
ある生徒が、「そういえば、しろねこ先生がいない」と気がついてくれて、「じゃあ、俺が待つから、みんなは先に行け」と副校長先生が道路に出るところで待っていてくださった、

……ということだったそうです……。誰だかわからないけれど、私の存在を思い出してくれたひと、本当にありがとう!!お陰で迷子にならずに済んだよ……。

教員という立場からすれば、担任副担任にかかわらず、集合時間の5分前から3分前には集合場所に到着して、生徒たちがきちんと時間を守る行動をしているかも含めて、観察・点呼しなければならないのですが、
そのときは集合場所に向かうのがギリギリになってしまうほど、青銅器館を離れがたかった上に、階下の売店コーナーで青銅器の本を買いに行く時間がどう考えても残されていない、ということからくる葛藤と闘っていたのです。
--まあ、何と言おうが、仕事上は言い訳にしかなりませんね。

副校長先生はしかし、しろねこにこれといって注意らしい注意もなさらず、ご自身がこれまでに何度か訪れた奈良国立博物館の売店で、どんな品々を買ったのかを話して聞かせてくださったりして、そうして歩いているうちに、だんだん興福寺の五重塔に近づいてきたのでした……。

【②へ続く】

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