宮応かつゆきの日本改革ブログ

●日本共産党
総選挙で市民と野党の共闘で政権交代を、共産党の躍進をめざします。

「日本共産党の未来社会論(社会主義・共産主義社会)」への関心と疑問点を考える (1)

2020年01月30日 | 未来社会へのプロセス

 1月18日に採択された、日本共産党の綱領一部改定について反響が広がっています。中央政界、地方政治に携わる方々、労働、平和、民主運動や市民運動団体、学者、研究者、個人のみなさんにお礼を申し上げたいと思います。

 現在の綱領が採択された2004年1月時点を振り返ると、まだ、党内の討論を踏まえた改定であったこともあって、こんなに多くの反響、疑問、批判の声が寄せられた記憶はありません。党の歴史上でもはじめてのことではないでしょうか。

 全国紙の「朝日」紙は1月20日付「社説」で、「共闘へさらなる変化を」、「読売」紙は、同月26日付「社説」で、「世論との乖離は埋まらない」などの論評を掲載しました。 

 こうした、共感、疑問、批判等に積極的に向き合い、いっそうの自己改革に生かしていくこくとが、何より大切だと考えています。

 今回の綱領改定の大きな動機に、「中国をどう見るか、どう向き合うか」という大きな課題かありました。 昨年の7、8中総以来この問題が私自身の中でも大きなテーマとなっていました。

 改めて、中国「共産党」の歴史、現状。そして、日本共産党との関係を調べるなかで、不破さんの次の著書に出会いました。

 題名は、「党綱領の力点」です。この本は、不破さんが2013年3月、「特別党学校」での講義をもとに、まとめられたものです。今回の綱領一部改定について、学習、討論する上でも役立つ一冊になると思っています。

 そのなかの次の一節を紹介させていただきます。

「15年間(注:98年の日中両党関係の関係正常化後)の交流で見てきた中国の状況とわが党の対応について、いろいろ話してきました。最後に、それを踏まえての総活的な感想を一つ言います。これは実は、2009年の理論交流から帰ってその報告をした時、報告の最後で述べたことなのですが、同じく社会主義をめざし、科学的社会主義(マルクス主義)という理論の原点は共通であっても、歴史のなかで形成されてきたお互いの理論体系には、『二つの文明』ともいうべき違いがある、ということです」

「したがって、現在起こっているいろいろな物ごとにたいする考え方、見方と対応についても、双方が同じ立場、同じ結論を引き出すということにはならなず、一致する場合、接近する場合もれば、異なる場合も当然、起こります」

「私は、この『二つの文明』が、異なる価値観を持った『二つの文明』ではなく、科学的社会主義(マルクス主義)という共通の源流にたった『二つの文明』である以上、大きな接近は可能だし、むしろそこにこそ歴史の発展的な方向があると考えていますが、それにはやはり、大河の流れるような歴史的時間が必要であることを、よく心得ておかなければならないと考えています」「125~126頁」

 不破さんは、今大会で、次のように発言しました。

「98年に中国側が示した干渉主義への反省の態度表明は、国際的にも過去に前例を見ないほどきっぱりしたものでした。そしてそれ以後、この『反省』を基礎に両党関係を正常化する努力が続けられたのでした。現綱領における先の規定(「社会主義をめざす新しい探求」が開始された国の規定ー中国を念頭においたもの)は、この時期に行われたものでした」

「しかし、その数年後に事態が変化しました。2008年4月、機関銃で武装した中国の船団、いわゆる公船団ですが、これが日本の領土である尖閣諸島の領海を侵すという事態が起こったのであります」

「その後、中国の侵犯行為は拡大する一方でした。この根底にあるのは、国際的な道理も、他国の主権も無視した領土拡張主義にほかなりません」

「尖閣諸島への無法なこの行動は、1998年の両党会談で過去の干渉行動に対する反省の態度を表明した、その同じ指導部のもとで開始されたものでした」

「その事実に著面して、私は、98年の会談で示された大国主義、干渉主義への反省が、中国の党にとってはすでに過去のものとなったことを痛感したものであります」

「ある国が、対外活動で、『社会主義の道にそむく』活動を多年にわたり多方面で行っているということは、その国の国内での活動についても、『社会主義をめざす』ものと判断する根拠を、失わせるものであります」

綱領改定案が中国を『社会主義をめざす』国として特徴づけた部分を削除したのは、中国自身の多年の対外活動からの当然の結論だということを強調したいと思います」

 私は、この不破さんの発言を大会中にライブ視聴し、98年以来の不破さんや中央の担当者の「痛切」な思いと「新たな覚悟と開拓者としてのよろこび、決意」語ったことに、強い共感を覚えました。