『「ニセ科学」――それは、根拠のないでたらめな科学用語をちりばめた、科学を装う「まがいもの」。
大学院生の圭は、新進気鋭の生物学者・宇賀神と共に、ニセ科学批判の急先鋒である蓮見教授の元を訪ねる。そこで告げられたのは、宇賀神のライバルであり、想い人でもあった女性研究者の美冬に関する信じ難い事実だった。神秘の深海パワーで飲むだけでがんが治る、「万能深海酵母群」。「VEDY」と名付けられたニセ科学商品の開発に手を貸し、行方をくらませたのだ。
ニセ科学を扱うことは、研究者にとって「死」に等しい。なぜ彼女は悪魔の研究に手を染めたのか? 圭は宇賀神に命じられ、美冬の消息を追うが……。
すべての真相が明らかになったとき、「理性」と「感情」のジレンマが、哀しい現実を突きつける――。』
この作者7冊目、
テレビでは健康食品等のCMでその商品を薦める使用者の個人的感想がよく出て来て・・、高齢化すると身体の不調ヶ所も増えて来て、試してみようかと思う事もあります。
効能の有無が明確ならよいのですが・・、効果が無いとも言い切れないし・・、そこに悪意を持つ人が割り込んでくると・・。
ヒーローの言葉、
「STAP細胞騒動を忘れたのか。世界中で散々追試がおこなわれて、ただの一度も再現できなかったにもかかわらず、まだその存在を信じている人々がごまんといるんだぞ」
ダークヒーローの言葉、
「科学者とて、所詮は感情のしもべなのだよ。・・悲しみや苦しみ、深い悩みに心が押しつぶされそうになったら、人間は理性の鎧など簡単に脱ぎ捨てる。自分だけは何があっても常に科学的、理性的、客観的だなどと根拠もなく思い込むのは、それこそ不遜な態度ではないかね」
余談ながら、
文中に「・・分子生物学系の実験室らしい部屋だった。PCR装置があり・・」、「キャリー・マリス博士・・ノーベル化学賞」とありました。
(Wikiによれば「ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction)とは、DNAサンプルの特定領域を数百万〜数十億倍に増幅させる反応または技術。・・PCR法が確立したことにより、DNA配列クローニングや配列決定、遺伝子変異誘導といった実験が可能になり、分子遺伝学や生理学、分類学などの研究分野で活用されている他、古代DNAサンプルの解析、法医学や親子鑑定などで利用されるDNA型鑑定、感染性病原体の特定や感染症診断に関わる技術開発(核酸増幅検査)、などが飛躍的に進んだ。」)
(21/05/16画像借りました。)