じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

「経済は地球をまわる」

2008-10-03 03:44:31 | 
経済は地球をまわる―エコノミストの見方・考え方 (ちくまプリマーブックス)
浜 矩子
筑摩書房

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★ 経済学と言うのはどうも肌に合わない。私が学生時代はまだ「マル経だ、近経だ」と論争が華やかな時代だった。

★ 私もマルクスの経済学批判序説を呼んで、上部構造ー下部構造論に心酔したものである。「社会を動かしているのは経済だ」という悟りには達したものの、経済学には政治学や社会学とは違った香りがあり、どうも食わず嫌いになってしまった。

★ 「武士は食わねど」ではないが、銭勘定に偏見があったのかもしれない。単に数学が苦手だったと言うこともある。いずれにせよ、経済学とは距離を置いていた。

★ 時を経て、ふとテレビで浜矩子氏の解説を聞いた。実に面白いではないか。それが本書との出会いである。

★ 本書は経済学のズブの素人が国際経済について学ぶ際には最適の書であろう。著者はグローバル経済の第一線で活躍されたエコノミストである。解説が実にわかりやすく、その経験から滲み出るエピソードはたいへん面白い。語り口もいわゆる学者の格式ばったものではなく、読みやすい。

★ 経済学とは身近なものだなと感じた。

★ 私は、「風が吹けば桶屋が儲かる」の話、「神の果樹園」の話、グローバル化の話(大航海時代とIT社会の到来)の話が面白かった。

★ 成長(雇用創出)、競争(強者生存)、分配(弱者救済)の三角形はとても参考になる認識枠だと思った。この三角形の揺らぎが社会を動かしているんだなと思った。

★ 嫌いな経済学に少しだけ興味がもてるようになった。

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