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「じぇんごたれ」遠野徒然草

がんばろう岩手!

夏の夜話・第四話「同じ場所の怪」

2005-08-09 10:26:47 | 遠野
 私は霊感が強い方ではないと思っている。しかし、小学低学年の頃と成人前後に集中して、なんともいえない体験やら目撃をした経緯が確かに存在している。
 第四話は成人となった20歳前後、2年続けて同場所、同時期に遭遇した内容をご紹介いたします。

 20歳になった晩秋の頃、既に紅葉も終わっていた頃と記憶している。
 一応、車の助手席を暖めてくれる存在の彼女がいましたが、その彼女と花巻方面に遊びに行っていた帰り道、今はホームセンター、タイヤ専門店、食堂、パチンコ店もあって当時よりは少し賑やかな感じではありますが、その頃は石材店と農機具屋さんのみで、直線道路をしばらく走るとその外れには自動車整備工場があっただけで、民家も途中の林の中に1~2軒があるだけの少し寂しいところでもありました。
 夜の11時頃、花巻から遠野へ向かう国道、○町、道路の両サイドは田んぼ、少し行くと遠野方向に向かって右に林がありましたが、その林の手前、50メートル位のところですかね、車のライトに映し出された黒い人影が二つを道路の右肩に視認しております。
 いよいよその人影を過ぎようとした時、ふたつの人影のはずが私にはひとつしか見えませんでした。
 次の瞬間、背筋も凍るといいますか、背中、首筋がザワーとすると身体全体の毛が逆立つような感覚となりました。私の目に映った光景は、着物を着た幼女、日本人形でおかっぱ頭で毬つきをしているものがありますが、それとほぼ同じ姿の幼女でした。小学校に入っているか入っていないかの年頃と思いますが、その横顔だけがやけに白くて、またその着物姿にも違和感があったのです。
 こんな寒くなりかけた時季になんで着物なのか、そして時間帯、それらが脳裏を霞めるととにかく恐怖心が一気に吹き出たのです。
 一方、助手席の彼女は・・・彼女も顔面蒼白、私は「今のなんだあ」と聞くと、彼女は、異常に背が高い、着物姿の男性を見たというのです。
 私は子供しか見なかったのですが、彼女は子供は確認しておらず、男性のみ・・・とにかくスピードを上げてしばらく走り続けました。
 宮守辺りに差し掛かりますと、街灯も多く、道路脇にも民家が多く点在していたのか、少し落ち着いてきたので、改めて先ほどの話をしたのですが、とにかく不思議だ、見たものも違うけど、共通しているのは和服姿であったこと、帰道での話の中では七五三の季節でもあるので、その関係か?なんていう話にもなったので、見た角度の違いもあって親子に違いない、とにかく無理やり何かをこじつけて納得させる考えでもありました。怖いには怖かったけど、まさか・・の気持ちもあってその後はそれほど気にもしておりませんでした。


 それから一年後、関東方面からUターンした同級生が北上の企業に就職し、寮住まいをしておりましたが、休みの日は遠野の実家に帰ってきては私を含む同級生と遊び、夜、車で北上まで送って行くこともしばしばございました。
 その日も、北上の寮に友人を送っていきましたが、午後の11時過ぎ、一年前に変なものを見た場所を通りかかったのです。
 やはり時期は11月の中頃か、冷たい雨が降っておりましたが、例の場所近くに差し掛かりますと、遠くから対向車が確認できました。私の車のライトと対向車のライトの狭間に何か青っぽい人影が歩いているのが見えておりました。こんな雨降りにしかも夜遅くに・・・だんだん近づいてきたその人影らしきもの、いよいよ通り過ぎようとした瞬間、私の目には白っぽいワイシャツ姿の初老といいますか、中年の後半の男性が歩いている光景でした。しかも雪にでもなりそうな冷たい雨の日、傘もささずにしかもワイシャツ姿、全体的に青白く見えてもおりました。そして通り過ぎた瞬間、風と雨が少し強くフロントガラスを叩き付けたようにも感じられましたが、恐怖心はそれほど強くはありませんでした。それは対向車がいたということ、ただそれだけでしたが、次の瞬間、後方にテールランブが赤く点滅したと思うと、今度はバックしている対向車が見えました。私も車を静かに停車させますと、バックする車は私のところまで来まして、窓から男性が顔を出して、「何かとぶつかったんじゃないの」と言うのです。「いいえ、人とすれ違っただけですよ」と答えますと、「火の玉があんたの車の上を越えていきましたよ・・」というと急にその男性も怖くなったのか、急発進して花巻方面に走り出しました。私も怖くなり、猛スピードで家路を急ぎましたが、後部座席に何か居るんではないかと気になりながら帰ってきた記憶がございます。
 まさに一年前に見た場所とほとんど同じ場所でしたし、時期的にもほとんど一緒でもありました。
コメント (8)
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