キンちゃんの「マイコレ」partⅤ

果樹栽培、自然観察、・・・そして時々人間観察等です。

リカバリー・カバヒコ

2024-07-11 19:14:37 | 

《新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの公園にある古びたカバの遊具・カバヒコには、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説が。アドヴァンス・ヒルの住人は、悩みをカバヒコに打ち明ける。成績不振の高校生、ママ友と馴染めない元アパレル店員、駅伝が嫌な小学生、ストレスから休職中の女性、母との関係がこじれたままの雑誌編集長。みんなの痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。》

 

読みやすくて、前向きになるストーリーでした。

が、この著者の本を数冊読んだので・・、同じパターンの繰り返しにも感じました。

リカバリー・カバヒコ書影(画像借りました。)

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フェスタ

2024-07-02 18:34:12 | 

《北海道浦河町で競走馬の生産牧場を営む三上収、三上徹の親子。
パリ・ロンシャン競馬場で開催される世界最高峰のレース「凱旋門賞」の舞台で力を発揮できるのは、ステイゴールドの血統に違いない――と確信していた。
そう結論づけた収はその産駒であり、かつて凱旋門賞で二着となったナカヤマフェスタの種付けを続けていた。そうして収が自信を持って作り出した仔馬は、調教師・児玉健司の目に留まり、将来の可能性を信じた馬主の小森達之助に引き取られることに。
二歳となりカムナビと名付けられたかつての仔馬は、美浦の児玉厩舎に引き取られ、その気性の荒さから厩務員である小田島雅彦らに手を焼かせていた。
一進一退しながらも着々と結果を残していくカムナビ。
目指すは、日本競馬界の悲願である凱旋門賞制覇。
生産者、厩務員、調教師、馬主、ジョッキー……ホースマンたちの夢を一頭の競走馬に懸けた熱き物語。》

 

競馬場に行ったことは無いが、全く興味が無い訳では無く・・、読みやすく、大変面白く読ませて頂きました。

競馬に関わる多くの人々の世界に、少し近付けた気にさせてくれました。

フェスタ 画像2(画像借りました。)

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夜露がたり

2024-06-18 18:58:12 | 

《夜は溟くて重く、救いはわずかしかなかった。市井ものの正統にして新潮流。

「どいつもこいつも、こけにしやがって」「難儀だね、身内って奴から逃れられないものさ」、追い詰められ女と男は危うい橋を渡ろうとする。「あの場所の生まれでなければ」と呪い、「死んどくれよ」と言葉の礫をぶつけながら、その願いが叶いそうになると惑う。ここに江戸八景の本物がある。「傑作」と呼ぶしかない短篇集。》

 

江戸の庶民の生活のそれぞれのストーリーに転換点があり面白かったが・・、短篇のためか、終わり方に出来過ぎ感を感じる所もあり・・、もう少し、背景・状況をじっくり書き込んだ作品も読んでみたいとも思いました。

夜露がたり(画像借りました。)

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赤と青とエスキース

2024-05-25 18:51:01 | 

《2021年本屋大賞2位『お探し物は図書室まで』の著者、新境地にして勝負作!

メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画(エスキース)」。
日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――。
二度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。

●プロローグ
●一章 金魚とカワセミ
メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。しかしレイは、留学期間が過ぎれば帰国しなければならない。彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……。
●二章 東京タワーとアーツ・センター
日本の額縁工房に努める30歳の額職人・空知は、既製品の制作を淡々とこなす毎日に迷いを感じていた。そんなとき、十数年前にメルボルンで出会った画家、ジャック・ジャクソンが描いた「エスキース」というタイトルの絵画に出会い……。
●三章 トマトジュースとバタフライピー
中年の漫画家タカシマの、かつてのアシスタント・砂川が、「ウルトラ・マンガ大賞」を受賞した。雑誌の対談企画の相手として、砂川がタカシマを指名したことにより、二人は久しぶりに顔を合わせるが……。
●四章 赤鬼と青鬼
パニック障害が発症し休暇をとることになった51歳の茜。そんなとき、元恋人の蒼から連絡がくる。茜は昔蒼と同棲していたアパートを訪れることになり……。
●エピローグ
水彩画の大家となったジャック・ジャクソンの元に、20代の頃に描き、手放したある絵画が戻ってきて……。》

《1枚の「絵画(エスキース)」をめぐる、5つの「愛」の物語。彼らの想いが繋がる時、奇跡のような真実が現れる――。著者新境地の傑作連作短編集。2022年本屋大賞第2位作品。》

 

「エピローグ」を読み進めて、それまでの短篇間の関連が分かりました。

と言う事で、それまでの内容は忘れている事が多いので、「二度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇」と言う事になりました。

その「仕掛け」無いストーリー展開でも面白かったのでは・・、と思うけど・・。

赤と青とエスキース(画像借りました。)

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お探し物は図書室まで

2024-05-20 19:28:28 | 

《2021年本屋大賞第2位!!
「お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?」
仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。
自分が本当に「探している物」に気がつき、明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。》

