JSP_Blog

ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

忘れてしまう

2018-01-18 09:00:00 | 日記
 忘れるわけがない、と思っていることでも人は忘れてしまう。脳が記憶できる量に限界があるのか、老化の一種なのか。
 
 季節の変化を除けば大きな事件も無しに静かに日々の暮らしを送っている人Aと、常に新しい情報に触れて飛び回っている人Bが、再会して20年前の思い出を語り合う時、BはAとの思い出をどのように語るだろうか。この再会がわずか1時間程度だった時、それからさらに20年経って再会したAとBは前回の、たった1時間の再会をどのように記憶しているだろう。
 また、Aが女性でBが男性だった場合とその逆では差が出るのだろうか。記憶のメカニズムや記憶を永く持続するメカニズムには性差はあるのだろうか。
 
 外界から信号を受信するセンサーの能力も、入力した信号を分析して評価する能力も人さまざまだ。鼻が利く人もいれば目がいい人もいる。センサーの良し悪しと、その人の境遇の違いがその人の中に蓄積される情報の属性を他人とは異なるものにする。過去のある時点で蓄積された情報を引っ張り出してきて時系列に再構成したものが記憶だとするなら記憶は人によって大きく異なって当然だし性差によっても異なることが予想される。
 
 通信の世界にはデータ圧縮の技術がある。元のデータを圧縮して非常に小さなサイズに変換して伝送し、送り先で再構成して元のデータに「近い」データに戻す技術だ。ほぼ元のまま再現できているように見えて微細な点では現実とは異なる。おそらく脳が行っているのはこれと似たようなプロセスだろう。つまり圧縮されて記録されたセンサーデータを基に脳が再構成した脳内再現世界が記憶なのだ。圧縮はおそらく時間を単位として行われる。これもITの世界と同じだ。長時間にわたって同じような画像データが流れているなら、ある一瞬の画像データだけ記録してそれ以外は記録しない。記録したデータを元に他の時間の映像は再構成することができるからだ。元のままのデータはおそらく一瞬のスナップショットとして脳内に記録され、色や音などの多くの属性データはそぎ落とされている可能性が高い。記憶を呼び覚ます時に、断片の情報から脳がそれらしく着色したり音をつけたりして見たり感じたりした世界に近い風景を脳内に再現する。
 記憶をさかのぼるプロセスでなくリアルタイムの認識に関しても、見えないはずのものが見えたり聞こえないはずのものが聞こえる事象が起こる。おそらく世界を認識する時点ですでに圧縮や取捨選択が行われ、補正された世界を私たちは感じているのだろう。
 
 記憶は思い出されるたびに脳内で再現され、その再現世界が元の経験と錯覚されて再記録されて行くのではないか。圧縮して伝送されたデータは何度も圧縮し直して送信すると劣化が進むが、思い出を思い出す行為はこれに近いように思う。周囲の細かな情報は思い出すたびに失われ、抽象化されたイメージだけが再構成されるようになって行く。そのために若者と年配者では脳内世界で再現される世界は大きく異なるし、記憶にある真実と記録された事実は時間とともに大きくかけ離れて行く。
 
 忘れないでいることは難しい。(三)


moniswitch
  今お使いの離床センサーがそのまま使える!
  離床センサーのスイッチ入れ忘れ事故防止に

monipet
  動物病院の犬猫の見守りをサポート
  病院を離れる夜間でも安心

ASSE/CORPA
  センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
  「できたらいいな」を「できる」に

OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
  短納期HEMS開発をサポート!

GuruPlug
  カードサイズ スマートサーバ

株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする