「赤旗」紙上でのペリー米元国防長官のインタビューに関して、私は次の2点に注目しました。
第1点は、「トランプ政権の核政策」の分析です。
ー「近く公表予定のトランプ政権の核政策をどうみていますか」
ペリー氏 「『核態勢の見直し(NPR)の草案によると、核兵器の敷居を下げる、つまり使用の可能性をより高めるものになるようです。~ 非常に危険なことだと考えています。 いかなる核兵器の使用であれ、非常に危険な行為です」
ー「インフラや市民生活などに対する非核攻撃に対しても、核の使用を考慮するとしています」
ペリー氏 「単に戦略的な抑止力としての代わりに、戦術的・戦闘的な役割を核兵器に与える可能性があります。 大変に危険なことで、賛同できません」
ー「オバマ政権が退役を表明していた核搭載トマホークミサイル(TLAM-N)を復活させようとしています」
ぺり―氏 「(この問題をめぐって協議した09年当時の)日本政府代表は、TLAM-Nの撤廃について懸念していると言いました。 それは軍事的・技術的な問題ではなく、政治的な問題でした。 日本政府は、日本防衛の目的に供される一連の核兵器があれば、(核で)守られているという国民向けの説明がよりしやすいと述べました。 私たちはTLAM-Nをなくす構想を(日本の懸念にもかかわらず)そのまま前に進めました」
この日本政府の態度表明は、私は初めて知りました。 同時に、「核抑止力論」に関して、「戦略的、戦術的・戦闘的」という概念でとらえ、より危険な『核抑止力論』を明確にして、対応することが、日本政府との対応、運動論の上でも研究することが必要ではないか、と感じさせられました。
第2点目として、「核なき世界」への「教育」の役割の強調です。
ー「核政策に精通しながら、『核兵器は安全をもたらさず、われわれを危機にさらしている』と訴えてきました」
ペリー氏 「オバマ氏は、2期目の終わりまでには冷戦期の核戦力再建を支持するまでになり、トランプ氏は今、それを前に進めようとしています。 これには大変失望しています」
「オバマ氏が支持を得られなかったのは、米国民が核兵器の危険を理解せず、より抜本的な提案を支持する準備ができていなかったからでした。 政治的な行動へ移るのはあまりに時期尚早だと私は結論づけました。 活動の力点を政治的行な行動から、より良い教育の推進へと移しました」
「ワシントンに足を運び、上下連邦議員に会い、この問題で国民に教育を進めるよう話しています。 シンプルな考えに焦点をあて、核兵器の危険性を国民に教えることはできます。 私は、『核(兵器)の悪夢』と呼んでいます」
「人々はみな、集中的な教育プログラムを受けなくても、5分間だけ自分の時間をあてることで、核兵器の危険性について学ぶことができます。 国民が核兵器の危険性を理解すれば、大きな政治的変革を受け入れられるムードに結びつきます。 核兵器の削減、最終的に核兵器の廃絶にむけ、今は一歩下がって取り組んでいます」
「私は、90歳で、(将来の)政治的な行動を見届けることはないですが、私の経験、そこからえた知恵で、教育の分野で貢献できます。 スタンフォード大で200人の学生に教えてきたわけですが、より大きなスケールにしたいと思っています」
大変、大きな示唆と激励をいただいたと感じています。
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