 

読みやすく、前向きな気持ちになる本でした。

年齢的な面もあってか、このような、浪花節的な内容の本を好む様になりました。

([あ]14−1)お探し物は図書室まで(画像借りました。)

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八月の御所グラウンド

2024-05-01 18:16:42 | 

《死んだはずの名投手とのプレーボール  戦争に断ち切られた青春  京都が生んだ、やさしい奇跡

謎の草野球大会――借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。》

 

もう1編「十二月の都大路上下(カケ)ル」《女子全国高校駅伝――都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。》

併せて、読みやすい作品でした。

が、自分的には、響きませんでした。

八月の御所グラウンド(画像借りました。)

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め生える

2024-04-23 18:36:26 | 

《せっかくみんなハゲたのに――

突然起こった原因不明の感染症は、いつしか中高生以下を除く全ての人がはげる平等な世界に変えた。
元々薄毛を気にしていた真智加は開放感を抱いていたのだが、ある日、思いがけない新たな悩みに直面し、そのことが長年友情を培ってきたテラとの関係にも影響が及ぼしそうで…。
同じく、予想外の悩みは、幼少期に髪を切られる被害にあった高校生の琢磨にもある。それは恋人の希春と行った占い師のお告げがきっかけだった…。

価値観は刷新したはずなのに、また別の分断の萌芽がそこに。》

 

何となく、そういう事を言いたいのかなという感じはしたけど・・、よく分からない内容でした。

《本作は、外見のコンプレックス、ルッキズムをテーマに、パラダイムシフトを迎えた世界が舞台の小説です。》と言う事なのでしょうか。

め生える(画像借りました。)

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うたかたモザイク

2024-04-06 18:39:58 | 

《甘い出来事も、苦い経験も。いろんな味が楽しめるから、人生は美味しい−。「人魚」「レモンの目」「ツーバイツー」「神さまはそない優しない」など、スパイスをきかせた13の物語を収録する。》

 

よく理解出来ない物語が多くて、再読しても思い出せない作品もありました。(加齢と供に、この傾向は強まっていますが・・。)

以前の作品が多いようですが、いくつかの作品には、この後の人気作品に繋がると感じる部分がありました。

うたかたモザイク(画像借りました。)

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光のとこにいてね

2024-04-03 18:44:27 | 

《たった1人の、運命に出会った

古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。
彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。

運命に導かれ、運命に引き裂かれる
ひとつの愛に惑う二人の、四半世紀の物語》

 

幼い頃にたまたま出会って、何度かの別れを経ながらも特別な関係が続く物語・・、出来過ぎ感はあるものの、都度都度の行動・感情変化が興味深く表現されていました。

我身においては・・、若い頃は濃かった人間関係が、行動力の減退・記憶力の劣化・大人の気遣い・・と共に薄くなっていくなぁ・・。

光のとこにいてね(文春e-book)(画像借りました。)

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スモールワールズ

2024-03-28 18:31:41 | 

《ままならない現実を抱えて生きる人たちの6つの物語

夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。》

 

多種多様な物語が展開されていて、面白い。

後で思うとストーリーに出来過ぎ感を感じても、次々と先を知りたくなる表現力で読み進めさせられてしまいました。

スモールワールズ(画像借りました。)

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ツミデミック

2024-03-20 18:56:32 | 

《大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中に話しかけてきた女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶と目の前の女の話に戸惑う優斗は――「違う羽の鳥」
調理師の職を失った恭一は、家に籠もりがち。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣に住む老人からもらったという。翌日、恭一は得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れると――「特別縁故者」
渦中の人間の有様を描き取った、心震える全6話。》

 

「稀代のストーリーテラー」と紹介されていて・・、6話とも、時事問題を絡めて身近で起こりそうな話が読みやすく展開されていて・・、面白く読むことが出来ました。

という事で、返却時、棚にあった同著者の3冊を大人借りしました。

ツミデミック(画像借りました。)

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ラウリ・クースクを探して

2024-03-19 19:07:25 | 

《1977年、エストニアに生まれたラウリ・クースク。コンピュータ・プログラミングの稀有な才能があった彼は、ソ連のサイバネティクス研究所で活躍することを目指す。だがソ連は崩壊し……。歴史に翻弄された一人の人物を描き出す、かけがえのない物語。》

 

始めは分かり難かったけれど・・、半分程読み進めた頃、視界が広がり、その後は結構夢中に読みました。

ゴルバチョフ、エリツィンの名前が躍る時代に翻弄された若者は・・、挫折し・・、やがて、ITを主軸に置くエストニアの中に居場所を見つける・・。

ブロックチェーンとかの技術的な内容は理解出来ないが、エストニアは独立直後からそれらのIT技術の重要性を認識し、基幹技術に位置付けたらしい。 

 

