宮応かつゆきの日本改革ブログ

●日本共産党
総選挙で市民と野党の共闘で政権交代を、共産党の躍進をめざします。

”非正規社員の雇用は禁止””格差の固定も懸念材料”。 前駐中国大使丹羽宇一郎氏語る

2014年05月24日 | 雇用と賃金

月刊誌「PHP Business THE21 2014/06」で、前駐中国大使・前伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎氏のインタビュー記事が掲載されていました。 

 この間、日中関係に関する発言が注目されている人でもあります。 今回のインタビュー記事のなかで、日中経済関係、特に、日本の雇用、賃金問題に関する発言に共感を覚えました。

 「急成長を続けてきた中国経済は、近々バブルがはじける。 すでにその兆候はいたるところで、見られると、日本では半ば期待を持って報じられているが、果たしてそれは本当なのか。 また、起こるとすればいつなのだろう」との質問に、丹羽氏は次のように答えています。

 「中国経済はバブルではない。 したがってバブル崩壊もないというのが私の意見です。 ~経済成長が鈍化したのは、確かにそのとおりですが、それも心配するにあたりません。 中国の成長率は2010年までの20年間、平均で10%を超えていました。 しかし、2011年からは一けた台に落ちています。 だからといって経済が低迷しているということにはならないのです」

 「経済規模が一千円のときは、毎年10%成長だと、百円ずつ増えることになります。 では、経済規模が十倍の一万円になって、成長が5%になったとしたらどうですか。 増加分は毎年5百円と、成長率が半分になったにもかかわらず、経済規模の伸びは5倍になります。 つまり、中国経済はいまや経済規模一千円の後進国ではなく、一万円の先進国の仲間入りを果たしつつあるので、二桁の成長など無理になっているのです」

 「しかも、多くの先進国が成長率1~2%にとどまっているのに対し、中国にはまだ5%以上の成長を続ける力があります」

 丹羽氏は、「日本人は、中国のバブルがいつ崩壊するかを心配する暇があったら、その前に自国の経済の行く末を考えなくてはならないと思います」と、次のように語ってい、ます。

 「ここにきて中国もそれに(「教育に起因する労働力の差」)気づき、国民の教育に力を入れ始めたのです。 私の手元にある資料では、なんと国防費の3倍が教育に充てられています。 このぶんでいくと、おそらくものすごいスピードで労働者の質が上がっていくでしょう」

 「これに対し日本には、これを迎え撃つ術がありません。 もっとはっきり言えば、日本の労働現場の労働者の質は確実に下がりつつあります。 その最大の原因は、非正規社員の増加です」

 「いまはまだ高品質の工業製品を安定して供給できていますが、このままいったら、早晩中国に追いつかれのは必至です。 私は、とりあえず日本は非正規社員の雇用を禁止しないと、近い将来多くの工業製品を中国から輸入するようになるのではないかと、本気で危惧しています」

 「それから、日本に関して言えば、格差の固定も懸念材料の一つです。 いったん安定したレールに乗り損ねたら、どんなに頑張っても年収2百万や3百万しか稼げない。 そんな社会になったら、誰が一生懸命働いていいものを作ろうと思うでしょうか」

 「明日は今日より良くなると、みんなが夢を持てる社会にしないかぎり、日本の未来に光が昇る時期が遅くなることは間違いありません」

 大企業の会長を務めた財界人の発言として、たいへん注目される内容ではないでしょうか。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