“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

新星出版社の新しい問題集~国字の誤答問題~

2011-05-06 01:32:23 | 日記
今日は、

『平成23年度 頻出度順漢字検定 合格!問題集1級』(新星出版社)

の国字の問題についてです。

国字の書き取り問題は①~③まであります。
単純に見開き48問×3節、忘れそうになっている準1級範囲の国字もおさらい出来るのがよいです。

以下、しろねこの誤答問題です。
国字では無い字を、気を抜いて書いてしまったというミスが多かったです。


国字①

1.谷がさらに狭まった所を【サコ】という。
2.屋根から雪が【スベ】り落ちてきた。
3.着物に【タスキ】掛けで仕事をする。

《解答》
1.[「谷」にしんにょう]
(「辿」と間違う癖がある)
2.辷
(普通の「滑」を無意識に書いていた)
3.襷
(「手」の部分を「奉」の中の部分のように書いてしまう癖がある)


国字②

1.【サバ】の味噌煮は大好物だ。
2.【アワビ】の刺身を食べる。
3.魚の通路に【エリ】を仕掛ける。
4.緋【オドシ】の鎧を身に着けて出陣した。

《解答》
1.[魚偏+「恵」の旧字体]
(普通の「鯖」を書いてしまった)
2.蚫
(普通の「鮑」の方を書いてしまった。「鯏(アサリ)」は貝なのに魚偏で、「蚫」は貝なのに虫偏だということは、巷の漢字の本のコラムにもよく書かれていることです…)
3.[魚偏+「入」]
(「圦(イリ)」を書いてしまった。「鳰(ニオ)」「叺(カマス)」と併せて気をつけたいところ)
4.縅
(忘却。違和感を感じながら「緘」と書いた)


国字③

1.お上が定めた【オキテ】に従う。
2.夕【ナギ】の時の蒸し暑さは一入だ。
3.台所からよい【ニオ】いが流れてきた。

《解答》
1.諚
(気を抜いて普通の「掟」と書いた)
2.凪
(度忘れして違和感を抱きつつ「夙」と書いた。高校時代描いた絵のタイトルにも使った、お気に入りの字なのに…(涙))
3.匂
(文脈も見ず「臭」と書いた。「匂」は何故かしろねこが国字であることを忘れやすい字。国文学『源氏物語』の「匂宮(におうのみや)」を考えれば、国字のイメージが付きやすいか)


…国字の問題を解いていていつも思うことは、書き取りではなく読みを問われたら意外と外してしまうのではという不安です。「楾」とか。「鮖」とか。「鵤」とか。
ならば読みの練習をすれば済むことなのですが、実際意識してそのように解いてみたことは未だありません。
国字の問題は、部首でイメージ分類した後に、その読みから自分の頭の中で勝手に作った連想の公式を使って書いていることが多いです。

例:「鮴(ゴリ)」←「ゴリ」押しして「休」みを貰う
「鯒(コチ)」←「コッチ」に「通」路があるよ!

など(くだらなくて本当にすみません。これらはまだましなほうです)。
傍から見たら何の根拠もない連想が、しろねこの頭の中を渦巻いているのでした。

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2 コメント

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漢字の覚え方と字体 (fuji-moca)
2011-05-06 19:24:18
しろねこ様

こんばんは。fuji-mocaです。

また興味深く拝見させていただきました。
例にある鮴(ゴリ)と鯒(コチ)の連想公式、面白いですね。
fuji-mocaは「こちふせ、ごりやす」などと意味の無い文章をむりやり作って覚えましたが、
しろねこ様の例を見て成程と思いました。とても分かりやすいです。
くだらないことなどありませんよ。
(他にもあれば、いずれご紹介ください。)

さて前回の記事ですが、【ホウロウ】の解答で「琺琅(瑯)」と書かれていました。
この「瑯」と同じ右側の字を含む漢字で、蟷螂(トウロウ)の螂がありますが、
こちらは漢検必携一級では「螂」が正字で蜋(虫+良)が許容字となっています。
「琺琅(瑯)」(琅が正字で瑯が許容)とは逆なのです。
また、檳榔樹(ビンロウジュ)の「榔」は瑯の右側の字体が正字ですが、
許容字は木偏+良ではなく「榔」(一画少ない字体)です。
漢和辞典で解字を調べたら、琅は「玉+良」、螂は「虫+諸(良+おおざと)」と
なっていました。
同じようなつくりの漢字でも、正字と許容字体が反対になるのはややこしいですね。

あと、更に前に頂いたコメントで、1級の漢字「鉾」を準1級の検定試験で書いても
バツにはならないとのことでしたが、仰るとおりでした。
>1級および準1級の解答は、「漢字必携一級」(財団法人日本漢字能力検定協会発行)に示す「標準字体」「許容字体」「旧字体一覧表」による。
漢検必携に上述がしっかり載っていました。
頻繁に受検はするもののルールを把握しておらず、お恥ずかしい限りです。

それでは、長くなりましたが失礼します。
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Re:漢字の覚え方と字体 (しろねこ)
2011-05-07 00:47:04
fuji-moca様
こんばんは。

「琅」「螂」「榔(携帯ではこちらしか出ません)」の標準字体と許容字体、早速帰宅して『漢字必携一級』で確認しました。
本当にfuji-moca様の仰るとおりの三者の字形の関係でした。念を入れて頭に入れないと実にややこしく感じられてしまいますね(笑)

しろねこはあまり許容字体まで手が回っておらず、厳密に字形の関係を把握していなかったので、新しい発見でした!有難うございます。


鮴(ゴリ)と鯒(コチ)の連想公式、分かりやすいと感じていただけたのでしたら幸いです。
携帯では字体が出なくて紹介をしなかったものもありました。またはネタが少々俗っぽかったりあまりにも私的なものもあります。
そんな一部をご紹介します。

○「鵆(チドリ)」←「鵆」足で通りを「行」く

○「鵤(イカル)」←ここで「怒る」と「角」が立つ

○「鮗(コノシロ)」←「この城」は「白」い「冬」によく映える

○「[魚+未](イワナ)」←「未だ」「言わな」い

○「[魚+宣](ハラカ)」←Ver.1 自分が生き別れの「はらから(=きょうだいの意)」だと「宣」言する。/Ver.2 私の「腹か」らあなたの子供を産んだと「宣」言する。Ver.3 「腹か」っさばいてくれるわ!と「宣」戦布告する。

…など、塵芥の如くいくらでも出てきそうです。
こういう語呂合わせで覚えた字は、魚・鳥の部首の字が圧倒的なようです。


では、また。
さらに工夫して暗記を頑張っていく所存です。
おやすみなさいませ。
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