「わたしの人生はわたしの人生。わたしを不幸だと決めつける権利なんか誰にもない」

「・・親友と会うのに理由なんかいらねえ。何年ぶりか知らねえが、話題なんかなくたっていい。二人で空でも見てればいいのさ。・・」

「この国でまっすぐ生きるのは難しい。まっすぐ行きたいと思ったら、多かれ少なかれ、ロシア人連中のいうことを聞かなきゃならんからな。」

「つまり、独立を経たいまも、この国の人口の四分の一ロシア系の住民である。そのなかには、無国籍状態のままの者もいる。」

「皆、英雄の話には飽き飽きしている。・・でもそうではなく、わたしは、きみのような人の話を読みたいんだ。・・」

ラウリ・クースクを探して 宮内悠介(著/文) - 朝日新聞出版(画像借りました。)

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黒い絵

2024-03-15 18:24:12 | 

《禁断の書。アートの世界の闇にうごめく秘め事とは?衝撃の小説集。禁じられた遊び、爛れたエロス、閃く殺意ー。》

《ついに封印を解かれたのは、著者初の「ノワール小説集」。嗜虐と背徳によって黒く塗りこめられた、全6作品を収録する衝撃作!

深海魚 Secret Sanctuary
高校生の真央は友だちも彼氏もいないうえ、クラスメイトからいじめられていた。そんな真央が安息を得られるのは押入れの中だけだった。真っ暗にすると「海の底」のようで……。

楽園の破片 A Piece of Paradise
ニューヨーク発の急行列車は遅れていた。ボストン美術館での講演会でスピーチをする予定の響子は焦る。もうひとりの話者のレイとは7年間の不倫関係を清算したばかりだった。

指 Touch
私は私大の日本美術史博士課程の2年生。家庭を持つ彼の研究室で助手をしている。ある週末に奈良の室生寺を訪れ、ずっと手をつないでいる私たちは、どう見ても不倫カップルだ。

キアーラ Chiara
アッシジには10年ぶりの再訪だった。亜季は文化財の修復科のある芸術大学を休学して20歳で渡伊し、長年フレスコ画修復の修業をしていたところ、中部の大地震に見舞われ……。

オフィーリア Ophelia
わたくしは絵の中の囚われ人。水に浸ってあとひと息で命が絶えるその瞬間を、生き続けています。ロンドンから日本へ連れて来られたわたくしが目撃した、残虐な復讐とは…。

向日葵(ひまわり)奇譚 Strange Sunflower
超売れっ子の役者・山埜祥哉の舞台の脚本を書きたくて、脚本家の私は、ゴッホが主人公の脚本を完成させる。が、脚本が仕上がった直後に、ゴッホらしき人物の奇妙な写真を入手して……。》

 

今まで読んだ著者の作品とは異質でしたが・・、4作品の初出は、かなり前のようです。

近い初出の2作品の方が好みだが・・。

黒い絵(画像借りました。)

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自分以外全員他人

2024-03-05 07:00:00 | 

《マッサージ店で勤務する柳田譲、44歳、独身。傷つきやすく人付き合いが苦手な彼の心を迷惑な客や俗悪な同僚、老いた母や義父が削り取っていく。自分が暴発してしまうまえに自死することだけが希望となった柳田をさらに世界の図らざる悪意が翻弄する―。第39回太宰治賞受賞作。》

 

近い考えをする事はあっても、そこまでは・・、という生き方をする人の物語。

ビーガン関連の話が出て来て「・・生まれて間もない子豚が麻酔もなしに素手で睾丸をむしり取られたり、・・」という記述があって・・、昔、養豚業に携わった時のアレコレを思い出しました。

Wikiによれば《ヴィーガン協会は、ヴィーガニズムを「衣食他全ての目的において、実践不可能ではない限りいかなる方法による動物からの搾取、及び動物への残酷な行為の排斥に努める哲学と生き方」と定義している。》

自分以外全員他人(単行本)[西村亨](画像借りました。)

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ともぐい

2024-02-29 06:36:59 | 

《己は人間のなりをした何ものかーー人と獣の理屈なき命の応酬の果てには。明治後期の北海道の山で、猟師というより獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男、熊爪。図らずも我が領分を侵した穴持たずの熊、蠱惑(こわく)的な盲目の少女、ロシアとの戦争に向かってきな臭さを漂わせる時代の変化……すべてが運命を狂わせてゆく。人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる、河崎流動物文学の最高到達点!!》

《死に損ねて、かといって生き損ねて、ならば己は人間ではない。人間のなりをしながら、最早違う生き物だ。明治後期、人里離れた山中で犬を相棒にひとり狩猟をして生きていた熊爪は、ある日、血痕を辿った先で負傷した男を見つける。男は、冬眠していない熊「穴持たず」を追っていたと言うが…。人と獣の業と悲哀を織り交ぜた、理屈なき命の応酬の果てはー令和の熊文学の最高到達点!!》

 

昔読んだ「邂逅の森」(内容の詳細は殆ど覚えてないが・・)が浮かぶような展開で進んでいたけど・・、「穴持たず」熊が死んでからは、様相が異なり・・、この著者特有の人間(関係)の重さを感じさせる話になって行きました。

(画像借りました。)

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