「さくらんぼ生産高日本一」の東根市で「さくらんぼ種飛ばし」の大会新記録が出たと明るいニュースが流れた。その記録は20m5cm。参加者は50gのさくらんぼがもらえ、規定記録を越えるとさらに50g追加のおまけつくという。美味しそうな旬のさくらんぼを食べ、老若男女が自由に種を飛ばす。こんな明るい話題は微笑ましく参加していなくても気持ちがいい。(追記、射出速度は空気抵抗を無視しても時速50km出ないと届かない。L=(v2*sin2θ)/gだったよね)
ただ、世界記録は上があるようでギネス記録は28.51mらしい。スイカの種飛ばし、梅干し飛ばしなんてものもあるだろうが、梅干しなら酸っぱい口をしてどこまで飛ぶのだろう。
「さくらんぼ」といえば、シャンソンに名曲がある。「さくらんぼの実る頃」、あの越路吹雪さんがよく歌っていた。でもシャンソンで歌われる「さくらんぼ」は「cerise(cherry)」であって、あの美しい「佐藤錦」ではないし、種の大きさも違うだろうから、「さくらんぼ」の記録としてはこれがギネスじゃないのか。と勝手に思う源太郎だ(これだけ、よいしょすると佐藤錦が口に入るかもしれない)
夕方になって温度が下がり、不思議な色の空になった。その空に富士山のシルエットが見える。明日は、いい天気(暑くもなく、雨も降らず)になってほしい。早朝から源太郎は都内に移動、打ち合わせを終えて、午後頼まれた勉強会へ出席なのだ。
「おとうしゃん。今日はジェリー爺さん、夕食をしっかり食べているよ」と夕飯を食べているジェリーの後ろでラウラが監視している。
「ああ、今日はもう薬を飲まなくていいから、薬の匂いがないんだよ」
「そうかぁ。でもさ、鶏肉は残さず食べたけど、パンが残っているよ」
「うん。あいつは安いパンだと残すんだよ」
「ダメだよねぇ」
「いいんだよ。お前みたいに欠食児童でないから」