■朝、新聞を読んでいて、ちょっと感慨にふけってしまいました。
その記事は、『「HOYA」が、「ペンタックス」カメラを切り離し、「リコー」が買収する。』というものです。
■ある程度の写真を始めたのは、高校の写真部に入ってからです。
その頃は、親のカメラを使っていました。大学卒業後、親元を離れ独立生活を始め、生活に余裕が出始めたころ、初めて自分の一眼レフカメラを買いました。それが旭光学の「ペンタックス」だったのです。10数年の間に、「ペンタックス」のカメラを3台買っています。最初は「マニュアル機」、次が「自動露出機」、そしてかなり後に、デジタル制御を大幅に取り入れた「(フィルム機の)デジタル機」です。それには、焦点合わせに時間はかかるもののオートフォーカスがついていました。それでも今と違って、ガラスレンズと精密機器にこだわった金属の固まりで、実に重たくでかい精密機器カメラでした。ペンタックスはニコンやキャノンよりも安価にも関わらず、こだわった仕様のカメラでした。
■今や時代は確実に「デジタル」の時代に移行しました。
日本のお家芸と言われたカメラ業界でしたが、デジタルに乗れなかったカメラメーカが、次々、姿を消していきました。「トプコン」「ペトリ」「マミヤ」「ヤシカ」「ミノルタ」「コニカ(小西六)」「コンタックス」、そして、デジタルメーカでありながら姿を消した「京セラ」など、私にとっては、懐かしい名前が浮かびます。
■今回の売却話には、それぞれのカメラメーカーの思惑があるようです。
新聞の報道と、その背景を推測すると次のようになるのではないでしょうか。
■医療光学機器を取り込みたかったHOYAは、ペンタックス(旧旭光学)の医療機器部門だけを残し、負担になっていたカメラ部門を、やめたかったのです。
一方、安価競争が激しいコンデジを販売しているリコーは、収益性を高めるためデジ一眼レフをやりたいのですが、一から始めるには負担が大きすぎる・・・・ということでしょうか。そこで、両者の思惑が一致したのです。
■携帯電話のカメラ機能を含め、赤ちゃん・老人を含めた市民のカメラ所有率は、非常に高く、飽和状態と聞いています。
その反面、カメラの電子化は非常に早いスピードで日進月歩しており、独自開発~ヒット商品を出すのは至難の業のようです。ソニーが実用化した裏面照射型CMOSセンサーの提供を受け、各カメラメーカーが自社製品に組み込む・・・・・ というのも頷ける話しです。
■簡単にきれいに撮れ、安いカメラが普及することで、市民の意識も変わってきました。
お気軽なカメラの部門では、多くに人はブランドにこだわらないのです。一般的に、老舗カメラメーカーのカメラは、やや高めの価格です。レンズは○○○社のもでなければダメだとか、シャッターは×××社、ボディは△△△社・・・・・というマニア的概念は、毛頭にもありません。L版サイズのプリントやWebに掲載する写真は、十分きれいすぎる写真で、電子機器メーカーが、多くの安価なデジカメをたくさん提供しているのです。
■しかしリコーにとって、今回のペンタックス買収は、決して明るい未来ではないようです。デジカメシュア8位のペンタックスを、9位のリコーが買収しても、まだ7位のオリンパスにも及ばないそうです。
他社と異なった指向・独自性で、かつてには高い評価を得ていた「リコー」。今でもマニアの人からの評価は、高いものがあります。ぜひとも、次の世代に生き残って欲しいメーカーのひとつと思うのは私だけではないと思います。
■かくゆう私は、このたび富士フィルムのコンパクトデジカメを買いました。
昨日、受け取り予定でしたが、都合悪く行けませんで、そのため、未だ、新しいコンデジは私の手元にはありません。私の買ったコンデジは、本来の「真(まこと)」を「写す」カメラではなく、まさにデジタルが、きれいな写真を作り上げる「カメラ」です。
思い出に浸ってウンヌン語る権利は・・・・・・、私にはありそうもなさそうです・・・・・・・・