「野毛」。こんなのアリ？

■帆船日本丸からそんな遠くない場所に「野毛」という街があります。
日曜日の今日、この野毛商店街に行ってきました。（注：日曜日の夜、テキストファイルを作っていましたが、寝てしまいました。完成したのは１４日（月）です）　「商連かながわ」の「商店街ツアー」なるものに参加してきたのです。この企画は、神奈川県内で頑張っている商店街を紹介しようというものです。以前、元住吉の商店街と六角橋の商店街の見学に参加した事があり、今回で２回目の参加になります。

■今回の主催者は「野毛商店街協同組合」と公益法人「商連かながわ」。
タイトルは「ジャズｄｅ盆踊りとお店巡りを楽しむ　野毛商店街ツアー」とあります。「野毛」のイメージと言えば、泥臭い日本の飲み屋エリアといったところ。新宿の歌舞伎町ほどではありませんが、小さな飲み屋が軒狭しと並んでいるんです。

【現在の「ＪＡＺＺ喫茶ちぐさ」。昔のイメージが全くない（覚えていない）。どんなお店だったのだろうか？】
■私の中・高校生の頃には、決して近づいてはならないエリアのひとつでもあります。
場外馬券場があるせいでしょうか？　近くに性風俗店エリアがあるせいでしょうか？　常設ストリップ小屋があるせいでしょうか？　バス通りは歩くのですが、かつては、裏通りに入るのがためらわれるエリアであったのです。そんな頃に、ちょっと悪ぶってジャズ喫茶に出入りしたのは、４５年ほど前の高校３年生の頃になります。

■その「野毛」が、何で「ジャズｄｅ盆踊り」？
ちょっと頭をかしげてしまうタイトルでした。でも、今回のツアーに参加して、ちょっと判ったような気がします。治安はずぅ～っと良くなっているし、ボラレそうもないお店も増えたし、何と言っても、カフェやビストロ、ワインのお店などが通りに目立ったきました。かつてより、ずいぶんとイメージが、変わってきていたのは驚きました。

■ツアーで見学したお店は以下です。
関神佛具店：かつて、野毛本通りには佛具店がたくさんありました。残っているのは２件のみ。石原裕次郎の仏壇（約１千万円）を納めた佛具屋さんです。
ジャズ喫茶ちぐさ：説明はいりません。日本の「ＪＡＺＺ喫茶」草分け的存在です。
製氷会社・野毛産業：どう紹介したらいいか？　横浜の有名ホテルやバーなどに、昔ながらの氷を卸しているそうです。
野毛食べ物横丁：細い路地長屋に８つの飲食店がひしめいています。近い日、訪れてみたい横丁です。
タンペルデュ：横浜最古のベルギビール専門店。アンティークなオルゴールや大道芸パフォーマンス。こちらも近い日に再訪したいお店です。
和食居酒屋・叶屋：樹木希林さんの姪のお店って言った方が、判りやすいでしょうか。
すっぽん料理・あぐら停：野毛らしくすっぽんをさばいて、お安く提供してくれるお店。
そして、野毛の小道に沿った和菓子屋さんで、お団子をごちそうになりました。

【写真上：「食べ物横丁」の玄関を入ると、長屋状の中央に通りがあり、その両側にお店が並ぶ。】
■まず、また来たいと思ったのが「野毛食べ物横丁」です。
お店の玄関をくぐると、そこは横丁の通りなんですが、２階建の長屋なんです。狭いスペースにカウンターとイスが並んでいて、どうして消防検査が通ったのか、ちょっと不明なような雑然さです。でもその狭さとか混沌とした感じが魅力的でした。説明では、ここに８軒のお店があるそうですけど、ビストロ、鉄板焼き、立食い寿司、串カツ・どて串の４軒には、ぜひ、行ってみたいと思っています。

■次に、興味をそそられるのが「タンペルデュ」。
ベルギービールのお店だそうです。ビールに興味があるのではなく、お店のパフォーマンスが面白そうです。吹き抜けのあるお店には、からくり人形の劇場型オルゴールやら古いピアノがあったり、空中ブランコ、綱渡り、ポールダンス用のポールがあったり、壁には手回し蓄音器のスピーカがくくりつけられていました。何か面白そうな感じです。

■この日は、「野毛」では、お祭りをやっていました。
「野毛本通り」の「野毛３丁目」から「都橋」までを、通行止めにしていました。ここに「メリーゴーランド」や「ステージ」、そして大量のイスとテーブルを置き、両わきには飲食の販売テーブルが並んでいたんです。まだ早い時間なんですが、すごく盛り上がっていました。

【写真上：野毛商店街の会長さんからいただいたタイムスケジュール表の一部。ＪＡＺＺの名曲が盆踊り曲になっているのが判る。】
■ステージ上では、リズミカルな歌はもちろん、サンバグループが踊り狂っていましたし、ここにジャズ奏者が加わって盛り上がっていました。
そして夕方には盆踊りが始まるんですが、何とジャズの曲を盆踊りにしてしまおう・・・・・というもの。全てが「ノリ」だけで突っ走って、熱狂して・・・・・でも、こういうコラボも面白くて、楽しくて、アリだな・・・・・って感じました。

【写真上：お試しで野毛の飲食店さんに入って欲しいというクーポンをいただいた。３枚あって、飲み物1杯とつまみ１品を、お得に出してくれるそうです。その他、祭当日のみ有効なクーポン１０００円分いただき、現金３００円を足して、会場で生ビールを飲み、大きな鳥串焼き、餃子、唐揚げを食べました。とても安かった。】
■「野毛」という古い、汚い、怖い、狭い・・・・といったイメージ。
そんなイメージを壊すように、「ＪＡＺＺ」を使ったお祭りであり、街起こしなのでしょうか。何か「野毛」から、新しいものが生まれようとしているし、今までとちがった「横濱名物」ができようとしているエネルギーを感じた半日でした。