直近の2か月ちょっと、米国株式市場はよくわからない展開続きだった。何が変わったわけでもないし、誰もが今後の金利上昇、景気悪化、インフレを恐れているというのに、6月中旬からいきなり株価が反転、上昇し始めたのである。
いくつかのメディアがこれを「トム・ジョーンズ・ラリー」と呼んだ(↓の画像Tom Jones rally)。市場で「ラリー」と言えば、上昇相場を指す。
【Source: MarketWatch】
これは、トム・ジョーンズのヒット曲のタイトル It's Not Unusual にちなんだもの。「何が変わったわけでもないけれど、急に相場が反転して株価が上がるなんて、よくあることさ」という意味で、それを「トム・ジョーンズ・ラリー」としたのである。金融市場の奥底を理解するには、英国のオールディーズから理解しないといけないから大変だ。
It’s Not Unusual(邦題「よくあることさ」)をご存じない方のために、YouTubeを貼り付けましょう。
It's Not Unusual ♪
今年は稀に見る暗い年だ。年初からとにかく暗い下げ相場だ。しかし6月中旬から8月中旬までの2か月は、そのトム・ジョーンズ・ラリーが続いた(↓のグラフ)。
【Source: Investing.com】
ところがジャクソンホール会議(ワイオミング州のド田舎で毎年行われる会議で、そこでの要人の発言が重要視される)で米国中央銀行のパウエル議長がスピーチする(8月26日)というので、市場は急に8月後半になって弱気に転じた。上のグラフの右端、赤で囲ったところがそれだ。
その赤で囲った部分を拡大したのが下のグラフである。ズルズルと下げ始めた。しかしジャクソンホール会議の直前、24日(水)、25日(木)の2日だけは、妙に強気になり上昇したりもした。
【Source: Investing.com】
結局パウエル議長が26日(金)にジャクソンホールで言ったことは、そんなに驚くにはあたらないものだった。しかしトム・ジョーンズ・ラリーに見られるように、市場はこの2カ月間勝手に楽観的になっていたので、いきなり水をかけられたように感じたらしい。その日、米国株式市場は急落して引けた(上のグラフの右端の黒い線)。ただしこのグラフは26日(金)の現地3:30PMころまでのデータで作ってあって、正確にはそのあと30分間で、もっと下げてから引けた。
「インフレってそんな簡単には収まらないもので、消費者物価指数の上昇がピークを過ぎてからも、根強く残る。多少経済が冷えても、まずはインフレを退治してしまわないと後で困る」というのが米国中央銀行の以前からの基本路線であって、そうだとするとやはり金利はこれからも上がり、経済は冷えるのである。ここしばらく見られたトム・ジョーンズ的上げ相場は勝手な市場の楽観的思い込みで変だと思うし、パウエル氏の発言を聞いて慌てて26日に急落するのも変な話だ。経済状況からして、今年の秋は、株式市場が再び暗いムードに覆われるだろうと思う。
なぁ~んてブツブツ言っていると、妻が「そんなエコノミストみたいなこと言ってるからダメなのよ。ここは頭を一旦パープリンにして、市場と一体化して上げなら上げ、下げなら下げについて行かないとダメなのよ」と言う。
そこまで言うなら奥さん、そうやって儲けてみなさいよ。私は近いうちにね、どこかで米国株式市場指数のベア型ファンド(下げれば儲かるファンド)を買い増すことにするからね。
欧州は大変だ。英国なんてインフレが年率10%を超えて来ている。原油や天然ガスの価格の上昇はすごい。先進国によるロシア制裁に対する対抗策としてロシアは天然ガスの欧州向け供給を絞っている。特に天然ガスはものすごい値上がりだ。ロシアのガスに頼る欧州の人々は、この冬を乗り切れるのだろうか?
【Source: Investing.com】
石油価格は落ち着いているように見えるが、エコノミストの多くは来年の石油価格もガス価格も、かなり堅調と見ているようだ。やはり景気にとっては厳しい。秋以降、ゲロゲロッ!となりそうな、いろんな局面がきっとあるよ。
サー・トム・ジョーンズ翁の It’s Not Unusual ♪は1964年に録音されたらしい。そして1965年にかけてヒットした。
米国の著名番組エド・サリバン・ショーに出たとっても若いトム・ジョーンズがこちら。その曲を歌う。
Tom Jones "It's Not Unusual" (May 2, 1965) on The Ed Sullivan Show
次に1968年、同じTVショーに出た彼は同じ曲を歌った。しかしすでにかなりの貫禄。この頃の彼特有な腰を振るアクションもつく。特にハンサムではないけれど、とにかく女性がキャーキャー言うのである。
Tom Jones "It's Not Unusual" (April 21, 1968) on The Ed Sullivan Show
歌とは無関係だが、私が好きなのは、どんな歌を歌ったあとでも、彼はカメラや聴衆にむかって深々とお辞儀をするところだ。
時代は変わる。
トム・ジョーンズの大ファンである私も、彼の歌を聴き続けて半世紀ほどだ。こちらは英国の人気番組The Voiceで今も審査委員を務める彼が、同じ曲を歌ったところである。いつもそうだが、周囲のゲストや審査員もいつも彼に敬意を払う。
Sir Tom Jones' 'It's Not Unusual' | Blind Auditions | The Voice UK 2020
デビューからまもなく60年。それでもすごい声量で歌うトム・ジョーンズ。立派だよね。この時点で80歳だよ!!??
