じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

川端康成「雪隠成仏」

2023-06-06 21:31:58 | Weblog

★ NHK「100分de名著」、今月は、ナオミ・クラインさんの「ショック・ドクトリン」が取り上げられている。戦争、クーデター、テロ、自然災害、パンデミックなどの惨事に便乗して政府などの支配階層が、平時では実現しにくい改革を断行するというもの。

★ 第1回は、アメリカの巨大ハリケーンやチリ・クーデター、そしてイギリスのサッチャーリズムが取り上げられていた。そうした改革は、フリードマンの新自由主義を援用し、民営化、市場開放、社会保障費の削減を導入し、経済を市場競争に委ねようとした。

★ 当然ながら富は富裕層に集中し、(国内だけではなくグローバルな)経済格差は拡大、市場化によって公共サービスが崩壊する。

★ 「なるほどなぁ」と感心した。日本の介護保険制度なども近い気がした。軍事費(防衛費)や有事体制などももし某国のミサイルが日本に国土の着弾し死者でも出ようものなら、世論の盛り上がりを受け、一気に保守派が憲法改正を含めた強硬な政策を実行するだろうなと想像した。

★ 番組で解説されている堤未果さんの「ショック・ドクトリン」(幻冬舎新書)を即購入した。

★ さて、今日は川端康成さんの「掌の小説」(新潮文庫)から「雪隠成仏」を読んだ。落語のネタが引用されているとか。

★ 今日の行楽地嵐山。桜の季節になると多くの観光客が訪れるが、昔は十分なトイレの施設がなく、農家の雪隠を借りてしのいでいた。

★ あるとき、才気ある農家が「貸雪隠」をはじめ、それが当たって一財産を築いた。それを見た別の農家もより豪華な「貸雪隠」をつくった。豪華なので使用料も高額。一時の排泄にそれほどの出費はできないと想定外の不評に。そこで主は、ある作戦を考えたのだが・・・。

★ いつの時代の商才に秀でた人はいるものだ。しかし度が過ぎると身を亡ぼすことに。

 

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