中小企業診断士の雑誌でTOKYOSMECAという月刊誌がある。東京都診断士協会の会員向けの雑誌だ。この雑誌は毎月、ある研究会の研究論文が載る。私の研究会も昨年載せたことがある。10月号は、スポーツビジネス研究会だ。テーマは「プロ野球人気は本当に下がっていますか」だ。
確かに、プロ野球は以前に比べて人気が落ちているように思える。しかし実際は違う。観客動員数は各球団とも順調に伸びている。球団を3つのタイプに分類すると、全国区球団が2つ地方球団が5つ、そして都市圏球団が5つ。市場環境が一番厳しいのは3つ目の都市圏球団だが、閑古鳥は鳴いていない。
そして筆者が特筆しているのは、DeNA横浜ベイスターズだ。ここは市場環境の厳しい都市圏球団だが、観客動員数は飛躍的に伸びている。決算も黒字になっている。この球団は成績がいいわけではない。チームの成績と観客動員数は必ずしも相関はない。ちなみにベイスターズの相関係数は0.27、弱い相関だ。
それじゃ何が違うか。それは、野球本来の球場、チーム成績、選手などの本来の「ものづくり」に加えて、「ことづくり」をしているのである。この場合「ことづくり」とは、スタジアムのボールパーク化(アメリカでは結構これが多い)、スタジアム飲食の本物化、グッズのストーリー化などである。詳しくはここでは、書けないが、スポーツビジネスの教科書という池田純氏の著書があるそうだ。池田氏と言えば、私がウォーキングの時聞く、文化放送で朝よく登場する方だ。まだ若いが、スポーツビジネスには高い手腕を振るっている。
さて話を戻す。それではなぜプロ野球人気が落ちているように感じるか? それは巨人戦が地上波でめっきり少なくなってきたから、そう見えるようだ。中小企業診断士の中には、こんなことも研究している研究会もある。診断士は多様だな。