本日のランチは和風炒飯。
おいしいのだよ。
たくあん、ネギ、ちくわ、ちりめん。ごま油、コショウ、塩、醤油だ。
七味も少しね。
テレビを見ていたら、プロ・テニス・プレーヤーの杉山愛ちゃん、男優温水さん、芸人のタカ&トシが登場した。
あれ、すぐ近所のパシフィック・ベーカリーだ。
近所のラ・コッリーナも。
ありゃありゃ、ラ・コッリーナ―の店主さん。
昨日も会ったよ。
七里ガ浜テニスクラブで、みなさん勢ぞろい。
そう言えば1か月ほど前の夕方、ドガティ君の散歩をしていて、ここを通ったら、TVクルーがいて驚いた。
この撮影をしていたんだな。
どうしたらいいのか?
秋はどこかで大きな下落があると思います。
金融政策が効いてくるので、いままで不動で
パンパンに強かった雇用統計が弱まり始め、
物価上昇率も低下が見られ始め、景気先行指標が
弱まり始めることでしょう。
私もわかりません。
しかし秋以降は相場がかなり弱くなる局面が
あると思います。6月以降、上がりすぎだと
思うんです。
それでも、二つの証券会社と取引を少しだけ。
ただね、
この夏の帰省で、娘に注意されました。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信のDコースは、元本を食い潰して配当金を出しているのだから、得にはならないし、売った方が良い、と。
そして、貴方のブログを読んで評価損益を確認したら一万位、マイナスでした"(-""-)"
ただね・・・十年後に得をするとか、
満期額が多いとか言われてもさ・・・
その時まで生きていないと思うのよね。
だから、毎月配当金ってのに乗っかったんだけど。
此処のブログのお陰で、今、二社の現状を久しぶりに確認しました。
感謝!
私は長年外資系の資産運用会社に勤務しており
ました。したがいまして、こういうことを普段は
延々と考えております。
アライアンス・バーンスタインは米国の名門
運用会社ですね。日本の投資信託販売会社(
つまりは証券会社や銀行)はその運用を使い、
まず入口で販売手数料をゴソッと取る。次に
それを毎月配当という形にして、収入を補おうと
する高齢者に魅力的に見せる。さらに運用手数料
がめちゃくちゃ高い。
ということで、このブログにあるように
今年に入ってから基本的に下げている相場の
場合、株価は下がる、手数料はすごい、
そこから敢えて毎月配当を出す、ということで
残ったものの時価評価がやられるのはごもっとも
なのであります。
1.毎月配当型の投信でなくても、おカネが
必要なら部分的に解約すればいいわけです。
2.いわゆるノーロード型投信を買えば最初の
販売手数料は要らない。
3.ETFと呼ばれるものを買えば、たいてい
運用手数料も安いです。
4.だいたい販売会社が売りたがる投信って、
彼らにとっての手数料が高いものばかりです。
しかし本文にも書きましたが、私はこの秋以降
大きく下げる局面があると思っております。
ちょっと辛い局面になりそうだと思っています。
日本人の歌手は年をとると哀れ。イギリス人歌手はどこか違うのでしょうかね。
米国株価は昨日大きく下げましたが、今後どう展開するのでしょうか。米国は来週から9月5日迄は市場関係者を含め夏休みをとる人が多いのですが、Powel 発言を受け利益確定売りも含め、市場はやや過剰反応と言う感じもします。9月末には又連銀は金利引き上げるでしょうし、株価は当面軟弱な展開でしょうか。おちゃさんの空売りETFには良い状況ですね。
ジャクソンホールは昔イエローストーン公園に言った帰り、そこのモーテルに泊まりました。
冬はスキー客も来ますが、当時は自然が一杯の西部の田舎町。当時はまだ連銀主催の会議はなかった時代ですが。
声にツヤ、はり、勢い、ボリューム感があると
いう意味では現在のトム・ジョーンズはすごい
ですね。
日本では尾崎紀世彦さんが長く立派に歌って
おられましたが、お亡くなりになってしまいました。
布施明さんは歌手生命が長いですね。
今も現役で「声量オバケ」などと呼ばれ尊敬
されております。
エンゲルベルト・フンパーディンク(英国人は
そう発音しないが・・・)も今も
歌ってますね。たいしたものであります。
私は米国株式市場は、どこかで大きく下げる
局面があると思っています。インフレが根強く
残るはずで、それが退治できるまでは
FRBの政策はタイトなものになるでしょうし、
その間に景気悪化を示すデータが出て来るし、
今のところ恐ろしく強い雇用統計が急に
緩み始める場面が出るはずです。失業率が
4%を割ることがずっと続いたことなど過去に
ないはず。
あれあれあれ??なんて言っている間に
市場が恐怖感でいっぱいになり、振り返れば
このトム・ジョーンズ・ラリーは絶好の売り場
だったなんて状況が今後出て来るのではないかな
と想像しています。
トム・ジョーンズ・ラリーなんて言葉まであるとは
さすが大歌手ですね。It’Not Unusualは多くの人の
記憶に残るタイトルなのでしょう。
私も大好きな歌です。